文学部Faculty of Letters
PHL400BB（哲学 / Philosophy 400）哲学演習（１）Seminar on Philosophy (1)
佐藤 真人Masato SATO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | A2230 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 年間授業/Yearly |
| 曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐0906 |
| 配当年次Grade | 3～4 |
| 単位数Credit(s) | 4 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 哲学科 |
| 他学科公開科目 | |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
Through a close reading of Descartes's Meditations, the purpose of this course is to examine (1) how Descartes's metaphysics, which marks the dawn of early modern Western philosophy, was established, (2) what its aims were, and (3) where its innovation and tradition lie.
The Meditations is undoubtedly an immortal and sublime work in the history of Western philosophy which, no matter how many times you read it, will always bring you new discoveries and an inexhaustible profundity, but it does require some skill to read and understand. Like the writings of other philosophers, it is necessary to understand Descartes' writings with an open mind and not be bound by one's own views, but in Meditations it is necessary to understand Descartes' "chain of reasoning and combination", to "withdraw the mind from all sensations and preconceptions" and to "meditate seriously together" with Descartes. In other words, the key to reading Meditations is to read it in the first person, not as Descartes, but as yourself, and to walk Descartes' path of speculation as your own.
Students are expected by the end of the course 1) to understand precisely contents of the Cartesian metaphysics in comparison with Scholastic philosophy, 2) to find their own questions in it, search for answers and deepen their understanding and consideration through discussions with others, 3) to construct their arguments logically through readings and discussions, and 4) to explain them clearly in their own words.
Before each class meeting, students are to read carefully the relevant text of the next class and to summarize what the text is arguing for. Group or individual in charge of presentation of the day is to prepare a resume to be distributed. Required study time is two hours each before and after the class.
Grade will be decided on the following proportion. In-class contribution: 40%, Presentation: 20%, Term-end examination or report: 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
デカルト『省察』の精読を通し、①西洋近世哲学の幕開けを告げるデカルト形而上学がいかにして樹立されたか、②その狙いは何であったか、③その革新性と伝統性が那辺にあるか、といった点について考察するのがこの授業の目的です。
『省察』は間違いなく哲学史上の不朽の名著であり、何度読んでも汲み尽くせない味わいと新たな発見をもたらしてくれる西洋哲学の精華ですが、読解には多少のコツが必要です。自身の見解に囚われず、虚心坦懐に理解することが必要な点では他の哲学者の著述と同様ですが、『省察』は、デカルトの「推論の連鎖と結合」を理解しつつ、一切の「感覚と先入見から精神を引き離」し、デカルトと「共に真剣に省察」することが求められます。
つまり、著述の一人称をデカルトとしてではなく、皆さん自身のこととして読み、デカルトの思索の道を自身のものとして歩むことが、『省察』読解の鍵です。
到達目標Goal
① デカルトの形而上学を精確に理解する。
② デカルト哲学がいかなる意味で革新的だったのかを、スコラ哲学と対比して理解する。
③ 自身で問いを見つけ、答えを探しつつ、他者との議論を通じて理解と考察を深める。
④ 議論を組み立て、自分の言葉で論理的に表現できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
