情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences
SOC140KA-GH-106(社会学 / Sociology 100)社会と情報科学Society and Computer Science
前山 和喜Kazuki MAEYAMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | J0305 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 / Koganei |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2022年度以降入学者)Category (2022~) |
教養科目 人文系科目 |
カテゴリー(2021年度以前入学者)Category (~2021) |
教養科目 人文系科目 |
カテゴリーCategory |
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Outline (in English)
We will consider how our daily lives and society are transforming from the perspective of computers, information science and technology, which are the technological foundation of modern society. Classes will focus on familiar themes as much as possible.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
私たちはしばしば情報科学の発展をそのまま社会や暮らしの発展と考えてしまいがちです。この授業では、現代社会の技術的基盤であるコンピュータや情報科学・技術の視点から、その歴史的な連続性を意識しつつ、日々の暮らしや社会のあり方の「変容」について考えていきます。多岐にわたるテーマについて考えることで、自分が学んでいる情報科学、そして生きている現代社会について多角的な興味関心・問題意識を持てるようになることが目的です。
到達目標Goal
情報科学部という場で受講生がこれまでに学んでいる事柄をもとに、それと社会の関係を主体的に捉え考えてもらうことを目指す。これから、さらに高度な情報科学を学び実践するとき、あるいは社会に出てから役に立つ考え方を身につけてほしい。自分の外の世界への視点を多角的に持てるようになること、そしてその視点から見えてきた事柄に対して、自分の考えをまとめ、表現する力を養うことに重点を置く。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
情報科学部ディプロマポリシーのうち「DP1」と「DP3-1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的にはパワーポイントを映しながら授業を進めますが、適宜受講生との対話から、対象となる問題について考えを深めていきます。
シラバスに示す各回のテーマについて、現在的で具体的な話題と情報科学的な話題の両面を扱います。
毎回の授業の最後にリアクションペーパーの記入と提出を求めます。次回の授業でそれに対するリアクションをする時間も設けます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
オリエンテーション[対面/face to face]:社会と情報科学の関わり
この授業で扱うテーマ、授業の進め方、方針、成績評価を説明します。現代社会のあらゆる場面で使われている情報科学(と技術)を理解しようとするときの視点について共有します。
情報と計算機の歴史(1)[対面/face to face]:情報と計算機の科学・技術・工学
「2進法」「デジタル」「情報」そして「情報科学」の歴史について話します。「情報」「計算」「コンピュータ」に関するさまざまな学問・学部学科名の違いや授業内容の変遷の考察を通じて、学問としての「情報」の全体像を掴んでいきます。【トピックス】翻訳語としての情報・交通・通信、日本における情報・計算機教育史など
情報と計算機の歴史(2)[対面/face to face]:計算概念と計算労働の発展史
「計算」について詳しく議論していきます。「筆算」「数表」「プログラム」「チューリングマシン」などの計算概念の発展や、CalculationとComputationの違いなど日本語としての「計算」の意義の変容と、仕事としての「計算」の変化について扱います。【トピックス】量子計算、計算困難性、アダム・スミスの分業論、マックスウェーバーの官僚制など
情報と計算機の歴史(3)[対面/face to face]:計算機器の発展と社会変容
計算機と訳されることの多い"Computer"ですが、この機械は何を計算しているのでしょうか。多様な計算機器や情報処理機器が現在的なコンピュータに至るまでの流れや、それらの機器の使われ方の歴史の視点から社会の変容について考えていきます。【トピックス】計算器と計算機、サービスとしての計算、百科全書と啓蒙思想など
情報と計算機の歴史(4)[対面/face to face]:さまざまなコンピュータとその営み
皆さんのポケットにはいつもスマートフォンがあり、帰宅したらコンピュータを起動してゲームをしたり通話したり色々な活動をしていることでしょう。日々の生活に欠かせなくなった多様なコンピュータについて考えることで、コンピュータとは何かについて議論を深めます。【トピックス】そろばん、スマートフォン、ゲーミングPCなど
物理空間と仮想空間の連関(1)[対面/face to face]:新たな社会としての仮想空間
メタバース技術などに代表されるように、仮想空間(サイバー空間)の中にも一種の社会が生まれるようになってきました。もしくはSNS上では、日常とは異なる言論空間で日々活発な言葉のやりとりがなされています。そのような今までに無かった新しい社会について考えます。【トピックス】メタバース、フォートナイト、Yahoo!ニュースなど
