理工学部Faculty of Science and Engineering
MEC200XB(機械工学 / Mechanical engineering 200)機械製図Mechanical drawing
吉田 一朗
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学部Faculty of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | H5024 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 小東館-E107 |
配当年次Grade | 2年 |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工学部>Category |
機械工学科機械工学専修 学科専門科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
【Course outline】
1. The students understand the composition / function of the given machine element and the JIS standard, and acquires the ability to select the correct shape and dimension suitable for the design specification.
2. The students should understand the purpose of the parts diagram and assembly drawing, and reflect the related standards in detail to reflect on the drawing.
3. The students draw on drawing methods complying with JIS mechanical drawing standards.
4. The students learn why the drawing is necessary, how the drawings are needed at production fields, R&D fields, and so on.
5. In this course, students draw the mechanical drawing by hand-drawing. Some students may think that "In nowadays, the hand-drawing is nonsense," but the hand-drawn mechanical drawings include many very important elements.
【Learning Objectives】
At the end of the course, students are expected to learn the mechanical drawing and to acquire a hand drawn mechanical drawing.
【Learning activities outside of classroom】
Before/after each class meeting, students will be expected to spend 4 hours to understand the course content.
【Grading Criteria /Policy】
1. Drawings for each assignment: Students are required to submit all assignments.
2. Submission of each assignment: Students are required to adhere to the deadline for submitting assignments.
3. Mid-term and final exams: Students are required to take the mid-term and final exams.
4. Attendance: Absences of 4 times or more are the failing grade.
5. The total score score of 60 or more out of 100 is considered acceptable, provided that above 1 to 4 are adhered to.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
1.与えられた機械要素の構成・機能や JIS規格を理解し,設計仕様に適した正しい形状および寸法を選ぶ。
2.部品図,組立図の目的を理解し,関連する規格を詳しく調べ製図に反映する。
3.JIS機械製図規格に適合した製図法により製図する。
4.図面がなぜ必要なのか,生産の現場や研究・開発の場面でどのように必要になるのか,なども学ぶ。
5.機械製図では,手描きによって製図を行う。『今時,手描きなんて』と思うかも知れないが,手描きによる製図は,以下のような非常に重要な要素を含んでいる。
①手描きによる機械製図は,機械要素や部品の理解に役立つ。
②手描きによる製図はアイディアスケッチの能力を向上させ,新しいアイディアの創発に役立つ。(創造力が鍛えられる、脳トレ)
③2D CADや3D CADは非常に便利であるが,あくまでも道具・ツールである。
