文学部Faculty of Letters
PHL300BB(哲学 / Philosophy 300)文化史2History of Culture 2
伊藤 直樹Naoki ITOU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | A2263 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火1/Tue.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y403 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 文学部以外の学生は資格科目として履修する(A3852) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 哲学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This course deals with the autobiography. By taking this course, students acquire an understanding of Essence of Autobiography. Students will submit comments on the class content after attending the lecture. These comments will be used to review the previous class. Final grade will be calculated according to the following process term-end report (70%), and in-class contribution (30%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
まず自伝の本質とは何かということについて解説する。
自分が自分について語る自伝には固有の真実がある。客観的な事実が書かれてあるわけでもなく、かといって虚構が書かれているのでもない。その中間にある。ここに自伝の魅力がある。
作品として、アウグスティヌス『告白』、ルソー『告白』、ゲーテ『詩と真実』、フランクリン『フランクリン自伝』、福沢諭吉『福翁自伝』をとりあげ、その時代状況のなかで読み解いてゆく。その上で、受講者全員が、任意の自伝を選びそれについて発表する。最後に、レポートで、上記の自伝を読み、その内容から得たものを報告する。さらに、自分で短い自分史を書く。
昨年度、受講生が自ら取り上げた自伝には、次のようなものがあった。
ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』、アガサ・クリスティー『アガサ・クリスティー自伝』、伊沢拓司『東大生クイズ王』、柳田國男『故郷七十年』、坂本龍一『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』、乙武洋匡『五体不満足』、
いろいろありました。
この授業を受講することによって、自伝の本質を理解することができます。
到達目標Goal
この授業では、「自伝」とはなにか、また著名な自伝はどのようなものであるかを、それぞれの作品が置かれている歴史的、地理的状況を踏まえつつ解説してゆく。受講生の大半は、「自伝」という言葉を知ってはいるが、実際に「自伝」にふれたことがない。しかし、受講生は、この講義を通して、「自伝」についての確実な知識を得て、かつ複数の「自伝」に目を通したことがあることになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
パワーポイントを用いて、自伝一般について、また重要な自伝について講義をする。毎回、リアクション・ペーパーを配布し、それに応答しつつ理解を深める。そのうえで、受講生に、任意の一つの作品をとりあげて紹介してもらう。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーション ─「学生に対する評価」を中心とした、シラバスの内容説明;自伝とはなにか(1)
自伝の定義:ルジュンヌなどを⼿がかりに、自伝とはなにかということを明らかにします。
第2回[対面/face to face]:自伝とはなにか(2)
自伝において、自己を語るということについて解説します。
第3回[対面/face to face]:アウグスティヌス『告白』(1)
アウグスティヌスという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第4回[対面/face to face]:アウグスティヌス『告白』(2)
アウグスティヌスの『告白』の構造を解明します。
第5回[対面/face to face]:ルソー『告白』(1)
ルソーという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第6回[対面/face to face]:ルソー『告白』(2)
ルソーの『告白』の構造を解明します。
第7回[対面/face to face]:ゲーテ『詩と真実』(1)
ゲーテという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第8回[対面/face to face]:ゲーテ『詩と真実』(2)
ゲーテの『詩と真実』の構造を解明します。
第9回[対面/face to face]:『フランクリン自伝』
ベンジャミン・フランクリンという⼈物とその時代、そしてその自伝について紹介します。
第10回[対面/face to face]:『福翁自伝』
福沢諭吉という⼈物とその時代、そしてその自伝について紹介します。
第11回[対面/face to face]:ボーヴォワールの自伝を読む
ボーヴォワールの、『娘時代』『女ざかり』などをとりあげ、紹介します。
第12回[対面/face to face]:自分史について
「自分史」について紹介します。
第13回[対面/face to face]:自伝紹介1
受講⽣に、自分で選んだ自伝を紹介してもらいます。
第14回[対面/face to face]:まとめ
全体を振り返り、クラス全体で自伝についての意見交換をします。そしてレポート提出をしてもらいます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
11月末に、自伝紹介レポートを提出してもらうので、それまでの講義を受けながら、自分なりに自伝とはなにかを問い、紹介すべき自伝を探す。そのうえで、紹介文を書く。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書となるような特定のテキストは用いません。
参考書References
取り上げる自伝は、次のものです。アウグスティヌス『告白』岩波⽂庫ほか、ルソー『告白』岩波文庫ほか、ゲーテ『詩と真実』岩波文庫 ほか、ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』岩波文庫、福澤諭吉『福翁自伝』岩波文庫
成績評価の方法と基準Grading criteria
自伝紹介レポートの提出および発表。(自分自身で、任意の自伝を選び、それを読んで授業内で発表する。)
課題レポート。(授業内で取り扱った自伝作品についてのレポート。)
授業への積極的な貢献度(コメントカードの記述など)30% レポート70%
自伝紹介レポートでは、講義された内容を踏まえつつ、受講生自らが自伝を選定し、読んで報告する。これが課題レポート提出の必要条件となる。次いで、課題レポートでは、講義内容、自分での自伝紹介を踏まえて、さらに、講義内容で扱われたテキストに自らあたることによって、自伝の理解を確認してもらう。
※定期試験は実施しない
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
次の受講生に向けて、コメントを書いてもらいました。
「時代や歴史・時の流れを横軸にとりつつ、いかに自分の生き様を描くか、普遍的な歴史の中でどうやって個を表すか、この交点が自伝なのだと学びました。伝記や評論と異なるのは、自分自身が語り手となることでしょう。自分の視点が入るからこそ、たんなる歴史書や日記、エッセイを超えた別物になるのではないかと思いました」。
「自伝について「その人の考えを知る」というより、「その人をそうさせている背景を知る」ことができるのが面白いと感じました。時代や立場など、そのひとがそう思考する背景は、個人の性格などと同じくらい行動や考えに影響を与えているのだと、複数の自伝を比べるなかで理解できました。私の書いた、また他の方の書いた自分史は、50年後、100年後にどのように受けとられるのだろう、無自覚に私の思考に影響している「背景」について考えるきっかけになりました」。