文学部Faculty of Letters
PHL400BB（哲学 / Philosophy 400）哲学演習（１１）Seminar on Philosophy (11)
内藤 淳Atsushi NAITO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | A2240 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 年間授業/Yearly |
| 曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐0902 |
| 配当年次Grade | 3～4 |
| 単位数Credit(s) | 4 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 哲学科 |
| 他学科公開科目 | |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
（Course outline）
This course deals with "human altruism" in the perspective of evolutionary phychology. The main content of this class is to examine why humans have the propensity to "care for others.
（Learning Objectives）
The goals of this course are to understand the characteristics of human altruism and human nature. At the end of the course, students are expected to form their own opinions about human nature, relying on the findings of human science.
（Learning activities outside of classroom）
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content including wrighting short essays on the content of each class.
（Grading Criteria /Policy）
Final Grade will be decided based on assigned essays, presentations at seminars (80% each in charge of either) and contribution in class discussion (20%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
マイケル・E・マカロー『親切の人類史：ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』を精読する。人間はなぜ他人を思いやったり「他人のため」の行動をとったりするのかを考えるのがこの本のテーマである。生物は、進化の中で、自分が生き残って子孫を残すための身体や内面の仕組みを発達させてきたが、人間は、自分以外の他人の利益のために行動することがしばしばある。そうした「利他的」な性質を人間が持つようになったのはなぜか、それはすべての人間に生物学的に備わった性質なのか、それとも環境や教育の影響によって後天的に生じるものなのか。利他的な性質や行動が生じる「原因」を探ることで、人間とはどういう存在なのか、人間の本性とは何なのかという人間理解を深めるのがこの授業の目的である。
あわせて、卒業論文に関する構想報告と書き方の指導を随時行う。
到達目標Goal
(1)人間の心理や行動を進化の観点に立って分析する進化心理学の視点と方法が分かるようになる。
(2)そうした視点に立ちつつ、心理学や人類学などの科学的な研究・調査結果を活用して「人間の姿」を実証的に把握するやり方が分かるようになる。
(3)人間についての科学的な研究や考察を踏まえて、人間とはどういう存在なのかに関する自分なりの「人間観」を持てるようになる。
(4)論理的な文章を正確に理解する読解力と、その内容をレジュメや図表を使って他の人に分かりやすく説明する力を身に付ける。
(5)自分の意見を合理的・説得的に説明する力を習得すると共に、他人の意見を聞いてその趣旨を正しく理解する力、それに対して合理的に批判・反論する力を身に付ける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
毎回あらかじめ報告者と応答者、小論文担当者を定め、報告者による担当箇所の内容報告と応答者による質問・意見、小論担当者による自説の主張を中心に、参加者間での討論を行う。それらを通じて、受講生各人の思考力や分析力の鍛錬を図るので、受講生には主体的な授業参加と議論、その前提となる事前の十分な準備・予習を求める。
また、期間中に４年生の卒業論文の構想報告とそれについての議論・検討も行う予定である。
なお、ここでの内容は、「人間の性質や行動」に関する学問的な分析と考察がねらいであって、政治的・宗教的な主張やイデオロギーを唱えたり戦わせたりすることはしないので十分注意すること。
授業計画は以下の予定だが、受講生の理解状況等に応じて内容や順序を変更することがある。開講後の議論・検討状況等に応じて、進度や検討箇所は随時柔軟に設定していく。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]：ガイダンス
授業の概要・やり方の説明
第2回[対面/face to face]：進行準備
担当箇所の割り当てや役割分担の説明、授業進行に関する説明・協議など
第3回[対面/face to face]：「共感」という心の作用の形成についての考察
『親切の人類史』第２章の講読と検討
第4回[対面/face to face]：自然淘汰における生物の性質形成についての考察
