法学部Faculty of Law
LAW200AB(法学 / law 200)日本法制史ⅠJapanese Legal History 1
川口 由彦Yoshihiko KAWAGUCHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | A0116 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | - |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | 選択科目 |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) |
選択科目(84単位以上) 自由科目(他学科主催科目) |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
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Outline (in English)
It is necessary to recognize difference in legal fields - public law/ private law,criminal law/civil law- to understand law. Also it is necessary to understand legal history besides law interpretation. It is legal history to provide the opportunity to learn jurisprudence not superficially but three-dimensionally.
At the end of the course, participants are expected to understand how japanese legal system has been formed.
In this lesson, the corresponding section of a textbook is read out and those contents are explained in detail after that. The participant has to read a textbook and a reference book. A participant needs to spend 2 hours, respectively for preparation and review of this lesson.
Results are decided by a written examination(100%). An exam questions is an essay type.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この科目は、法律学科の「文化・社会と法」コースにおかれている。また、「裁判と法」「行政・公共政策と法」「企業・経営と法(商法中心)/(労働法中心)」の各コースでも履修が推奨されている。法を理解するためには、公法・私法、刑事法・民事法など諸分野の法の相違を認識することが必要である。この認識には、解釈論的理解と並んで法制史的理解も必要となる。平面的ではなく、立体的に法を学ぶ機会を提供するのが、法制史である。
到達目標Goal
現代日本法は、制定法を主体とし、六法典を中心に据えるという形態をとっている。しかし、このようなあり方は、必ずしも近代法一般の態様ではない。近代国家の下でも、判例法を主体とする国もあるし、法典主義の国でも法典の数が異なることはよくあるからである。
なぜ、日本の近代法はこのような姿なのか、それはどのような経緯を経てそうなったのかを理解するのがこの授業の目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP3」に強く関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
人類社会は、生まれたときから何らかのルールをもってきた。それは、形態、内容、実質、執行システム等いずれも多様なものである。
法といわれているものは、こうしたルールの中のあるグループのことなのだが、こうしたグループは、歴史上発生を見た社会もあれば、発生しなかった社会もある。日本社会は、幸か不幸か、この法というグループをもつにいたった社会である。
しかし、そうはいっても、この法という社会規範は、国により民族により、時代によりきわめて多様で、簡単に一般論を語らせてくれない難物である。
この難物を扱うには、いろいろな方法があるが、各時代の人々から「法」と呼ばれたものをピックアップして相互に比較し、そのうえで、おのおのの特徴を捉えるというのは有効なアプローチの方法である。法史学という学問の意義も一つには、そのあたりにある。
講義では、明治以降の、通常「近代法」と呼ばれる「法」のあり方を座標軸とした、今日の法の特徴を考えてみたい。
現代日本法は、ほとんどが明治期に作られたものである。試みに六法をみてみよう。すると、民法の制定年は明治29年(1896年)となっていて19世紀の産物であることがわかる。商法も明治32年(1899年)と19世紀の産物である。刑法は、明治40年(1907年)制定だから、何とか20世紀の所産といえるが、いずれにせよ明治時代の産物で、しかも、この刑法は、明治13年(1880年)に制定された刑法(旧刑法)の条文をかなりひきずっているから、やはり、歴史ある法典といえる。日本の法典には、一世紀以上の長い歴史があるのである。
このような法は、一体どのようにして、どのような考え方の下でつくられたのか。考えてみれば、これら諸法典は、封建領主支配が解体してから、ほんのわずかの年数を経て外国法を摂取しつつつくられているのだから、その営為たるや驚異的といえる。
この急速な法の形成は、当然ながら、江戸時代にみられた法との「断絶」を生み出した。この「断絶」には、封建法から近代法への変化という他国にも共通してみられるものと、日本的なものから西欧的なものへの変容という二様のものがある。
しかも、こうした「近代法」の形成は、一概に既存の法との「断絶」のみとは特徴づけられず、すぐれて日本的なもの・東アジア的なものの継承という要素を多分に残したものであった。
講義では、このような諸契機、諸要素が、どのように絡み合っているかに焦点をあてつつ、日本の「近代法」の形成過程を考察したい。
講義では、単元が終わる都度、質問を募り、それに回答する。また、授業支援システム上でも質問を募り、講義時間内に回答する。また、最終授業で、質問内容を含めた履修者の授業理解について講評を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:オリエンテーション
講義の進め方・試験等についての説明
第2回[オンライン/online]:日本近代法史概観
時期区分について
第3回[オンライン/online]:19世紀近代法とは何か
伝統ヨーロッパの「市民社会」と法
第4回[オンライン/online]:19世紀のイギリス近代法
判例法主義の歴史的実態
第5回[オンライン/online]:19世紀のフランス・ドイツ近代法
法典主義の歴史的実態
第6回[オンライン/online]:固有名詞としての「維新法」
明治初期の法的混乱
第7回[オンライン/online]:律型法典と西欧型法典1
criminalからのcivilの分離・独立
第8回[オンライン/online]:律型法典と西欧型法典2
東洋型罪刑法定主義と西欧型罪刑法定主義
第9回[オンライン/online]:律型法典と西欧型法典3
教育刑と応報刑-その歴史的文脈
第10回[オンライン/online]:近代法の形成1
太政官制と内閣制
第11回[オンライン/online]:近代法の形成2
「統治権」と「主権」
第12回[オンライン/online]:近代法の形成3
ボアソナードと旧民法
第13回[オンライン/online]:近代法の形成4
法典論争-大分裂の謎
第14回[オンライン/online]:近代法の形成5
法典調査会と明治民法
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
明治期以降の法制史を論じる場合は、教科書、参考書を読んでくること。江戸幕末期の法制史を論じる場合は、配布したプリントを読んでくること。いずれの場合でも、わからないことがあれば、図書館のオンラインサービス・ジャパンナレッジLibを使って調べること。本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
川口由彦『日本近代法制史 第2版』(新世社)
参考書References
伊藤孝夫「日本近代法史講義」(有斐閣)
成績評価の方法と基準Grading criteria
論述式筆記試験100%(テキスト・講義内容より出題。持ち込み不可。)
教室で試験が出来ない場合は、期末レポートにより評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生によって歴史知識の有無がかなり異なることがわかってきたので、この点に留意したい。