社会学研究科Graduate School of Sociology
SOC500E1－0307（社会学 / Sociology 500）外国書講読１（英語）Readings in Foreign Language 1
堀川 三郎Saburo HORIKAWA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 社会学研究科Graduate School of Sociology |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X6038 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 多摩 |
| 教室名称Classroom name | 多社会‐614 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 学部「外書講読（社会学）２Ａ」と合同 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class is about “1960s” and “women.” It addresses two questions: How was the sixties “invented” and how women protested against the status quo of the fifties? To answer these questions, we will focus on two extraordinary women and their accomplishments. The first one is Jane Jacobs (1916-2006) and her seminal book Death and Life of Great American Cities (1961). The second is Rachel Carson (1907-1964) and her magnum opus, Silent Spring (1962). By reading first and secondary materials on them, students will learn how those two women are instrumental in bringing some of the basic norms to the contemporary society.
It is particularly designed to help students acquire the necessary skills and knowledge needed to read academic literature in English. Students will be expected to have completed the required assignments before each class meeting. Your study time will be more than four hours for a class. Final grade will be decided based on in-class contribution (100%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
この授業のキーワードは「1960年代」と「女性」です。このふたつのキーワードを，二人の女性の成し遂げたことの検討を通じて考えてみること——これがこの授業の目的です。
取り上げる一人目は，アメリカの都市思想家ジェイン・ジェイコブス（Jane Jacobs, 1916-2006）です。彼女は「現代都市に必要なのは高速道路か，人間味のある界隈か」と鋭く問いかけ，『アメリカ大都市の死と生』を出版しました。同書は都市計画思想を根本から書き換えてしまうようなパラダイム・シフトの起点をつくりました。二人目は，環境問題への向き合い方を不可逆的に変えてしまったナチュラリストで科学者のレイチェル・カーソン（Rachel Carson, 1907-1964）です。彼女の著した『沈黙の春』は大論争を巻き起こし，今日の環境政策の基礎を作ったといってよいものです。
そこでこの授業では，英文でジェイコブスとカーソンの生涯と業績を概観し，それがいかに1950年代の「因習」を打ち砕く「1960年代」をもたらしたのか，「女性」の地位をどのように変えたのかについて検討することを目的とします。
到達目標Goal
（1）英語読解力の向上
（2）アメリカにおける「1960年代」「女性」をめぐる研究トレンドの内容を把握すること
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP6」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
毎回授業では，リーディングとその中身に関するディスカッションを行い，課題部分の内容把握に加えて，より深い意味理解を目指します。単なる英文和訳ではなく，一歩踏み込んだ「意味解釈」を重点的に行います。
まず最初に概説的な文献を読んで，後の英文解釈に必要な基礎知識を習得します。その上でジェイコブスやカーソンについての英語文献の重要な箇所を選んで読み，受講生全員で議論をします。担当教員は，そこにある英文を論理的に読み解くためのコツを解説します。このように初学者でも分かりやすく，段階を踏んで内容をしっかり理解できるような授業を目指します。最終的には，英文を自分で読み解いていく「方法」を習得し，主題をめぐって討論できるようになることを目指します。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]：イントロダクション
授業の概略説明と教材についての説明
2[対面/face to face]：文献講読［1］
アメリカの1950年代（1）
3[対面/face to face]：文献講読［2］
アメリカの1950年代（2）
4[対面/face to face]：文献講読［3］
1960年代と女性というテーマ設定
5[対面/face to face]：文献講読［4］
J.ジェイコブスとは誰か（1）
6[対面/face to face]：文献講読［5］
J.ジェイコブスとは誰か（2）
7[対面/face to face]：文献講読［6］
J.ジェイコブスとは誰か（3）
8[対面/face to face]：文献講読［7］
R.カーソンとは誰か（1）
9[対面/face to face]：文献講読［8］
R.カーソンとは誰か（2）
10[対面/face to face]：文献講読［9］
R.カーソンとは誰か（3）
11[対面/face to face]：文献講読［10］
1960年代の終盤とは
12[対面/face to face]：文献講読［11］
1970年代と女性
13[対面/face to face]：文献講読［12］
ジェイコブス，カーソン，そして「姉妹たち」
14[対面/face to face]：春学期のまとめ
全体討論
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の授業終了時に指示する次回の授業で読む予定の箇所を予習してくること。あらかじめ本文の意味を辞書で調べ，和訳ではなく本文の内容を把握しておくこと。本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
適宜プリントを配布します。学生諸君がテキストを購入する必要はありません。
具体的なテクストは，受講者の関心とレベルにあわせて決定しますが，今のところ，下記の文献の一部を抜粋して読む予定です：
［1］Golin, Steve (2022) Women Who Invented the Sixties: Ella Baker, Jane Jacobs, Rachel Carson, and Betty Friedan. Jackson, MS: University Press of Mississippi.
［2］Faust, Drew Gilpin (2023) Necessary Trouble: Growing up at Midcentury. New York, NY: Farrar, Straus and Giroux.
参考書References
授業中に適宜指定します。基礎知識習得のための日本語文献は，以下のとおりです：
［1］レイチェル・カーソン［著］・青樹簗一［訳］（1974）『沈黙の春：生と死の妙薬』（新潮文庫カ-4-1），東京：新潮社.
［2］ジェイン・ジェイコブス［著］・山形浩生［訳］（2010）『アメリカ大都市の死と生』，東京：鹿島出版会.
成績評価の方法と基準Grading criteria
予習の成果とディスカッション（100%）で評価します
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
適宜，授業運営について受講者と話し合う
その他の重要事項Others
初回授業に出席して担当教員の受講許可を得ること。なお，この授業計画は授業の展開に応じて若干の変更があり得ます
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞環境社会学，都市社会学
＜研究テーマ＞歴史的環境保存の社会学，日米比較社会論
＜主要研究業績＞『町並み保存運動の論理と帰結：小樽運河問題の社会学的分析』（東京大学出版会，2018年），Why Place Matters (Springer, 2021)など