通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling)
ART200TC（芸術学 / Art studies 200）日本芸能史（冬期スクーリング）History of Japanese Performing Arts
櫻井 利佳
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling) |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | 44003 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 担当教員（自由記述）Instructor name | 櫻井 利佳 |
| 科目種別Class Type | スクーリング |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 冬期 |
| 期間Period | 2群午前 |
| 定員Capacity | |
| 予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
| 受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
This course introduces the music of the Nara, Heian, and Kamakura periods (Gagaku [confucian music], Koushiki, and Heike-Gatari) while reading literary works. Because the required subjects of the aristocrats were Chinese poetry, Waka poetry, and music (Shii-ka-kangen), these were integrated into their lives. And so, it was quite natural to use music as their rhetoric, and draw and write musical scenes in their paintings and literature. However, little is known about their music and the fact that music occupies an important position in the history of Japanese culture. This makes it difficult for modern people to actually feel the rich expression of those people. While learning the basics of music in those periods, this course will help you to think about why and how music was important through literary and musical works.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本科目では文学を通じて奈良時代、平安時代、鎌倉時代の音楽（雅楽・講式・平家語り）を学びます。「詩歌管絃」とは漢詩、和歌、音楽を指しますが、いずれも貴族の必須科目でした。だから彼らの生活には詩歌管絃が溶け込んでおり、文学、絵画に音楽を描いたり、修辞に用いたりするのはごく自然なことでした。しかし日本文化史に音楽が重要な位置を占めて来た事実やその実態は知られておらず、当時の表現の豊かさを実感することが、今は困難になっています。当時の芸能の基本を学びながら、なぜ、どのように音楽が重要であったのかを、文学、音楽作品を通して考えます。
到達目標Goal
奈良時代から鎌倉時代までの音楽の基本（歴史・人・編成・楽譜・曲・伝習方法等）を理解する。それによって、各回で扱った文学作品、音楽作品における表現の意匠や背景を具体的に理解し十分に味わうことができる。最終講義では理解した内容を言語化し、また文化史における音楽の在り方や意義を自分なりに考え、適切に叙述することができる。講義終了時には、古典文学と古典芸能についての理解を深めることにより、それぞれに一層親しみ、相互の関連性を実感する。またそれらの意義を熟考することにより、自らの文化的生活を豊かにする。より包括的には、自らが文化を担う一員であることを自覚する。以上の点を適切な資料を用いて自身の言葉で正しく説明することができる。ただし楽曲分析力などは必要としない。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義形式。パワーポイントやプリントを主体とし、視聴覚資料などを使用した音楽鑑賞を含みます。文学・音楽史料の事例を紹介しながら、雅楽・平家語り（平曲）の基礎を学びます。毎時理解度確認のための小クイズを行います。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：日本の「雅楽」―現代雅楽を知る―
ガイダンス。本講義前半の中心テーマとなる「雅楽」についての、現状とその問題点についての概説。
第2回[対面/face to face]：雅楽の伝来と衰退・復興
雅楽史概説。①輸入期、②最盛期、③衰退期、④復興期の４期に分けて考える。
第3回[対面/face to face]：正倉院宝物にみる奈良時代の音楽
正倉院宝物の代表格「五絃琵琶」は世界唯一の残存例。豊富な正倉院の音楽史料とその背景を知る。
第4回[対面/face to face]：平安時代①『枕草子』と『落窪物語』―男性の楽器と女性の楽器―
平安時代の御遊や楽器等について、当時の意義や価値観を踏まえて学ぶ。
第5回[対面/face to face]：平安時代②『源氏物語』の箏、琴（きん）、琵琶
『源氏物語』は音楽史料の宝庫。「若菜 下」女楽の場面などに見える絃楽器について学ぶ。
第6回[対面/face to face]：平安時代③『大鏡』マルチタレント藤原公任と歌謡
「三舟の才」の実像とその影響について考える。光源氏との比較。
第7回[対面/face to face]：平安時代④『大鏡』『源氏物語』と舞楽
舞楽は平安文化の最も華やかな催しだった。詮子四十賀と『源氏物語』「紅葉賀」。
第8回[対面/face to face]：院政期・中世①説話文学と秘曲、名器
秘曲・名器・楽譜・相承系図は音楽家の生命線であった。その様相と背景を考える。
第9回[対面/face to face]：院政期・中世②説話文学と琵琶楽の隆盛
院政期に入ると、琵琶楽が特殊な地位を獲得する。その様相を説話文学を通じて学ぶ。
第10回[対面/face to face]：四座講式と琵琶法師の登場
琵琶法師について学び、語り物芸能としての『平家物語』について学ぶ。
第11回[対面/face to face]：語り物としての『平家
物語』
譜本・節の基礎を知り、語りの効果とテキストとの関係について考える。
第12回[対面/face to face]：試験。まとめと解説
講義内容全体の確認
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。事前準備は各回に配られた講義資料に目を通す。特に古典作品の原文については、音読に備え、読み方を確認しておく。講義後は小クイズの振り返りをし、理解できなかった箇所については教員に質問する。参考文献表をてがかりにして文献を調べ、理解を補う。その他、講義時に小さな宿題を課される場合がある。
テキスト（教科書）Textbooks
各回プリント資料を配ります。
参考書References
毎時の参考書については講義資料に提示します。
ＤＶＤ「宮内庁式部職楽部 雅楽」１～８巻、下中記念財団
遠藤徹『雅楽を知る事典』東京堂出版、二〇一三年
『日本音楽大事典』平野健次他監修、平凡社、一九八九年
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎時の小クイズ20%、平常点：質疑応答による講義への参加度（正解率ではない）20％、期末試験60％ 期末試験は小クイズ等の理解を踏まえ、総合的な捉え直しを問う試験問題。主に論述式。小クイズは講義内容を理解していれば解ける問題で、毎時10点満点から15点満点程度。翌日の講義で正解を解説します。
期末試験は主に小クイズの理解などを踏まえた上で、理解した内容を咀嚼して叙述することを問う出題します。論述問題の一部は発展的に、受講者自身の興味に基づく簡単な調査結果報告を求める出題。
期末試験の評価は、講義内容の理解が適切であること、使用する語彙、特に学術用語が正確であること、引用が適切であること、記述の分量が適切であることなどを総合的に判断します。ただし最も重要なのは平常点。質疑応答を通して積極的、主体的に講義に参加していることが伝わることを重視します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
重要なポイントをわかりやすくして欲しいとの意見を貰ったことがあります。講義最後のクイズを取り入れることで、要点の再確認をしやすくします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にありません。