『親切の人類史』第３章の講読と検討
第5回[対面/face to face]：利他行動の進化についての考察
『親切の人類史』第４章の講読と検討
第6回[対面/face to face]：群淘汰作用による利他行動の進化についての考察
『親切の人類史』第５章の講読と検討
第7回[対面/face to face]：間接互恵による利他行動の進化についての考察
『親切の人類史』第６章の講読と検討
第8回[対面/face to face]：農耕の開始が人間心理に与えた影響についての考察
『親切の人類史』第７章の講読と検討
第9回[対面/face to face]：枢軸時代の人間社会の変化についての考察
『親切の人類史』第８章の講読と検討
第10回[対面/face to face]：貧困が人間社会に与える影響についての考察
『親切の人類史』第９章の講読と検討
第11回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：１回目（１）
卒業論文のテーマについての報告：４年生の第１グループ
第12回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：１回目（２）
卒業論文のテーマについての報告：４年生の第２グループ
第13回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：１回目（３）
卒業論文のテーマについての報告：４年生の第３グループ
第14回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：１回目（４）
卒業論文のテーマについての報告：４年生の第４グループ
第15回[対面/face to face]：啓蒙時代の社会作用についての考察
『親切の人類史』第10章の講読と検討
第16回[対面/face to face]：近代の人道主義の発展についての考察
『親切の人類史』第11章の講読と検討
第17回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：２回目（１）
卒論の内容構成の報告と検討：４年生の第１グループ
第18回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：２回目（２）
卒論の内容構成の報告と検討：４年生の第２グループ
第19回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：２回目（３）
卒論の内容構成の報告と検討：４年生の第３グループ
第20回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：２回目（４）
卒論の内容構成の報告と検討：４年生の第４グループ
第21回[対面/face to face]：20世紀の国家間貧困支援についての考察
『親切の人類史』第12章の講読と検討
第22回[対面/face to face]：利他主義の社会的効果についての考察
『親切の人類史』第13章の講読と検討
第23回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：３回目（１）
卒論の中心主張の報告と検討：４年生の第１グループ
第24回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：３回目（２）
卒論の中心主張の報告と検討：４年生の第２グループ
第25回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：３回目（３）
卒論の中心主張の報告と検討：４年生の第３グループ
第26回[対面/face to face]：卒業論文構想報告：３回目（４）
卒論の中心主張の報告と検討：４年生の第４グループ
第27回[対面/face to face]：理性と倫理についての考察
『親切の人類史』第13章の講読と検討
第28回[対面/face to face]：利他性の進化についてのまとめ
『親切の人類史』全体の主張についての検討
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
報告者は、担当回の授業までに担当箇所の内容を整理し、レジュメを作成する。
応答者は担当箇所に関する疑問点・問題点をまとめておく。
小論文担当者は、担当箇所を読み、その内容について自分の考えを論じた小論文を書く。
その他の参加者は、テキストを予習すると共に、指示した参考書などを読んで内容を把握しておく。
報告者をはじめいずれの立場においても、テキストの内容について「分かったところ」「分からないところ」を正確且つ具体的に特定できるよう求めるので、中途半端でない十分な読解を予習として行うこと。詳細は授業の中で説明する。本授業の準備学習・復習時間は、各２時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
マイケル・E・マカロー『親切の人類史：ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』みすず書房、2022年
参考書References
長谷川寿一：長谷川眞理子・大槻久『進化と人間行動〔第２版〕』東京大学出版会、2022年
小田亮『利他学』新潮選書、2011年
その他の参考書は、授業の中で随時紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
①担当回の報告内容、②執筆小論文の内容、③討論への参加状況・議論内容により、「到達目標」で示した(1)～(5)の達成度を評価する。評価割合は①②の点数が80％（①②のいずれか自身が担当したもの）、③が20％の予定である。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講生の意見やコメントを積極的に取り上げて、討論での検討の材料にしたい。
その他の重要事項Others
授業中の私語や入退室を慎む、携帯電話の電源を切るなど、受講上のマナーを厳守すること。