文学部Faculty of Letters
HIS200BE(史学 / History 200)西洋史特講ⅤSpecial Lecture on Western History V
皆川 卓Taku MINAGAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | A3172 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S407 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | ○ |
カテゴリーCategory | 史学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
(Course outline)How social mobility (changes in status, status, occupation, workplace, religion, place of residence, etc.) that occurred in medieval and early modern Europe had an impact on the lives, identities, and structures of people and groups of people. , introduces recent research results. Participants will learn that social mobility is deeply connected to historical development, and will reflect on how people living in societies during periods of each levels of economic growth can be positively involved in society.
(Learning Objectives)Even though the economic growth rate was extremely low by today's standards, the people of early modern Europe sought to change their status, status, occupation, and area of activity, and sought to make the most of themselves by enduring the shocks of a different environment. Not only did he open up new opportunities, but he also created a social framework in which he could realize the person he wanted. Students will study the dynamic aspects of early modern European "society" and the role it played in shaping the modern era from multiple perspectives, and objectively understand the possibilities of social mobility.
(Learning activities outside of classroom)
・Be sure to read the handouts distributed in advance before class and keep the general content in mind (1 hour each time).
・Before class, I will research all the words I am learning for the first time and words I only know by name using reference books and the internet, and I will make notes on a handout (for 1 hour each time).
・After class, students will research on their own or ask questions to the instructor about points they did not understand during class (1 hour each time).
・Listen to the lecture, take notes on what you think, and prepare for writing your final report (1 hour each session)
(Grading Criteria /Policy)
・Evaluation will be based on the average score (20%), quizzes for each unit (30%), and final report (50%).
・Be able to understand the outline of social mobility that developed in early modern European history [1st evaluation process: corresponds to the 30% quiz for each unit], read the macro-level movements of history from there, By comparing and relative to the modern society in which the students live, we will see how well they have achieved a bird's-eye view to objectively discuss history [Second evaluation process: corresponds to 50% of the term report] .
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
近世ヨーロッパにおきる社会的流動性(social mobility : 地位、身分、職業や職場、信仰、居住地などの変更)が、人や人の集団同士の生活やアイデンティティ、仕組みに与えた影響かについて、近年の研究成果を紹介します。受講者はそこから、社会的流動性が歴史の発展に深くかかわっていることを学ぶとともに、さまざまな成長期の社会に生きる人々が、いかにして社会に前向きに関われるかを省察します。
到達目標Goal
近世ヨーロッパの人々は、現代から見れば経済成長率が極端に低い中にあっても、自ら身分や地位、職業や活動地域の変更を求め、異なる環境の衝撃に耐えて自らを活かす可能性を拓くばかりでなく、自分の求めた自分を実現する社会的枠組みをも形成していった。この近世ヨーロッパ「社会」の動的側面の実相と、それが近代の形成に果たした役割を多角的に学び、社会的流動性が持つ可能性を客観的に理解する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
