国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
ART300GA(芸術学 / Art studies 300)現代美術論Contemporary Art Theory
稲垣 立男Tatsuo INAGAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | C0854 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他/intensive・other courses |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | オンライン(市ヶ谷) |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | ○ |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | ○ |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | ○ |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 受講希望者が1000人を超えた場合、抽選を行います。抽選方法については学習支援システムを通じて連絡しますので、よく確認をしておいてください。 |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Course outline
This course is about contemporary art theory and practice.
Today's contemporary art world is formed by the complex intersection of state-of-the-art (e.g. art, architecture, music, performing arts, images, poetry, ) in various fields.
The context of contemporary art will be interpreted using keywords such as multiculturalism, relationships and communication as keywords.
Learning Objectives
The lecture will also deal with art fields related to contemporary art, and by examining and taking a bird's-eye view of experimental approaches in various art fields, we will deepen our understanding of those ideas.
It seems unfamiliar to everyone, so check the introductory art history and art theory knowledge. In addition, we will hold workshops (learning sensuously and experientially) between lectures to deepen understanding.
Learning activities outside of the classroom
The content delivered on the Google site contains many website links to deepen your learning, so we recommend browsing the ones that interest you. There are also many museums and galleries near the university. If possible, depending on the infection status of the new coronavirus, please watch exhibitions.
The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
Grading Criteria /Policy
Grades will be evaluated based on the total of class activities, assignments and reports. We emphasize the experimentality and positiveness of our efforts. The scoring ratio is as follows.
1. Initiatives for classes (50%)
2. Issues and reports (50%)
See rubrics for specific assessment guidelines.
Based on this grade evaluation method, those who have achieved 60% or more of the achievement target of this class will be accepted.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
