情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences
SOC140KA-GH-105(社会学 / Sociology 100)社会と科学Society and Science
前山 和喜Kazuki MAEYAMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | J0304 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 / Koganei |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2022年度以降入学者)Category (2022~) |
教養科目 人文系科目 |
カテゴリー(2021年度以前入学者)Category (~2021) |
教養科目 人文系科目 |
カテゴリーCategory |
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Outline (in English)
This course is about how science and technology were born in society, how they have developed, how they have been treated by people, and how they have influenced society and changed the way people think and live, society and the earth itself. The purpose is to develop literacy in understanding the relationship between science, technology and society and to develop one's own perspectives. Interest in various events happening in society is also an important part of learning in the classroom. Evaluation will be based on class participation, a reaction paper, and two reports.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
科学と技術が、社会の中でどのように生まれ、発達し、社会にどのように組み込まれてきたか、そして人間の思考法や生活に影響を与えてきたかを学び、考えます。本授業の目的は、①現在社会を過去と未来の連続的な時間軸の上で理解するための歴史的・未来的視点、②今現在に起こっている事柄へ対する多角的な視点、③現代社会にとって欠かせない科学・技術・工学に対する自分なりの視点、を持てるようになることです。内容は情報科学部らしい視点を多く含んだ「社会と科学」になるように設計しています。
到達目標Goal
自然科学と現代技術の基礎にある世界観と論理、科学・技術・工学と社会の関係を理解し、それらに関する情報を自分で捉えて、扱えるリテラシーを取得することを目指す。これから理工系を専門として学び実践していく上で役に立つ考え方を身につけてほしい。自分の外の世界への視点を多角的に持てるようになること、そしてその視点から見えてきた事柄に対して、自分の考えをまとめ、表現する力を養うことに重点を置く。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
情報科学部ディプロマポリシーのうち「DP1」と「DP3-1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的にはパワーポイントを映しながら授業を進めますが、適宜受講生との対話から、対象となる問題について考えを深めていきます。
シラバスに示す各回のテーマについて、歴史的な話題と現在的・未来的な話題の両面を扱います。
毎回の授業の最後にリアクションペーパーの記入と提出を求めます。次回の授業でそれに対するリアクションをする時間も設けます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
オリエンテーション[対面/face to face]:「社会」と「科学」か、「社会と科学」か
この授業で扱うテーマ、授業の進め方、方針、成績評価を説明します。現代社会において切っても切れない関係となった「社会」と「科学」について考えていく予備的な知識を共有します。
科学技術社会と人びと(1)[対面/face to face]:科学・技術・工学における歴史
科学・技術・工学のそれぞれが誕生した源流と成立の歴史について、一般市民の視点、学生の視点、研究者の視点の各立場から学び、歴史において何が記録されてきたのか・語られてきたのかを考えます。また、有名な科学的逸話や歴史的出来事は、必ずしも学問としての歴史において重要であるとは限りません。歴史を学ぶ面白さについても考えていきます。
科学技術社会と人びと(2)[対面/face to face]:専門知とは何か:科学・技術・工学は誰のものなのか
近現代社会において科学が量的・質的に拡大していくなかで、職業人としての専門性も生まれていきます。専門家の持っている知識(専門知)が必ずしも一方向的ではないことを確認しつつ、専門知を類型化し、科学おける専門性について考えます。加えて、専門家と市民、それぞれの立場の変化(科学論の3つの波)についても扱います。
科学・技術と日本(1)[対面/face to face]:科学思想の翻訳と自立、日本型学問の展開
日本において百数十年前まで「科学」や「技術」という言葉は存在しませんでした。それらを受容するために当時の人はどのようにして、日本語への「翻訳」を進め、大学などの教育機関の設置し、学会や研究所などの研究機関・学術団体を組織していったのかを、情報系に関わりのある分野を中心に追っていきます。
科学・技術と日本(2)[対面/face to face]:科学・技術のコミュニケーション
もはや科学・技術・工学と無縁で生きていくことの出来ない現代社会において、それらと関わりがあるのは必ずしも専門家とは限りません。今回は「理科と科学の違い」「科学教育」「科学コミュニケーション」「科学雑誌・番組」「博物館・科学館」などの視点から、広い意味での”社会”全体と科学・技術・工学がどのような相互作用をもたらしているのか考えます。