スライドとプリントによる系統的なスタイルでの講義形式を中心に行います。単元の終了毎(原則として対面ですが、オンライン回にせざるを得ない場合はその都度)に、オンライン掲示による小テストを実施し、到達度を測ります。対面による質問は随時受け付けます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:社会的流動性とは何か(1)
社会的流動性(社会移動)は人間生活の活力を左右する基礎的条件ですが、それが分析の対象となることは多くありません。身近な生活を例に、社会的流動性とは何かを簡単に紹介します。
第2回[対面/face to face]:社会的流動性とは何か(2)
社会的流動性を歴史的に見ると、どのようなことが分かってくるかを、高校までの既習知識の中にある事例から指摘し、それが過去の社会の分析に有効であることを論じます。
第3回[対面/face to face]:中世ヨーロッパの社会的流動性(1)
中世ヨーロッパの厳格な身分が、権力者に強制された制度ではなく、むしろ職業教育の未発達やコミュニケーションの未熟な中、人々自身から作られたものであることを論じます。
第4回[対面/face to face]:中世ヨーロッパの社会的流動性(2)
中世後期に徐々に活発化する社会的流動性が、人々の認識の変化を促し、それが社会の集団意識に逆反射して、仕組みや制度をも徐々に変えていく実態を紹介します。
第5回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【教会と信仰】(1)
近世ヨーロッパの人々に自分の生活環境を変えるチャンスとなった様々な場の中で、キリスト教の教会組織と信仰によるネットワークが大きな影響を及ぼしたことを論じます。
第6回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【教会と信仰】(2)
教会組織や信仰のネットワークにおける社会的流動性が、次第に既存の組織の持つバイアスを変化させ、教会の改革や信仰の自由に導いていく展開を説明します。
第7回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【宮廷と軍隊】(1)
近世の厳格な身分の壁を超える場の一つに、権力者が営む宮廷と軍隊がありました。そのうち宮廷に注目し、どのような人材がそれを利用して流動性の波に乗れたのかを詳しく論じます。
第8回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【宮廷と軍隊】(2)
前回に続いて軍隊に注目し、そこでどのような能力が評価されたのか、またそこにはどのような限界があり、結果として軍隊の流動性はどのようなものになったのかを分析します。
第9回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【都市とビジネス】(1)
近世ヨーロッパの都市は、ビジネスを通じてそれまで閉じ込められていた境遇から自分を解放し、流動性の波に乗る重要な場でした。そこではどのような可能性があったのかを概観します。
第10回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【都市とビジネス】(2)
都市とビジネスの流動性は、そこで動く人々の内面をも変化させました。それがどのようなものであり、彼らはより望ましい場の実現を求めてどのような社会を促したのかを論じます。
第11回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【教育機関・文化とメディア】(1)
近世ヨーロッパでは、様々な教育の場が、本来の目的であった宗教や職業を超えて生活に広く役立てられました。そこから生まれた流動性の特徴を、いくつかの事例に即して検討します。
第12回[対面/face to face]:社会的流動性の舞台【教育機関・文化とメディア】(2)
近世ヨーロッパの流動性の特徴として、メディアによる流動性があります。直接地位や居住地を変えなくても、認識を共有した集団の中から生み出されたコミュニケーションと価値に注目します。
第13回[対面/face to face]:社会的流動性の変質と「社会」の誕生
近世ヨーロッパの流動性は、身分や資産の上下に留まらず、好み(ハビトゥス)や人生観、知性など精神面の発展も促しました。それが自由な個人の支える社会という発想を生み出すまでを論じます。
第14回[対面/face to face]:総合評価とまとめ
近世ヨーロッパの流動性が、単なる地位や富の上下を超え、多様性を承認する「市民」という新たな秩序の枠組みを創造しえたのはなぜなのか、これまでの授業を振り返りながらまとめます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前に配布されるプリントは必ず授業前に読み、大まかな内容は頭に入れておきます(毎回1時間)。
・授業前に参考書やネットを通じて、始めて知る言葉、名前しか知らない言葉について一通り調べ、プリントにメモをします(毎回1時間)。
・授業終了後、授業中に分からなかった点について、自分で調べたり教員に質問します(毎回1時間)。
・授業を聞いて考えた点をメモを取り、期末レポートの作成に備えておきます(毎回1時間)
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは使用しません。(レジュメがテキストの機能を担います)
参考書References
清水廣一郎『中世イタリアの都市と商人』講談社 2021
成瀬治『近代ヨーロッパへの道』講談社 2011
高澤紀恵/G・カレ『「身分」を交差させる―日本とフランスの近世』東京大学出版会 2023
L・ストーン(佐田玄治訳)『エリートの攻防―イギリス教育革命史』お茶の水書房 1985
角山栄他『生活の世界歴史(10)産業革命と民衆』河出書房新社 1992
Ch・ハルツィヒ他(大井由紀訳)『移民の歴史』筑摩書房 2023
成績評価の方法と基準Grading criteria
・評価は平常点(20%)、単元毎の小テスト(30%)、期末レポート(50%)を総合して評価します。
・ヨーロッパ近世史の中に展開される社会的流動性の概要を理解することができ【第1評価プロセス:単元毎の小テスト30%に照応】、そこから歴史のマクロ的な動きを読み取り、受講者の活きる現代社会と比較・相対化することで、歴史を客観的に論じるための俯瞰的な視点をどれだけ達成しているか【第2評価プロセス:期末レポート50%に対応】をみとります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
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学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
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