今日の現代美術の世界は、様々な分野の最先端の芸術の分野(美術、建築、音楽、パフォーミングアーツ、映像、詩など)が複雑に交差しながら形成されています。この講義では、現代美術の多様性に焦点を当て、理論と実践の両面から探求します。現代美術のコンテクストを社会学、人類学や科学など他の領域かと対比しながら分析し、その中で多文化主義・関係性・コミュニケーションなどのテーマを読み解いていきます。こうしたアプローチを通じて、現代美術がどのように社会的、文化的な変化と相互作用しているかを深く理解するための基盤について学びます。学と比較参照し、多文化・関係性・コミュニケーションなどをキーワードに読み解いていきます。
到達目標Goal
講義では、現代美術と関連のある芸術分野についても扱い、様々な芸術の分野における実験的なアプローチを検証し俯瞰することで、それらの考え方、アイディアについての理解を深めます。
みなさんには馴染みの薄い分野であると思いますので、最初に美術史や美術理論の基本的な知識を確認します。また、講義の間にワークショップ(感覚的、体験的に学ぶこと)を行い、より理解を深めていきます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義映像や資料などの授業コンテンツをGoogle sites全て掲載して一定期間公開し、それをみながら授業を受講してもらうオンデマンド方式にします。
授業当日の流れ(重要)
1.指定された公開日に、Google Classroomにその日の学習内容を掲載した資料(Google sites)のリンクを掲載する。
2.資料を見ながら学習を進める。(当日であれば、授業時間外に学習しても構いません。)
3.Google Classroomに授業に関連した小テストや授業内レポートのリンク(Google Forms)が掲載されているので、回答して提出する。
4.授業内容に関する質問については、Google Formsに書き込んでおくと回答します。
授業の方法
授業時間になるとGoogle Classroomを通じて必要なリンク先や課題の提出について公開します。公開したウェブサイトに授業に関連したテキストや授業概要の映像(YouTube、40−60分程度)、必要な画像やウェブサイトのリンク先などが掲載されていますので、そのサイトを見て学習を進めてください。ウェブサイトは年度末まで公開しておきます。
課題
受講後、Google Formで小テスト、もしくは簡単なレポートを提出してもらいます。提出期間は授業終了後数日程度です。
評価
実習課題とレポートの提出をもって出席とし、採点を行います。
質問・相談
一般的な質問や相談についてはGoogle Classroomを使ってください。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:オリエンテーション
授業計画について
講義内容について
授業の進め方と方法について
評価方法と基準
第2回[オンライン/online]:メディアとアート
絵画・彫刻・ドローイング、写真・映像・インスタレーション
美術における様々な技法やメディアの探究について、その発展と変遷を詳細に考察します。この授業ではメディアの歴史的変遷と共に、アバンギャルドの時代から現代までの現代美術について学んでいきます。美術の歴史的なコンテクストの中で、異なる技法やメディアがどのように位置付けられ、進化してきたのかについて、探究していきます。
第3回[オンライン/online]:20世紀の美術
未来派・ダダ、シュルレアリスム 、アクション、ハプニング、ポップアート、 コンセプチュアル・ミニマルアート
第一次世界大戦前後のアバンギャルド芸術運動(前衛芸術)である未来派、ダダイズム、シュルレアリズムについて学びます。第二次世界大戦で壊滅的なダメージを受けたヨーロッパに代わり、経済力を背景にアメリカが現代芸術の中心地となりました。60年代以降には、概念的なアートや、ハプニング、ランドアートのような従来の絵画や彫刻にとらわれない表現様式が多く登場します。これらの表現は、芸術の領域に現代的な多様性をもたらしました。
第4回[オンライン/online]:21世紀の美術
新表現主義、YBA、関係性の美術 、ソーシャリー・エンゲージドアート
1980年代に、アメリカのコマーシャル・ギャラリーから生まれたムーブメント、「新表現主義」について学びます。新表現主義は、表現主義的なスタイルを追求し、絵画における感情的な表現と物質的な豊かさを再評価しました。また、ミレニアム前夜には、イギリスやフランスを中心に、二つの重要な芸術運動が登場しました。「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれる運動で、若手アーティストの作品が国際的な注目を集めました。「リレーショナル・アート」は観客との関係性や環境との対話を重視することで、芸術の社会的な役割を再考しました。2010年代には「ソーシャリー・エンゲージド・アート」と「ソーシャル・プラクティス」という、社会的な関与をテーマにした芸術運動が注目を集めています。これらは芸術を社会問題に関与させ、社会的な変化を促すことに焦点を当てています。
第5回[オンライン/online]:ワークショップ1
単元のまとめ・ワークショップ
メディアとアート、20世紀の美術、21世紀の美術 の講義内容の確認をします。
第6回[オンライン/online]:現代美術とパフォーマンス1
パフォーマンス・アートの始まり/アクション、ハプニング、インスターション
パフォーマンス・アートは身体を用いて時間的な経過と共に行われる表現行為です。1960年代にアラン・カプローが「ハプニング」、また前衛音楽家のジョン・ケージは「イベント」という言葉を使って芸術の常識を破ろうとしました。70年代からは主にパフォーマンスアートと呼ばれるようになります。
第7回[オンライン/online]:現代美術とパフォーマンス2
社会と関わるアート/ビデオパフォーマンス、エンデュランスアート、テクノロジーとパフォーマンス、芸術と社会、委託されたパフォーマンス
