人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies
PSY500J2(心理学 / Psychology 500)障害者(児)心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)Psychology of the Handicapped(Support Theory and Applications in Socal Wellfare Area)
金子 真人Masato KANEKO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | S1019 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | 多現福‐203 |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
臨床心理学専攻 専門展開科目(関連専門領域科目) |
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Outline (in English)
Course outline: In this lecture, we learn that developmental disorders that are regarded as functional disorders of the brain exhibit symptoms similar to higher-order cerebral dysfunction in adults.
Learning Objectives: We learn the fundamentals of flexible methodology for providing better support from childhood to adolescence in children with developmental disorders(LD, ASD, DCD, MR,etc).
Learning activities outside of classroom: Before each class meeting, students will be expected to have read the relevant paper(s).
Grading Criteria /Policy: Grading will be decided based on your presentation paper(60%), in class contribution: 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では、脳の機能的障害として捉えられる発達障害が成人の高次大脳機能障害と極めて近似する症状を呈することを学ぶ。同時に、発達途上である発達障害児への対応方法を障害機序を通した観点から理解することである。そして、発達障害などの障害を抱えた小児期から青年期へとより良い発達的支援を行うための柔軟な方法論とその有り様を福祉的な視点も交えて学ぶ。
特に、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、発達性協調運動障害(DCD)、自閉症スペクトラム(ASD)、知的発達障害(MR)をはじめ、虐待、引きこもりなどを臨床発達神経心理学の立場から学ぶ。
また、
到達目標Goal
発達障害は脳の機能的障害と考えられるが、これらの機能的障害は神経心理学や成人の高次大脳機能障害と密接な関係にある。講義では小児の障害や成人の障害といった対象領域を超えた観点から発達障害を捉える。そして、脳の機能的障害が小児と成人において共通のメカニズムで生じることを学ぶ。
また、発達障害をはじめとするさまざまな障害において早期発見が障害の予後に重要な要因となることを理解し、成人期へと発達する個がどのような転帰をたどるかを福祉的な視点から知ることを目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
受講生の関心領域に即した講義を適宜展開していきたい。また、LDの中核である発達性読み書き障害(Dyslexia;発達性ディスレクシア)や特異的言語障害(specific language impairment; SLI)、さらにADHDやASDとPDDなどの臨床を通して、臨床的評価法の基礎と解釈、指導法および小児言語障害全般についての知見を深めていきたい。講義では、適宜発表形式の講義も行い討議を深めていきたいと考える。参考文献および資料は適宜紹介もしくは配布する。課題に対しては、授業内やHoppii等を活用してフィードバックを行う予定にしている。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:はじめに
講義の進め方
第2回[対面/face to face]:発達障害に関わる中枢神経系の基礎
中枢神経系の発達理解および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第3回[対面/face to face]:大脳の機能的障害としての発達障害
大脳の機能的障害としての発達障害理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第4回[対面/face to face]:脳機能障害としてのADHD
脳機能障害としてのADHDの理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第5回[対面/face to face]:脳機能障害としての発達性協調運動障害
脳機能障害としての発達性協調運動障害の理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第6回[対面/face to face]:学習障害の中核である発達性ディスレクシアの理解
学習障害の中核である発達性ディスレクシアの理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第7回[対面/face to face]:脳機能障害としての発達性ディスレクシアの障害機序
発達性ディスレクシアの障害機序の理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第8回[対面/face to face]:発達性ディスレクシアへの介入方法
発達性ディスレクシアの介入方法、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第9回[対面/face to face]:認知心理学から捉えたASD
ASDの理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第10回[対面/face to face]:知能検査と知的発達障害
知的障害の質的理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第11回[対面/face to face]:発達障害と虐待
発達障害に関わる虐待の理解、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第12回[対面/face to face]:発達障害と引きこもり
発達障害に関わる引きこもりの捉え方、および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第13回[対面/face to face]:発達障害への介入とは、
多様な発達障害と介入方法を臨床検査から考える。および学生の関心領域ごとの発表形式講義
第14回[対面/face to face]:まとめ
障害とはなにか。多様な障害の中核を捉えその予後を考える。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発達障害に関する概略を理解しておくことが望まれる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定しない。
参考書References
ことばとこころの発達と障害 永井書店
よくわかる失語症セラピーと認知リハビリテーション 永井書店
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への積極的参加70%および発表形式講義の参加30%の様子から総合的に判断する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
発達期における多様な障害を大脳機能徒の関わりから理解することは難しいという印象を持ちがちであるが、なるべく平易にかつ臨床に役立つ観点から話題を展開していきたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
特になし
担当教員の専門分野等
<専門領域>臨床発達神経心理学、小児と成人の大脳機能障害、高次脳機能障害、認知神経心理学
<研究テーマ>①発達性読み書き障害の機序と援助、②小児と成人の大脳機能障害における情報処理過程と認知機能に関する評価・検査法の開発研究、③高次大脳機能障害者の長期予後と回復
<主要研究業績>①「標準抽象語理解力検査」、インテルナ出版、2002年.②「小学生の読み書きスクリーニング検査-発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)検出のために-」インテルナ出版、2006年.③標準 読み書きスクリーニング検査ー正確性と流暢性の評価ー、インテルナ出版、2017④気になるコミュニケーション障害の診かた;第6章第3節標準抽象語理解力検査(SCTAW)、医歯薬出版、2015、⑤理論と実践をつなぐ教育心理学、みらい、2019年.
オフィスアワー
授業の開始前または授業後に教室で質問・相談を受け付けます。