政治学研究科Graduate School of Politics
POL500A3(政治学 / Politics 500)ジェンダー政治研究2Gender Politics 2
中野 洋恵
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X5063 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期後半/Spring(2nd half) |
曜日・時限Day/Period | 水6/Wed.6,水7/Wed.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 公共政策学「ジェンダー政策研究」と合同 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
政治学専攻 修士専門科目 |
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Outline (in English)
Gender is one of the most important concepts in social science discourse. In the lecture, I will critically discuss political phenomena, events and institutions through gender lens.
Course outline
This course introduces gender concept, gender policy and gender issues in Japanese society
to students taking this course.
Learning Objectives
The goals of this course are to understand Japanese gender issues and develop the ability to
think critically about social phenomena.
Lecture/Exercise(two-credits)
Students will be expected to have completed the required assignments after each class meeting. Your study time will be more than four hours for a class.
Grading Criteria /Policies
Your overall grade in the class will be decided based on the following Term-end examination: 50%、Short reports : 30%、in class contribution: 20%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業は、ジェンダーの視点から政策について考察することを目的とする。1999年に男女共同参画社会基本法が施行されてから様々な分野でジェンダー政策が進められている。しかしGGGI(グローバルジェンダーギャップ指数)で比較すると日本の順位は100位以下が続いている。2022年7月に発表されたランキングは146ヶ国中116位である。政府が出している骨太方針でも男女の賃金格差の是正が課題となっている。また「異次元の少子化対策」も進められ、LGBTQなど多様性に関する議論も進んでいる。本講義では、現在の日本のジェンダー政策の現状と課題を把握し、その要因を分析した上で課題解決の方策についてディスカッションを行う。ディスカッションを通じて考えたことを振り返り、ジェンダー政策の理解を深めるとともに今後を展望する。
到達目標Goal
・21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけられた男女共同参画社会を実現するための基本法である「男女共同参画基本法」と基本法に基づいて5年ごとに定められる「男女共同参画基本計画」について理解する。
・2020年12月に策定された「第5次男女共同参画基本計画」で強調されている視点、「あらゆる分野における女性の活躍」、「安全・安心な暮らしの実現」、「男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備」、「推進体制の整備・強化」について理解する。
・現在の政策を理解した上で、国際的な動向も踏まえディスカッションにおいて課題を把握し、今後必要とされる改善策を提案する。
特に今年度は「多様性」「異次元の少子化対策」についても言及する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業ではパワーポイントの資料や行政で作成されている動画などを随時活用して講義を進める。課題ごとのレポートを提出する。提出されたレポートをもとにプレゼンテーションとディスカッションで理解を深める。
レポートの提出は「学習支援システム」通じて行う予定である。
授業は対面で実施します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
本授業の目的、進め方を説明する
第2回[対面/face to face]:国内外の男女共同参画に関する動向を理解する
〇第2次世界大戦以降の国際社会の動き
国連女性の地位委員会(CSW)、女子差別撤廃条約(CEDAW) 国際婦人年(1975年)以降の世界女性会議 持続可能な開発目標(SDGs)世界経済フォーラムが発表するGGGIなどから国際社会の変遷を捉える。
〇国内の動向
1975年に総理府に設置された婦人問題企画推進本部、女子差別撤廃条約の批准、国内行動計画、雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、女性の職業生活における活躍推進に関する法律、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律などから国内の変遷を捉える。
第3回[対面/face to face]:女共同参画基本法と男女共同参画基本計画①
1999年に施行された「男女共同参画基本法」の基本理念を理解するとともに、2020年12月に策定された第5次男女共同参画基本計画の12分野のうち一つの分野を選んで報告し議論する。