ソーシャリー・エンゲージド・アートのような社会に対する直接的なアプローチのみならず、どのような時代の芸術作品もその作品が作られた社会と深く結びついています。各時代の社会と関わるアートに関する事例について学んでいきます。
第8回[オンライン/online]:身体とパフォーマンス
パフォーミング・アーツ、バレエ、モダンバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス、舞踏
パフォーミング・アーツは視覚芸術であるファインアーツに対して演劇やダンスなどの舞台芸術、行為・アクションによって成立する芸術という意味で使われています。バレエに始まる近代ダンスの変遷、また現代演劇についても触れます。
第9回[オンライン/online]:音とパフォーマンス
現代音楽 ミュージック・コンクレート、フルクサス、ミニマル・ミュージック
シェーンベルクに始まり、ミュージック・コンクレート、ジョン・ケージの偶然性の音楽、ミニマルミュージックを経て現代に至る現代音楽の流れを美術の世界と比較しながら学んで行きます。
第10回[オンライン/online]:言葉とパフォーマンス
ビート・ゼネレーション、スポークン・ワード、ラップ・ミュージック
シュルレアリスムやコンセプチュアルアートなどのテキストによる美術表現や言葉を使ったパフォーマンスアートと、ポエトリーリーディング/スポークンワードなどの現代詩の世界を比較します。
第11回[オンライン/online]:ワークショップ2
単元のまとめ・ワークショップ
現代美術とパフォーマンス1、現代美術とパフォーマンス2、身体とパフォーマンス、音とパフォーマンス、言葉とパフォーマンスの講義内容の確認をします。
ワークショップ・パフォーマンス
第12回[オンライン/online]:美術のある場所
美術館、国際展、アーティスト・イン・レジデンス、アーティスト・コレクティヴ、オルタナティブスペース
アートの生まれる場所について、美術館・国際展のような公的な場所、そしてアーティスト・イン・レジデンス、アーティスト・コレクティヴやオルタナティブスペースなど。それぞれの場所とそれに関わる人々について学びます。
第13回[オンライン/online]:批評/キュレーション
批評、モダンアートとコンテンポラリーアート、キュレーション
キュレーターは学術的な専門知識によって美術資料の収集や保管、展覧会の企画や構成、運営などを担当します。また、作品の理解や価値判断に関する美術批評のあり方について学びます。
第14回[オンライン/online]:ワークショップ3
単元のまとめ・ワークショップ
美術のある場所、批評/キュレーションの授業内容の確認をします。
ワークショップ・スライス・オブ・ライフ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
Google sitesで配信する授業コンテンツには、学習を深めるためのウェブサイトのリンクが多く紹介されていますので、興味のあるものについては閲覧することをおすすめします。また、大学の近くには美術館やギャラリーが多くあります。新型コロナウィルスの感染状況にもよりますが、可能であれば企画展、常設展などの展覧会などを多く鑑賞してください。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
Google sitesを通じて授業に必要な資料を配布します。いくつか参考書を紹介しますので、それらのうち少なくとも一冊を選んで購読することを勧めます。また各分野の研究に関して必要となる資料についてはその都度紹介します。
参考書References
山本浩貴『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』中央公論新社、2019年
デイヴィッド・コッティントン(著者)、松井 裕美(翻訳)『現代アート入門』名古屋大学出版会、2020
小崎哲哉『現代アートとは何か』河出書房新社、2018年
『改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト』美術出版社、2014年
『続 西洋・日本美術史の基本』美術出版社、2016年
『新・アートの裏側を知るキーワード』美術出版社、2022年
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価については、平常点(授業への取り組み)、課題とレポートの合計で行います。取り組みの実験性、積極性を重視します。採点比率は以下の通りです。
1. 平常点(50%)
2. 課題とレポート(50%)
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
普段触れることの少ない現代芸術に関する専門的な内容の講義やワークショップになりますので、とてもやりがいがあると思います。ワークショップではスケッチによるプランや写真作品など簡単な実践に取り組みますが、受講される皆さんは例年課題について積極的に取り組まれているようです。楽しく解りやすい授業を心がけたいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布・課題提出等のためにGoogle classroomを使いますが、履修に関する情報については学習支援システムを併用しますので、よく確認しておいてください。
その他の重要事項Others
受講希望者が1000人を超えた場合、抽選を行います。抽選方法については学習支援システムを通じて連絡しますので、よく確認をしておいてください。
実務経験のある教員による授業
稲垣立男はコンテンポラリーアーティスト。フィールドワークによる作品制作と美術教育に関する実践と研究を国内外で実施しており、これらの現場での経験を毎回の講義に反映させています。