科学・技術の実践(1)[対面/face to face]:研究を行なう組織と研究者の実像
ほとんどの科学者や技術者は、研究室にこもって個人的に活動しているわけではなく、多様な属性の人たちと関わりながら組織的な活動として研究を行なっています。科学・技術の活動基盤としての大学や学会=研究者コミュニティや、財政的な基盤である研究助成などがどのように作用しているのかについて整理し、研究活動のありようを理解していきます。
科学・技術の実践(2)[対面/face to face]:知を生み出す社会的な仕組み
現代社会の中で科学・技術・工学がどのように実践されているかについて考えます。研究が行われている場も一つの社会とみなすことができます。好き勝手に研究をすることはできず、ほかの社会と同じように様々な決まりや規範が存在しています。「ガバナンス」「倫理」「リスク」「アセスメント(評価)」「ジェンダー」など具体的な枠組みについて学びます。
科学・技術の実践(3)[対面/face to face]:科学的営為を支える基盤と多様な実践
現在の科学的な実践は研究室の中や研究者の頭の中だけで行われているわけではありません。顕微鏡や望遠鏡(観測装置)、スーパーコンピュータ(計算機)、センサやアナライザ(計測器)などの物質的基盤や、「ビッグサイエンス」「シチズンサイエンス」「オープンサイエンス」など新しいタイプの研究実践など、科学的営為の背後にある実態を学びます。
中間レポートの振り返り[対面/face to face]:中間レポートの共有と講評
提出されたレポートからいくつかを選び、その内容について講評した上で、全体でディスカッションを行ないます。他の受講生がどんなことを考えているか、それは自分から見るとどう見えるのかなどについて考えてみます。
数と科学、社会の中の数(1)[対面/face to face]:数量化革命と社会
定性的に物事を捉えていた世界から、数量化をすることで定量的に捉える世界へと変容していった歴史について考えます。数量化に関して、記数法からはじめ、暦・時計、地図、楽譜、簿記などの実例を取り上げながら、現在的な思考様式に変容していく過程を追っていきます。
数と科学、社会の中の数(2)[対面/face to face]:客観性概念と社会
感染症や経済のニュースなど、私たちの生活の中では数(数字)を使った情報のコミュニケーションがなされ、その背景には「客観性」という考え方が大きく関わっています。今回はその概念が作られ浸透していく歴史からはじめ、政治や経済、自然科学など現場で「数値」が使われることに意味について考えます。
数と科学、社会の中の数(3)[対面/face to face]:データ、モデル、シミュレーションと社会
近年、様々なシミュレーションに基づいた認定や評価、設計、開発、研究などが行なわれています。従来の科学とは異なり、事象そのものを観察したり、実験したりするわけではないシミュレーションにはどのような意味や正しさ・確からしさを保証する仕組みがあるのかを、科学哲学の側面から考えます。
社会と科学と未来(1)[対面/face to face]:未来学の歴史と未来
未来についての学問について「世界デザイン会議」「万博」「ビジョン戦略」「技術予測」などの事例を通じて考えます。また、学問の未来として「学際的研究」「メタサイエンス」「戦略プロポーザル」などの事例を紹介し、その上で、学問と未来の不定性について議論します。
社会と科学と未来(2)[対面/face to face]:答えの無い問いと新しい研究活動
現代社会はトランスサイエンスと呼ばれる「科学に問うことはできるが、科学では答えることができない問題」が存在しています。明確な答えを出していく営為に見える科学に内在する答えの出ない問いや未来社会のあり方に対しての向き合い方について考えていきます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、計4時間を標準とします。しかし、必ずしも本を読むなどいわゆる”勉強”だけをする必要はありません。みなさんは暮らす社会には、当たり前過ぎて気づかないかも知れませんが、科学・技術やそのような見方・考え方が溢れているはずです。その背後にはどういった歴史的経緯があり、今後はどうなっていくのかなどに興味を持ち、調べてみたり考えてみたりすることもこの授業において重要な”学習”です。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しません。
参考書References
授業の各回で、その回のテーマに関連する本やWEB サイトを紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
評価は以下の3つの点数の合計点(100点を超えたら切り捨て)とします。
(A) 毎回提出を求めるリアクションペーパー(各3点)
(B) 学期間中に2回課すレポートの評価(各25点)
(C) 授業中の積極的な参加(最高20点)
レポートの提出は必須とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
各回でさまざまなテーマを扱うため、どうしても説明が多くなってしまいます。なので、毎回の授業の最初に「今回の授業で何を考えて欲しいのか」を提示することで、学生は何を意識しながら授業を聞けばよいのかを分かりやすくしています。
また、積極的に質問をするようにし、学生の発言や議論の時間も確保するようにします。
進度や内容については、リアクションペーパーを参考にしながら授業を進めていきます。
部屋の温度については注意を払います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業では毎回「リアクションペーパー」の提出を求めるので、鉛筆と消しゴムは持参してください。2回の課題レポートはPDFファイルの提出とするため、文書作成ソフトは使えるようになっていてください。
その他の重要事項Others
受講生の興味関心に併せて授業で取りあげるテーマを変更する場合があります。詳しくはガイダンスで説明します。
後期に開講する「社会と情報科学」に繋がる授業内容になっているため、履修を考えている人はぜひそちらも受講してください。
内容の全てを暗記してほしいわけではなく、授業スライドも配布するため、メモを取ることに必死にならないでください。