人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
HIS300HA（史学 / History 300）日本環境史論ⅡJapanese Environmental History II
芳賀 和樹Kazuki HAGA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | C2313 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
| 教室名称Classroom name | 市外濠‐S307 |
| 配当年次Grade | 1～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 環ｺｱ：ロ,文 |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリー（一般・総合型選抜、編入学試験入学者）Category |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
| カテゴリー（社会人RSP入試入学者）Category |
展開科目 人文科学関連科目群 |
| カテゴリー（2022年度以前）Category (～2022) |
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Outline (in English)
【授業の概要（Course outline）】
The Japanese archipelago in the early modern period has experienced a variety of disasters. People have not simply stood idly by and let nature's threats be ignored. Through experience, they discovered that forests have the ability to prevent damage from landslides, droughts, floods, flying sand, tsunamis, and other disasters, and they protected and nurtured "forests that protect people's lives" in various regions in the hope that they would fulfill this function. These "forests to protect people's lives" became the basis for the establishment of the safety forest system in the modern period, which has been handed down to the present. This course will cover a wide area from the north to the south of the Japanese archipelago, and will explain how "forests that protect people's lives" have been protected and nurtured in the passage of time from the early modern period to the modern period. The purpose of this course is to examine the "history of the relationship between people and nature" in early modern and modern period Japan, using disasters as a key word.
【到達目標（Learning Objectives）】
In this course, students will learn about the "history of the relationship between people and nature" in early modern and modern Japan, with disaster as the key word. The objectives of this course are (1) to be able to explain the meaning and usage of historical terms and how to read and understand historical materials based on specific examples, and (2) to be able to construct a rich historical picture by focusing on changes over time and regional as well as national trends while being aware of time and space as "early modern and modern Japan.
【授業時間外の学習（Learning activities outside of classroom）】
Students are expected to prepare and review using handouts, reference books related to the theme, etc. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
【成績評価の方法と基準（Grading Criteria /Policy）】
Grading will be based on the final exam (60%) and reports, etc. (40%). The final exam will be evaluated based on the level of understanding of the course content, and the reports, etc. will be evaluated based on the richness of the responses to the assignments.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
近世の日本列島では、さまざまな災害が発生しました。こうした自然の脅威に対し、人びとは、ただ手をこまねいていたわけではありません。経験から、森林が土砂流出や渇水・洪水、飛砂、津波等の被害を防止する機能をもつことを発見し、その機能の発揮を期待して各地で“暮らしを守る森林”を保護・育成したのです。この“暮らしを守る森林”は、近代における保安林制度成立の基礎となり、現在まで受け継がれてきました。本授業では、空間として日本列島の北から南までを広範に取りあげ、近世から近代への時間の流れのなかで、“暮らしを守る森林”がどのように保護・育成されてきたのかを講義します。本授業の目的は、災害をキーワードにして、近世・近代日本の「人と自然の関係史」について考察することです。
到達目標Goal
本授業では、災害をキーワードに、近世・近代日本の「人と自然の関係史」について学習し、①歴史用語の意味や使い方、歴史資料の読み解き方を、具体的な事例に基づいて説明できるようにすること、②「近世・近代日本」という時間と空間を意識しつつも、時間の流れによる変化、全国的な動向だけでなく地域性にも注目し、豊かな歴史像を構築できるようにすること、を目標とします。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
人間環境学部のディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
授業は、原則として対面による講義形式で行います。各回の授業は、主として配付プリントにより、シラバス通りに進めます。レポート等提出後の授業においては、いくつかポイントを取り上げ、全体に対してフィードバックします。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：はじめに―災害からみた人と自然の関係史
今、災害をキーワードにして、「人と自然の関係史」を学習する意義について考える。
第2回[対面/face to face]：近世日本の“暮らしを守る森林”
近世日本の人びとが、経験に基づき、“暮らしを守る森林”を保護・育成したことを学習する。
第3回[対面/face to face]：山を治める
草木の掘り採りが森林を荒廃させ、河川への土砂流出の原因となったことを理解する。土砂災害に対し、植林などが進められたことを学習する。
第4回[対面/face to face]：水源を育む
渇水・洪水を受けて、水源涵養林が保護・育成されたことを学習する。
第5回[対面/face to face]：強風に備える
強風を防ぐため、平野部の屋敷の周囲で防風林（屋敷林）が植栽されたことを学習する。
第6回[対面/face to face]：飛砂に備える
内陸部の森林荒廃による土砂流出が、海岸部での飛砂の被害を助長したことを理解する。主に日本海側で、飛砂の被害を防ぐため、海岸砂防林が植栽されたことを学習する。
第7回[対面/face to face]：潮風と高潮に備える
主に太平洋側で、潮風や高潮の被害を防ぐため、防潮林が植栽されたことを学習する。
第8回[対面/face to face]：地震と津波からの復興
地震とそれにともなう津波の被害からの復興について学習する。被災経験に基づき、堤防の建設と海岸林の植栽が進められたことを理解する。
第9回[対面/face to face]：飢饉への対応
凶作による飢饉が起こったことを理解する。飢饉の際、森林から得られる食料が人びとの命を繋いだことを学習する。「御救山」と呼ばれる制度が、飢饉からの復興に果たした意味を考える。
第10回[対面/face to face]：火災からの復興
明暦年間の大火後における、都市江戸の復興過程と防火林の植栽について学習する。
第11回[対面/face to face]：近代日本の国土保安（1）―国土保安の思想
第11回～第13回では、近代日本における国土保安の思想と実践について学習する。第11回では、森林行政の展開と、国土保安の思想について考える。
第12回[対面/face to face]：近代日本の国土保安（2）―旧規旧慣の再発見
明治政府が、近世の“暮らしを守る森林”の歴史について調査・収集したことの意味を考える。
第13回[対面/face to face]：近代日本の国土保安（3）―保安林制度の成立
森林に関する日本初の体系的な法令「森林法」が制定され、そのなかで近世の“暮らしを守る森林”を基礎とする「保安林制度」が定められたことを学習する。
第14回[対面/face to face]：まとめと試験
授業を総括し、試験を実施する。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
配布資料やテーマに関連する参考書などを確認し、準備学習と復習をしてください。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
特に指定しません。授業資料を配付します。
参考書References
芳賀和樹「総説“暮らしを守る森林”―江戸時代からのメッセージ―」（徳川林政史研究所編『徳川の歴史再発見 森林の江戸学』Ⅱ、東京堂出版、2015年、1-48ページに所収）
北原糸子編『日本災害史』吉川弘文館、2016年
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価は、期末試験（60％）、レポート等（40％）により行います。期末試験は授業内容の理解度に応じて、レポート等は課題に対する内容の充実度に応じて評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
難解な歴史用語などについては、わかりやすく丁寧な説明を心がけたいと思います。