以下の手順で進めます。
① 発表担当者によるレジュメ作成と発表
② それに基づく質疑応答や全体での議論（特定の質問・コメント担当者を毎回割り当てることも考えますが、基本は全員での議論です）
③ 教員による補足説明。
授業後にはリアクション・ペーパーを提出し、そのうちの幾つかを次回授業で共有し、さらなる考察と議論のための材料とします。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]：イントロダクション
授業の概要や今後の進め方、デカルト哲学とその中の『省察』の位置づけ
第2回[対面/face to face]：「ソルボンヌ宛書簡」、「助言」、「概要」
デカルトが『省察』を書いた狙いとは
第3回[対面/face to face]：「第一省察」
懐疑 ― 疑わしいものとは何か①
第4回[対面/face to face]：「第一省察」
懐疑 ― 疑わしいものとは何か②
第5回[対面/face to face]：「第一省察」
「欺く神」と「悪霊」①
第6回[対面/face to face]：「第一省察」
「欺く神」と「悪霊」②
第7回[対面/face to face]：「第二省察」
「私」の発見とその本質①
第8回[対面/face to face]：「第二省察」
「私」の発見とその本質②
第9回[対面/face to face]：「第二省察」
蜜蠟の分析①
第10回[対面/face to face]：「第二省察」
蜜蠟の分析②と精神の洞見
第11回[対面/face to face]：「第三省察」
「私」以外のものの探究
第12回[対面/face to face]：「第三省察」
デカルト観念論の意義と独創性①
第13回[対面/face to face]：「第三省察」
デカルト観念論の意義と独創性②、因果律
第14回[対面/face to face]：「第三省察」
神の「宇宙論的証明」①
第15回[対面/face to face]：「第三省察」
神の「宇宙論的証明」②と連続創造説
第16回[対面/face to face]：「第四省察」
虚偽の原因①
第17回[対面/face to face]：「第四省察」
虚偽の原因②
第18回[対面/face to face]：「第四省察」
自由意志と知性①
第19回[対面/face to face]：「第四省察」
自由意志と知性②
第20回[対面/face to face]：「第五省察」
物体の本質と想像力①
第21回[対面/face to face]：「第五省察」
物体の本質と想像力②
第22回[対面/face to face]：「第五省察」
神の「存在論的証明」①
第23回[対面/face to face]：「第五省察」
神の「存在論的証明」②
第24回[対面/face to face]：「第六省察」
物体の実在
第25回[対面/face to face]：「第六省察」
感覚の意義と役割
第26回[対面/face to face]：「第六省察」
心身合一と自然の教え①
第27回[対面/face to face]：「第六省察」
心身合一と自然の教え②
第28回[対面/face to face]：「第六省察」
感覚の欺きと人間本性の弱さ
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業で扱う箇所を丁寧に読み、理解した内容や疑問などを各自でまとめるようにしてください。
発表担当者は、発表用のレジュメを作成することになりますが、必ず自分の言葉で書き、参考書の文言をそのまま引き写さないこと（これは厳禁です）。この点は、論文・レポートと同様です。
本授業の準備学習・復習は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
デカルト『省察』の邦訳は複数ありますが、中公クラシックス（か『世界の名著』、どちらも同じ訳）、または白水社イデー選書、のどちらの版でも可です。
前者のほうが日本語として読みやすく、入手も容易。後者のほうが原文に忠実な訳文ですが、日本語として多少読みにくく、入手も困難です。
フランス語・ラテン語を読める方・学習中の方は以下の版を強く推奨します。
Descartes, Méditations métaphysiques,(tr. Michelle Beyssade), Le Livre de Poche, 1990（軽快に理解したい人にお勧め）.
または Descartes, Œuvres Complètes IV-1&2 (dir.Jean-Marie Beyssade & Denis Kambouchner), Gallimard, collection "tel", 2018（重厚に理解したい人にお勧め）.
英訳版は以下がよいと思います。Descartes, Meditations on First Philosophy, (ed.John Cottingham), Cambridge University Press, 2017
参考書References
デカルト哲学の参考書は数多くありますが、まずは参考書に頼らず、先入見を排して『省察』を丁寧に読むことから始めてください。そのうえで、テーマに関連する参考書を各自で探してみてください（授業内でも参考書について言及しますが、まずは以下のみ掲げます）。
G・ロディス・レヴィス、『デカルトの著作と体系』、紀伊国屋書店、1990年
野田又夫、『デカルト』、岩波新書、1966年
小林道夫、『デカルト入門』、ちくま新書、2006年
同、 『デカルト哲学の体系』、勁草書房、1995年
所雄章、『人類の知的遺産〈32〉デカルト』、講談社、1981年
同、 『デカルト』全二巻、勁草書房、1967/1971年
デカルト研究会（編）『現代デカルト論集』全三巻、勁草書房、1996年
また、ネット上の哲学辞典としては「スタンフォード哲学百科事典」を推奨します。
https://plato.stanford.edu/index.html
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点（リアクション・ペーパーや議論への参加など）40%、発表20%、期末試験・レポート40%の割合で、到達目標の達成度合いに応じて成績評価します。
なお、欠席４回（半期）で不可としますので注意してください（事情がある場合は要相談）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
なるべく丁寧でわかりやすい説明と、皆さんの自主的な探究を促す授業を心がけます。
その他の重要事項Others
・最後まで読むことより、丁寧な読解と議論を重視したいので、年度中に読了しない可能性もありえます。
・体調不良等の事情がある場合を除き、授業途中の入退室は認めませんので、充分注意してください。