文学部Faculty of Letters
PHL300BB（哲学 / Philosophy 300）哲学特講（３）－１Special Lecture on Philosophy (3)-1
佐藤 真人Masato SATO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | A2216 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市Y‐Y501 |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 哲学科 |
| 他学科公開科目 | |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
Descartes' theory of free will is an innovation in the history of Western philosophy, but at the same time, it builds on the traditional concept of free will. What is the meaning and significance of this innovation, how was it formulated and what was it aimed in criticizing traditional theory? And what did later philosophers inherit from Descartes' theory of free will, what did they criticize and try to transcend it?
The purpose of this lecture is to decipher one stream of free will theory, from the ancient Greek philosophy until the Early Modern philosophy, centered on Descartes.
Students are expected by the end of the course 1) to understand precisely the contents of the theories of Descartes, Spinoza and Leibniz of free will in comparison with Scholastic philosophy, 2) to find their own questions in it, search for answers and deepen their understanding and consideration through discussions with others, 3) to construct their arguments logically through readings and discussions, and 4) to explain them clearly in their own words.
Before each class meeting, students are to read carefully the relevant text of the next class and summarize what the text is arguing for. The group or individual in charge of the presentation of the day is to prepare a resume to be distributed. Required study time is two hours each before and after the class.
The grade will be decided on the following proportion. In-class contribution: 40%, Term-end examination or report: 60%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
デカルトの自由意志論は、西洋哲学史において革新性をなすと同時に、伝統的な自由意志概念の上に確立されたものでもあると言えます。
その伝統性とはいかなる内容であり、その革新性はいかなる点にあるのか。「理性の哲学者」と言われるデカルトは、自らの自由意志論をいかにして確立し、それは何に対する批判と超克をめざしていたのか。後進の哲学者たちは、デカルトの自由意志論の何を受け継ぎ、何を容認しなかったのか。
こういった論点についてデカルトを中心に、西洋近世までの自由意志論が織りなす一つの流れを読み解くことが本講義の目的です。
到達目標Goal
① 近世までの西洋哲学史における自由意志論の流れを精確に理解する。
② デカルトの自由意志論を精確に理解し、説明できる。
③ 十七世紀哲学における決定論と自由論を精確に理解し、説明できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
対面の講義形式で、哲学者の思想や配布した著述について、スライド資料を用いつつ説明します。授業後に出席票を兼ねたリアクション・ペーパー（各自の考察を論述）を毎回提出してもらいます。その幾つかを次回授業で共有し、コメントします。
また、人数次第で中間の小テストを実施する予定です。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：古代ギリシアの自由意志論
プラトン、アリストテレス等
第2回[対面/face to face]：ストア派の自由意志論
運命と自由、種子的ロゴス
第3回[対面/face to face]：新プラトン主義の自由意志論
摂理と悪
第4回[対面/face to face]：罪と悪①
アウグスティヌスの自由意志論
第5回[対面/face to face]：罪と悪②
トマス・アクィナスとドゥンス・スコトゥスの自由意志論
第6回[対面/face to face]：近世スコラ学における自由意志概念
モリナ、スアレスの自由意志論
第7回[対面/face to face]：初期デカルトにおける理性、知性、自由意志
数学研究、『精神指導の規則』、「永遠真理創造説」
第8回[対面/face to face]：『方法序説』の理性主義と『省察』第四部の転回
理性から「神の似像」としての自由意志へ
第9回[対面/face to face]：『哲学原理』の転回
自由意志の非決定性
第10回[対面/face to face]：デカルトへの反論Ⅰ
ガッサンディとホッブズの唯物論
第11回[対面/face to face]：デカルトへの反論Ⅱ：スピノザ①
『エチカ』の決定論
第12回[対面/face to face]：デカルトへの反論Ⅱ：スピノザ②
『エチカ』の自由論
第13回[対面/face to face]：ライプニッツによる自由論と摂理の調和①
『形而上学叙説』その他
第14回[対面/face to face]：ライプニッツによる自由論と摂理の調和②
『モナドロジー』『弁神論』その他
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
配布されたテキストを丁寧に読み、理解した内容や疑問などを各自でまとめるようにしてください。
内容のまとめと、疑問・質問を明らかにしたうえで授業に臨めば理解がいっそう深まり、そこからさらなる疑問が生じることで、もっと知りたいという思考の流れの好循環が生まれます。
本授業の準備学習・復習は、各２時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
重要な箇所はHoppii上で配布します。近世ではデカルト『省察』、スピノザ『エチカ』、ライプニッツ『形而上学叙説』『モナドロジー』の関連箇所を中心に考察予定（購入は任意）。
参考書References
G・ロディス・レヴィス、『デカルトの著作と体系』、紀伊国屋書店、1990年
野田又夫、『デカルト』、岩波新書、1966年
小林道夫、『デカルト入門』、ちくま新書、2006年
同、『デカルト哲学の体系』、勁草書房、1995年
上野修、『スピノザの世界』、講談社現代新書、2005年
大西克智、『意志と自由 ― 一つの系譜学 ―』、知泉書館、2014年
金子晴勇、『近代自由思想の源流』、創文社、1987年
村治能就、『摂理と運命と自由意志』、東海大学出版会、1973年
その他は授業で適宜提示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点（リアクション・ペーパーの内容や参加姿勢）約40%、期末試験（またはレポート）約60%の割合で、到達目標の達成度合いに応じて成績評価します。
なお、欠席4回で不可としますので注意してください（事情がある場合は要相談）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
なるべく丁寧でわかりやすい説明と、皆さんの自主的な思考を促す授業を心がけます。
その他の重要事項Others
・進捗状況に応じて、関連する他の著述を読む可能性もあり、授業の順序や内容は多少変わる場合もあります。
・パソコン・携帯電話等は使用禁止とします。必ず手でノートを取ってください。
・体調不良等の事情がある場合を除き、授業途中の入退室は認めませんので、充分注意してください。