人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
PHY200HA(物理学 / Physics 200)サイエンスカフェⅣBasic Course of Natural ScienceⅣ
渡邊 誠Makoto WATANABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | C2429 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | 自然環境科学の基礎(物理学) |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市G‐G502 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category |
展開科目 コース共通科目 |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category |
展開科目 自然科学関連科目群 |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
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Outline (in English)
(Course outline) Theme: Physical fundamentals for energy and materials In this course we learn fundamentals of physics. Features concerning energy and materials will be clarified with relation to environmental problems on the earth. The following themes will mainly be examined: the law of motion, the concept of energy, the units of energy and power, energy conversion, energy balance on the earth, heat and its capacity, the three states of substances, molecular dynamics for gases and liquids, thermal engine and the heat efficiency, thermal expansion of liquids and solids, the mechanism of thermal transference (conduction, convection, and radiation), phase transition among three states (melting, boiling, and sublimation), fundamentals of wave phenomena, electric circuit, magnetism and electricity, the structure of atomic nuclear and energy, the fission and radioactivity, the first and the second law of thermodynamics, etc. They are instances lectured in this course. (Learning Objectives)At the end of this class, we are expected to have the knowledge of fundamentals of physics. The concept of energy and materials is expected to be acquired in class. We will explain the meaning of units appearing in nature. The concept of entropy is necessary to be understood. Students will learn the mechanism of environmental problems from the viewpoint of physics. (Learning activities outside of classroom) We will be expected to spend two hours to prepare research report before each class. After it we need two hours to understand the content. The sum is four hours for each class. (Grading Criteria /Policy) The grade of the class is decided with the term-end examination 80% and reports presented in class 20%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テーマ:物質とエネルギーの理解から環境問題などの考察へ
本科目は文系の皆さんに物理学という分野の内容について慣れ親しんでもらうための科目である。日常のありふれた現象を眺めることにより、物理学は、(1)我々の生活に密接に関連していること、そして(2)環境問題に直結しその本質的なところを理解するためには必須の内容であること、を「直感的に」学んでいく。物理嫌いの人や高校で物理を履修してこなかった人の受講を大歓迎する。もちろん物理を学んできた人も同様である。高校で習うような(難しい?)式を扱うことはほとんどしない。環境問題を考えるには「地球」というシステムとそこで行われている人間活動「人為」の特徴を「自然法則」に照らして理解する必要がある。この授業の目的はその3つの内容を理解するための基礎的事項を学習することにある。
到達目標Goal
物質とエネルギーに関する内容について学習する。物理学的な知識の修得は環境問題をはじめとして様々な社会的課題を考察するために必須であることが理解できるようになることをめざしている。具体的な目標としては次に示すとおりである。
・物理学の基礎事項を修得する。
・様々な自然科学的な単位について説明できる。
・エントロピーの概念について説明できる。
・物理学と環境問題などとの関係性について説明できる。
なお授業内容に関係する分野は、運動と力・エネルギー、物質と熱現象、気体、波動、電流と回路、電界と磁界、原子と原子核などであり、高校物理の内容をほぼ網羅するものとなっている。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
人間環境学部のディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
対面形式で授業を進めていく予定である。連絡事項等は学習支援システム上に表示する。視覚的教材をできるだけ多く取り入れながら授業を進めていく。授業資料を毎回事前に学習支援システムに掲載するので、資料を参照しながら受講してほしい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ガイダンス
授業内容の説明を行う。なぜ物理は環境問題を考察するための基礎となるのか?
第2回[対面/face to face]:物体の運動とエネルギー
(力学の法則、エネルギーの概念と様々な単位、エネルギーの保存と散逸など)
物体の運動、力学について。エネルギー保存則とは何か?ジュール(J)、ワット(W)などの基本的単位の超入門。
第3回[対面/face to face]:熱とエネルギーを理解しよう
(エネルギーの種類と変換、地球に降り注ぐ太陽エネルギーの大きさを測る)
異なった形態のエネルギーと変換について。温度とは?比熱とは?calとJについて。太陽定数の大きさと地球-宇宙の間のエネルギー収支を知ろう。
第4回[対面/face to face]:熱とエネルギーを理解しよう
(気体の性質、エンジンなどの熱機関の原理を理解する)
気体の圧力、体積、温度などの関係(ボイル・シャルルの法則)を理解する。気象現象の考察。熱機関(熱から仕事への変換)と熱効率について。
第5回[対面/face to face]:熱とエネルギーを理解しよう
(熱の伝わり方を見る、金属棒を伝わる熱+空気の流れにより伝わる熱+電気ストーブによる加熱)
伝熱の3形態「熱伝導」「対流」「熱放射」を理解する。地球システムと熱との関係は?人間活動と熱との関係は?ヒートアイランド現象とどのように関係しているのか?
