政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design
ECN500R1(経済学 / Economics 500)経済学Economics
梅溪 健児Kenji UMETANI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | XW138 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 月6/Mon.6,月7/Mon.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択 |
カテゴリーCategory | (修士課程)関連科目 |
所属群1Affiliation group 1 | |
経済・社会・雇用創造群Economic/Social/Employment/ Creation Group | |
所属群2Affiliation group 2 | |
文化・都市・観光創造群Culture/City/Tourism/ Creation Group | |
所属群3Affiliation group 3 | |
地域産業・企業創造群Regional Industry and Business Creation Group |
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Outline (in English)
This is an introductory course of economics aiming to encourage students who have not studied economics at university to acquire basic principles of economics. The goal of this course is to understand the intellectual contribution of the economics to the solution of social problems and the policy proposals among conflicting interests of people. Students are expected to prepare for the class by studying the course materials for two hours prior to the class and to follow up each class with two hours of review. Students are graded according to the following scales: 4 take-home exams (40%), in-class discussion (10%) and the term paper (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では入門レベルの経済学(ミクロ経済学が中心)を学ぶ。教材は当研究科での研究に資するであろうと考えられる経済学の現実適用事例に重点を置く。授業の目的は、第一に、経済学は当研究科で調査分析を進める上で的確な理論枠組みの一つであることから、個人や組織の選択に関する基礎的な理論体系を理解する。第二に、家計・雇用・政策選択などの研究及び経済学の適用事例を学び、経済学の有用性と残された課題を理解する。
これまで経済学を履修したことのない学生の受講を想定するが、すでに履修経験のある学生にとっても本講義が研究の進捗に少しでも役立つことを期待しているので受講を歓迎する。
到達目標Goal
本講義の目標は、①個人や組織が物事を選択する(質的ではなく)数量的な判断基準を再確認できること(例.消費者余剰の最大化)、②日常生活やビジネスで遭遇する事象を説明する経済学用語を使いこなせるようになること(例.情報の非対称性)、③個人や組織の利便性を高めたり地域社会の困難に対処するために経済学の原理が適用されている最近の事例(例.ダイナミック・プライシング(変動価格制))とその限界を理解できることの3点である。いずれも教材に図表は多用するが、数式は原則用いない。
また、期末レポートは執筆の問題意識や論理構成等において受講生の研究スタートにふさわしいものになるように配慮する。
なお、各自の研究に応じて、経済学の研究手法及び補完的に習得すべきスキル(例.量的調査の実施、統計分析の知識、エクセル等の技能)の必要性を自ら認識できることが望まれる。数学や統計学については初級レベルの内容を授業の中で紹介するにとどまる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
政策創造研究科修士課程のディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
経済学の全体像を把握できるように授業の進行は入門テキストに基づくが、すべての内容を順を追って取り上げるのではなく、必要な部分を抽出した教材を配布して講義を行う。そして、受講生の理解を促すため、①講義において輪読または質疑応答と意見交換を行う(必要な教材は一部を除いて1週間前に配布)。②講義において復習テストを出題し(提出は後日)、次回講義にてフィードバックを行う。③経済学の貢献事例の理解に役立つ文献や資料を紹介する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回(1・2)[対面/face to face]:経済学の問題意識
消費者行動
需要と供給による市場の均衡を理解する。
需要曲線、無差別曲線、限界効用、効用の最大化、消費者余剰などを学ぶ。
経済学からラーメン店を考える。
2回(3・4)[対面/face to face]:企業行動
供給曲線、利潤の最大化、生産関数、限界費用、生産者余剰、余剰分析、労働需要などを学ぶ。
経済学から外食チェーンを考える。
3回(5・6)[対面/face to face]:市場の均衡と市場の失敗
部分均衡と一般均衡、競争による資源配分の最適化、外部経済効果、規模の経済、公共財、公共政策などを学ぶ。
経済学からJリーグ(サッカー)を考える。
4回(7・8)[対面/face to face]:情報の経済学とゲームの理論(基礎)
情報の非対称性、モラルハザード、逆選択、シグナリング、囚人のディレンマなどを学ぶ。
経済学から人や店舗の見た目を考える。
5回(9・10)[対面/face to face]:コロナ禍における経済学の貢献
輪読
コロナ禍(日本)における政策形成において経済学の知見がどのように活用されたかを学ぶ。
経済学者vs医学者を考える。
後半は全員参加の輪読を行う。
6回(11・12)[対面/face to face]:政策研究における経済学と社会学の比較
具体的な研究分野(労働、結婚等)について経済学と社会学では手法や結論導出にどのような特徴があるかを学ぶ。
機会費用vs世間の圧力を考える。
7回(13・14)[対面/face to face]:レポート発表・討議
共通課題に関するレポート(当研究科スタイルに即して)を発表し討議を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各 2 時間を標準とする。日頃からニュースや記事に接する時に、経済学が問題解明や政策立案にどのように貢献しているのかに関心を持つことを勧める。イベントや食品のダイナミック・プライシング、交通渋滞に対処するピークロード・プライシング、ゲームの理論を用いたマッチングの最適化などが経済学の今日的な適用例である。
テキスト(教科書)Textbooks
伊藤元重(2015)『入門経済学(第4版)』日本評論社
参考書References
市村英彦・岡崎哲二他編(2020)『経済学を味わう』日本評論社
伊藤元重(2021)『ビジネス・エコノミクス』(第2版)日本経済新聞出版
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社
坂井豊貴(2013)『マーケットデザイン』ちくま新書
坂井豊貴(2017)『ミクロ経済学入門の入門』岩波新書
日本経済新聞社編(2014)『身近な疑問が解ける経済学』日経文庫
松井彰彦(2018)『市場って何だろう』ちくまプリマー新書
成績評価の方法と基準Grading criteria
復習テスト4回(40%)、輪読(10%)、レポート(50%)の合計
(なお、受講生数によっては変更があり得る。)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
復習テストは最初は重荷に感じたが、回を重ねるごとに知識の習得に効果が出てきたとの意見がかつてあったので継続する予定である。身近な事例の紹介は経済学の理解にとても役立つとの指摘があったので引き続き行う(例.百貨店vs業種専門店:消費者行動、自治体サービスと居住地選択:市場メカニズム、ワクチン接種の無料提供:外部経済効果、ネット保険はなぜ安いのか:情報の非対称性、学歴の使われ方:情報の非対称性、人はなぜお土産を渡すのか:ゲームの理論など)。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
教材は学習支援システム(Hoppii)に掲載する。また、レポートは図表を各自作成するのでパソコンが必要。
その他の重要事項Others
対面授業を基本とする。経済学のうちマクロ経済学は、本講義では原則として取り上げない。