物理空間と仮想空間の連関(2)[対面/face to face]:類比された世界としての仮想空間
物理空間を模倣した仮想空間や、物理的・時間的障壁を乗り越えるために開発されたテレプレゼンス技術など、現実世界があるからこそ意味のある仮想空間も存在します。今回は2つの空間の違いを考えつつプレゼンスのコストについて議論します。【トピックス】MMORPG、モバゲータウン、セカンドオフラインなど
物理空間と仮想空間の連関(3)[対面/face to face]:重畳された世界としての仮想空間
ARや空間情報処理の技術的側面と併せて、位置情報を利用したゲームや実際の風景の画像や映像を利用したゲーム、ARを利用したナビアプリなど、仮想的な情報を実世界に重ね合わせることで見出されている新しい価値観や、それがどのようにユーザーの現実認識を拡張するかについて考えます。【トピックス】ポケモンGO、GeoGuessr、拡張現実など
物理空間と仮想空間の連関(4)[対面/face to face]:自己表現としての仮想空間
仮想空間では、好きな見た目にもなれ、複数のキャラを使い分けられ、瞬間移動もでき、シャットダウン(一瞬で消すこと)もできる個人を創り出すことが出来ます。現実世界とは異なった個人を理解するための社会的・技術的視点を考えます。【トピックス】アメーバピグ、VTuber、メディア・イベント論など
中間レポートの振り返り[対面/face to face]:中間レポートの共有と講評
提出されたレポートからいくつかを選び、その内容について講評した上で、全体でディスカッションを行ないます。他の受講生がどんなことを考えているか、それは自分から見るとどう見えるのかなどについて考えてみます。
情報科学・技術と社会の変容(1)[対面/face to face]:メディア技術とコンテンツ
多種多様な視聴覚メディアの発明によって、私たちは時間や空間を超えて世界を知覚できるようになりました。「倍速視聴」など新しい技術を用いたコンテンツ消費方法によって生まれる「コスパ」・「タイパ」のような価値観について考えます。【トピックス】倍速視聴、聞こえくる過去、4分33秒、ノイズキャンセリングなど
情報科学・技術と社会の変容(2)[対面/face to face]:つながりとコミュニケーション
「マッチングアプリ」のような人と人とをつなげるための情報系サービスで用いられるアルゴリズムは、必ずしも学問的・理論的なコンピュータサイエンスで研究が行われているものとは一致しません。アルゴリズムの設計が社会的な感覚や価値観へ与える影響について考えます。【トピックス】グラフ理論、マッチングアプリ、常時接続社会
情報科学・技術と社会の変容(3)[対面/face to face]:人生とゲーム
今回は、さまざまな角度からゲームについて考えます。実際に遊んで楽しむだけでなく、社会課題の解決や学習意欲の向上にもゲーム要素が活用されていることや、ゲームに熱中し過ぎることへの懸念、ユニバーサルな遊びとしての適用などを扱います。【トピックス】人生はゲームなのだろうか?、Valorant、アクセシビリティコントローラー
情報科学・技術と社会の変容(4)[対面/face to face]:情報社会とバズワード
具体的にはよくわからないけどなんとなく専門用語に聞こえる「バズワード」と呼ばれる言葉を耳にする機会が増えてきました。この言葉の持つ効果や意義を分析しながら、実際的な情報科学と社会の中の情報技術の関わりについて考えていきます。【トピックス】AI、DX、ブロックチェーン、スマートシティ、Society 5.0
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、計4時間を標準とします。しかし、必ずしも本を読むなどいわゆる”勉強”だけをする必要はありません。みなさんは暮らす社会には情報科学・技術やそのような見方・考え方が溢れているはずです。それらに気づき、どのような情報科学・技術によって実現しているかを調べてみたり考えてみたりすることもこの授業において重要な”学習”です。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しません。
参考書References
授業の各回で、その回のテーマに関連する本やWEB サイトを紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
評価は以下の3つの点数の合計点(100点を超えたら切り捨て)とします。
(A) 毎回提出を求めるリアクションペーパー(各3点)
(B) 学期間中に2回課すレポートの評価(各25点)
(C) 授業中の積極的な参加(最高20点)
レポートの提出は必須とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
各回でさまざまなテーマを扱うため、どうしても説明が多くなってしまいます。なので、毎回の授業の最初に「今回の授業で何を考えて欲しいのか」を提示することで、学生は何を意識しながら授業を聞けばよいのかを分かりやすくしています。
また、積極的に質問をするようにし、学生の発言や議論の時間も確保するようにします。
進度や内容については、リアクションペーパーを参考にしながら授業を進めていきます。
部屋の温度については注意を払います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業では毎回「リアクションペーパー」の提出を求めるので、鉛筆と消しゴムは持参してください。2回の課題レポートはPDFファイルの提出とするため、文書作成ソフトは使えるようになっていてください。
その他の重要事項Others
受講生の興味関心に併せて授業で取りあげるテーマを変更する場合があります。詳しくはガイダンスで説明します。
前期に開講する「社会と科学」と繋がる授業内容になっているため、履修を考えている人はぜひそちらも受講してください。
内容の全てを暗記してほしいわけではなく、授業スライドも配布するため、メモを取ることに必死にならないでください。