第6回[対面/face to face]:物質の三態と状態変化を調べよう
(氷の融解・水の蒸発と潜熱、地球上に存在する水の役割について)
物質の三態(液体、固体、気体)と相転移を理解する。状態変化に伴って出入りする潜熱の測定。地球上における水の大循環の役割は?生命体維持における水の役割は?
第7回[対面/face to face]:物質の三態と状態変化を調べよう
(水の密度と膨張率+氷の密度と浮力、氷の融解現象について)
水の温度と体積との関係を理解する。水に浮かんだ氷の融解に伴う水位の変化を調べる。海水温の上昇と海面水位の上昇との関係は?氷山が融解すると海面水位は上昇するのか?
第8回[対面/face to face]:波の性質を知ろう
(横波と縦波を観察する、自然の中に現れる様々な波を調べる)
横波と縦波、周期と振動数(周波数)、波長と振幅、波の重ね合わせなどの基礎事項を理解する。音や光の性質などの考察。地震波などの理解。
第9回[対面/face to face]:電気回路の性質を知ろう
(電流、電圧、抵抗の超入門、抵抗線を流れる電流による熱発生(ジュール熱)について)
乾電池、導線、抵抗などによる電気回路とオームの法則、キルヒホッフの法則などの理解。電力系統網における送電ロスとは何か?
第10回[対面/face to face]:磁石を使って電気を作ろう&電池を使って磁石をつろう
(電界と磁界について、発電機とモーターの原理を知る)
発電機とモーターのしくみを理解する。電磁誘導と発電の原理を理解する。電磁波とは何か?可視光線、赤外線、紫外線、電波、X線などは電磁波の仲間。
第11回[対面/face to face]:原子・分子を理解しよう
(原子の構造とエネルギー、核分裂と原子力発電のしくみについての超入門)
原子核と電子、中性子と陽子、放射線と放射能、Bq(ベクレル)とSv(シーベルト)などについて。原子力発電、ウラン、プルトニウムなどに関する入門的解説。
第12回[対面/face to face]:物質・エネルギーの保存則と拡散則を知ろう
(水と湯の間の熱移動+水中に落とされたインク拡散などの現象からエントロピーの概念へ)
熱は高温側から低温側へ、インクは部分から全体へ拡散する。物質とエネルギーの「量の保存」と「質の劣化」の直感的理解。
第13回[対面/face to face]:物質とエネルギーの保存則と拡散則を知ろう
(エントロピー論)
なぜLED電球は白熱電球に比べて省エネなのか?エネルギー変換にはロス(損失)が伴われる。エネルギーの最後の行き場は「熱」。人間活動をエントロピーから解釈する。
第14回[対面/face to face]:総括
講義内容を概観し、環境問題および社会の持続可能性について考察する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
講義資料等を使用して必ず予習・復習をしてください。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは使用しません。学習支援システムに授業資料を掲載します。
参考書References
開講時に紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
本科目では期末試験を行う予定です。また授業内においてレポートを提出してもらうことがあります。成績は期末試験の結果80%、提出されたレポートの充実度20%によって判定します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業をゆっくりと進めていきます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にありません。
その他の重要事項Others
くれぐれも「自分は理系でないからこの科目を履修しない」という考え方をもたないでください。この科目には環境問題を学ぶ上で必要な内容がたくさんあります。文系の皆さんにこそ履修してほしいと考えています。
この科目は「環境モデル論I」「環境モデル論II」に関する基礎としても位置づけられています。環境問題の学習をより発展させていくためにもそれらを履修することをお薦めします。