文学部Faculty of Letters
HIS200BE（史学 / History 200）西洋史特講ⅦSpecial Lecture on Western History VII
遠藤 泰生Yasuo ENDO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | A3174 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐0702 |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 史学科 |
| 他学科公開科目 | ○ |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This class surveys the history of the United States in the 18th and 19th centuries. This term, history of racial and gender norms, which has exerted a significant influence on the division of contemporary American political landscape, will be focused and examined with special care. Students are expected to cultivate balanced sensibilities to differences of race and gender identities in our diversified society.
A wide variety of primary sources, including literature, paintings, and films, will be assigned to read and watch and examined. During the semester, one book report will be required and students are expected to learn how to read literary text as historical documents. Also a few historical map studies are required.
Grading are based on Book report (30％), Map studies(20％), and Final exam (50％). Reaction papers are essential to demonstrate good class attendance.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
植民地時代から現代までのアメリカ合衆国の歴史と文化を概観し、現代アメリカ社会を形づくる社会規範の生成と変成を学ぶ。2024年度秋学期は、とくに、アメリカ社会の分断を引き起こす大きな要因となる人種規範とジェンダー規範の歴史に注意を払いながら、アメリカ近現代の歴史を学ぶ。政治文書にとどまらず、文学、絵画、映画など多様なメディアに刻まれた時代の相貌に触れることで、立体的な歴史理解の習得を目指す。諸外国における人種規範、ジェンダー規範を比較の対象とすることで、アメリカの歴史の特徴を相対化させることも心掛けたい。
到達目標Goal
人種やジェンダーの歴史構築性が指摘されるようになって久しいにもかかわらず、その規範の起源を読み解き、あらたな未来に向けて因習を読み替える作業は容易に進んでいない。主にアメリカ合衆国の近現代史を学びながら、その困難に丁寧に向き合い、多文化共生の基盤形成に不可欠な人種、ジェンダー規範への理解を深める。その一方で、アメリカ合衆国以外の国の例も参照しながら、多文化共生の選択肢がさまざまに開かれていることを学生は学ぶ。
文学、絵画、映画その他を歴史を学ぶ史料として取り上げ、史料分析に必要な複眼的な視野を培う。その過程で、外国語文献に馴染むことも求められる。狭義の歴史学だけでなく広義の地域研究の枠組みの中で外国史を学ぶことが学生はできるようになる。
課題図書の読書レポートの執筆を通し、論理的な論文を記すのに必要な文章の形式、語彙を学生は修得することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義を主体に進めるが、演習形式の授業も途中で混ぜる。とくに、史料読解の練習に際しては、あらかじめ担当学生を決め、授業冒頭で簡潔な報告をしてもらう、報告者は短いレジュメを用意してくることが求められる。課題読書レポートにはコメントを付して返却する。そのほか、歴史地図の作図提出を学期中に数回求める。この作業を行うことで、「知ったかぶり」の外国事情研究者がアメリカ合衆国については少なくないなか、確かな知識に基づく議論を学生は行うことができるようになる。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：女権運動と反奴隷制度運動の交差：E.K.スタントンの怒り
アメリカにおける女性参政権取得運動の黎明を振り返る。
第2回[対面/face to face]：西漸運動：アメリカン・ヴィジョンの系譜
西へと領土を拡大した19世紀アメリカ合衆国における空間意識と美意識の形成をアメリカ絵画の歴史に学ぶ。
第3回[対面/face to face]：セクショナリズムの高揚とドレッド・スコット判決
セクショナリズムの対立が深まる中、南北融和の可能性を絶った連邦最高裁の判決を検討する。
第4回[対面/face to face]：南北戦争
アメリカ合衆国史上最大の死傷者を出した南北戦争の歴史を概観する。
第5回[対面/face to face]：リンカン大統領とゲティスバーグ演説
エイブラハム・リンカン大統領の名を歴史に刻むゲティスバーグ演説の意義を検討する。
第6回[対面/face to face]：『ハックルベリー・フィンの冒険』における「冒険」が問うもの
アメリカ国民文学の傑作とされるマーク・トウェインの古典を読む。
第7回[対面/face to face]：スティーブン・フォスターの郷愁とフォークソングのアメリカ
郷愁の中の南部とそこに見られる人種表象を検討する。
第8回[対面/face to face]：W・ウィルソン大統領と人種正義の漂白
民主主義の海外伝道者とされたウィルソン大統領の時代における人種主義の歴史を振り返る。
第9回[対面/face to face]：W・E・B デュボイスの陰鬱と希望："10パーセント"のエリートの葛藤
20世紀アメリカ合衆国における最高の知性の一人と称される、デュボイスの古典『黒人のたましい』を読む。
第10回[対面/face to face]：アイダ・B・ウェルズとビリー・ホリデイ：リンチとの闘い
黒人に対する人種主義の象徴とされるリンチをめぐる黒人女性の闘いを確認する。
第11回[対面/face to face]：女性参政権運動と市政家政学：都市の時代の女性運動
20世紀初頭のアメリカ合衆国で台頭した女性参政権運動の結実と、同時代に展開した市政家政学の流れを追う。
第12回[対面/face to face]：憲法修正第19条：女性参政権と新しい女たち
1920年代に花開いた「新しい女」の文化史を学ぶ。
第13回[対面/face to face]：「長い公民権運動」からBLMへ
1930年代から現代のブラック・ライブズ・マターへと受け継がれるアフリカ系アメリカ人の異議申し立ての運動を振り返る。
第14回[対面/face to face]：秋学期の学習の振り返り
秋学期の学習の振り返りと期末試験。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
指定した教科書の指定個所を事前に読み、疑問点を整理しておく。指定課題図書や映画を熟読、鑑賞し、時代思潮に触れること。歴史地図の提出は所定の用紙に手書きし提出する。一週ごとに、約４時間が学習の目安となる。
テキスト（教科書）Textbooks
・遠藤泰生・小田悠生編『はじめて学ぶ アメリカの歴史と文化』（ミネルヴァ書房、2023）
・W・E・B デュボイス著/木島始訳『黒人のたましい』（岩波文庫、1992）
参考書References
・マーク・トウェイン著/西田実訳『ハックルベリー・フィンの冒険（上・下）』（岩波文庫、1977）
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業時におけるリアクションペーパーの提出は出席の必須条件となる。そのうえで、課題図書読書レポート（30％）、歴史地図作成（20％）、期末試験（50％）を修了し、60点以上の得点を得た者が単位を取得する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業中の討議、質問には積極的に答えるので、積極的な発言を奨励する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくに無し。
その他の重要事項Others
短くはあってもできるだけ英語史料の読解を心がけたい。必要な歴史史料は、データに落として配布するのでHoppi上の連絡事項を常時チェックすること。