第4回[対面/face to face]:女共同参画基本法と男女共同参画基本計画②
1999年に施行された「男女共同参画基本法」の基本理念を理解するとともに、2020年12月に策定された第5次男女共同参画基本計画の12分野のうち一つの分野を選んで報告し議論する。
第5回[対面/face to face]:ワーク・ライフ・バランス 働き方改革①
勤続年数を重視しがちな年功序列的な処遇、長時間労働や転勤が当然というこれまでの男性中心の働き方を前提とする労働慣行(男性中心型労働慣行)について考える。
また、いわゆる女性のM字カーブ問題等がいまだに解決しない要因を考える。
第6回[対面/face to face]:ワーク・ライフ・バランス 働き方改革②
女性も男性もワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を実現するためにはどのような解決策があるのか、実態や政策を踏まえて議論する。特に現在政策的課題として関心が高まっている男性の育児休業についても検討する。
第7回[対面/face to face]:女性の活躍推進
003年、男女共同参画推進本部は「社会のあらゆる分野において2020年までに、指導的地位に占める女性の割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する(202030)」との目標を設定した。その後の動向を踏まえて、クオータ制やポジティブアクションについて議論する。
第8回[対面/face to face]:女性に対する暴力①
重大な人権侵害である女性に対する暴力、性暴力について考える。配偶者等からの暴力、ストーカーなどに加えて、最近ではデートDV、デートレイプドラッグ、JKビジネス、AV出演強要など問題が多様化している。こうした状況を踏まえ、暴力の根絶を図るための方策について議論する。
第9回[対面/face to face]:女性に対する暴力②
重大な人権侵害である女性に対する暴力、性暴力について考える。配偶者等からの暴力、ストーカーなどに加えて、最近ではデートDV、デートレイプドラッグ、JKビジネス、AV出演強要など問題が多様化している。こうした状況を踏まえ、暴力の根絶を図るための方策について議論する。
第10回[対面/face to face]:教育・メディア①
男女共同参画を推進し多様な選択を可能にするために学校教育はどうすればいいのか、教育現場をジェンダーの視点で見たときの課題を捉える。理工系を選択する女子学生が少なく研究者、技術者の女性割合が少ない状況を踏まえ、女子学生・生徒の理工系分野の選択促進及び理工系人材の育成のための方策を考える。また学校現場の管理職の女性割合が少ない要因についても考える。
第11回[対面/face to face]:教育・メディア②
意識形成にメディアの与える影響は大きい。メディアの中で女性がどのように描かれているかについて広報媒体や映像を見ながら分析し、性別役割分担意識の解消のための広報・啓発のあり方について議論する。
第12回[対面/face to face]:新たな課題①-自然災害やコロナなどのリスクに対応するジェンダー政策
東日本大震災等の経験から、性別、年齢や障害の有無等社会的立場によって影響が異なることが明らかにされたことから女性と男性で災害から受ける影響に配慮し、ジェンダーの視点から防災復興体制を確立することが求められている。何が問題だったのかを踏まえ、解決の方策について議論する。
第13回[対面/face to face]:新たな課題②-多様性に対応するジェンダー政策
選択的夫婦別姓や同性結婚、LGBTQをどのように考えるかが政策的な課題となっている。
どのような政策的議論が進んでいるのか、どのような方向性を考えればいいのかを議論する。
第14回[対面/face to face]:ジェンダーと政治
政策・方針決定過程への女性の参画の拡大は現在の日本において大きなジェンダー課題となっている、特に政治分野における女性の参画拡大を進めるためにはどのような方策がとられているかを理解する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
毎回レジュメや参考資料を配付する、映像資料も活用する。
参考書References
・第5次男女共同参画基本計画
http://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/4th/index.html
・内閣府「仕事と生活の調和」推進サイト ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/index.html
・女性に対する暴力
若年層を対象とした性的な暴力の啓発教材
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/index.html
NWEC実践研究第9号「ジェンダーに基づく暴力」
・内閣府男女共同参画局女性活躍推進法見える化サイト
http://www.gender.go.jp/policy/suishin_law/index.html
・厚生労働省女性活躍推進法特集ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
・内閣府男女局 理工チャレンジ(リコチャレ)
http://www.gender.go.jp/c-challenge/
・科学技術振興機構 ダイバーシティ推進
http://www.jst.go.jp/diversity/index.html
・初等中等教育における男女共同参画
国立女性教育会館
https://www.nwec.jp/research/hqtuvq0000002ko2.html
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業参加(ディスカッションでの発言)と課題ペーパーの提出(40%)
レポート(60%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
多様な生活経験を持つ受講生がいるので、それぞれの経験を共有することによって、ディスカッションの充実を目指す。
担当教員の専門分野等
<専門領域>ジェンダー論
<研究テーマ>ジェンダーと家族
ジェンダーと教育・学習
<主要研究業績>
「教育と学習」『男女共同参画データブック2015』男女共同参画統計研究会編 ぎょうせい 2015
『国際比較にみる再開の家族と子育て』(編著)ミネルヴァ書房 2010