④2D CAD,3D CADソフトウェアは,定期的に使用方法が変更されたり,CADソフト自体が消滅することがあるが,手描きによる機械製図の技能は身に付ければ一生ものであり廃れない。
⑤企業に就職後に開発部隊や設計部隊に配属された場合,手描きによるスケッチは,開発アイディアや設計アイディアの創発に役立つ。
⑥企業に就職後,技術営業や営業に配属された場合,顧客との設計打ち合わせや顧客のニーズ抽出の場では手書きがメインとなり,CADソフトを使用した打ち合わせは困難。手描きスケッチが基本となり,手描きによってスピーディな打ち合わせが可能である。
⑦企業に就職後,技術営業や営業に配属された場合,⑥の内容を開発部隊や設計部隊へ報告する際に,手描きスケッチを交えた打ち合わせが行われることが多い。(CADよりも手描きの方がスピーディ,かつ,意図も伝わりやすい)
⑧出張などで新幹線や飛行機,自動車に乗車中にアイディアを思いついた時,手描きスケッチの方が素早く,アイディアを忘れないうちに記録できる。(『PC開いて →CADソフトを立ち上げ →マウスで描画』の流れではアイディアを忘れてしまう)
⑨絵を描くことや字を書くことが苦手な人でも,機械製図による演習で格段に上達する。(他の授業のレポート作成や日常生活でも役立つ)
⑩人によっては字も上手くなる。(就職活動の手書きの履歴書・志望動機などで,丁寧な字で書けるようなる)
⑪早稲田大学においても手描きの機械製図の重要性が再認識され,手描きによる機械製図の授業が重要視されている。千葉工業大学と芝浦工業大学では,4年間で6コマの機械製図を行なっている。明治大学に至っては,4年間で 12コマもの手描きの機械製図を行っている。このことからも手描きによる製図の講義の重要性が分かる。
⑫設計,開発,研究,アイディアは,イメージ力である。
⑬イメージ力を鍛える最善の方法は,脳と身体と五感を連動させフルに働かせるのが良い。人間も動物である。脳と身体と五感は一体であり,連動している。
⑭マウスをクリックしながらCADモデリングする時代は終わりかけている。タッチパネルやタブレットPCの画面を,タッチペンや指先でデザインする時代に来ている。⇒もはや手描き。
⑮上記の⑭から更に進んだ近未来では,頭でイメージしたものがCADデータ化される時代が近付いている。⇒ CADの操作スキルは不要になり,イメージ力が求められる。⇒手書きによるイメージ力の強化が重要。
到達目標Goal
機械設計・製図に必要な JISの製図規則を中心に,機械設計の基礎および基本的な機械要素とその図面の表し方などを講義および実技を通じて習得する。さらに,複数の部品で構成された機械の製図に必要な部品図および組立図の役割を理解し,機械部品の製作・組立に関する製図法を習得し,機械設計に必要な基礎知識を身につける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
各授業の前半では機械設計・製図に必要な JISの製図規則および基本的な機械要素部品とその図面の表し方について講義を行う。後半では講義に関連する内容の理解を深めるために手描きによる製図を行う。理解度を上げるため,理解の状況や進捗に合わせて授業計画の順序や内容を柔軟に変更する。適時,課題の解説などや質疑応答などを通じてフィードバックを行なう。本授業の最終段階においては,複数の部品から構成された機械を題材として,各部品の規格を調べ,またそれを反映させた部品図および組立図の製図を行い,機械設計関連科目や企業における機械設計業務への展開へつなげる。
中間・期末テストは,授業内容の理解の状況や進捗に合わせ,適時実施する。
新型コロナウイルスの状況や政府からの非常事態宣言および東京都からの緊急事態措置等が発出される状況となった場合は,春学期中,必要に応じてオンラインでの開講となる。それにともなう各回の授業内容や計画の変更,成績評価の方法などの変更等については,学習支援システムでその都度提示する。また,本授業の開始日も必要に応じて学習支援システム:Hoppii等から通知する。本シラバスに記載の全事項は新型コロナ禍前や非常事態宣言時以外を想定して作成されているため,オンライン式,対面式を含め具体的な授業の進め方などは,学習支援システム:Hoppii等で提示する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンス,製図入門
本授業の実施方法の説明および資料の配布,製図入門
2[対面/face to face]:図形の表わし方1
投影図の表し方の講義および線の種類および用途についての実技
3[対面/face to face]:図形の表わし方2
断面図の表わし方の講義およびVブロックと部分投影図の作図
4[対面/face to face]:図形の表わし方3
図形の省略および特殊な図示法の講義および回転投影図と補助投影図に関する作図
5[対面/face to face]:寸法の記入法1
寸法記入の基本に関する講義およびプレート図面とパッキン押さえの製図
6[対面/face to face]:寸法の記入法2
穴やキー溝の寸法記入方法に関する講義およびコンロッドの製図
7[対面/face to face]:ねじの製図法
ねじに関する製図についての講義およびボルト,ナットの製図
8[対面/face to face]:サイズ公差(旧・寸法公差)およびはめあい1
サイズ公差(旧・寸法公差)に関する講義および回転軸の設計製図
9[対面/face to face]:サイズ公差(旧・寸法公差)およびはめあい2
サイズ公差(旧・寸法公差)とはめあいに関する講義および回転軸の設計製図
10[対面/face to face]:幾何公差および表面の粗さ
幾何公差と表面の粗さに関する講義および回転軸の設計製図
11[対面/face to face]:フランジ形固定軸継ぎ手1
材料記号に関する講義およびフランジ形固定軸継ぎ手の設計製図
12[対面/face to face]:フランジ形固定軸継ぎ手2
講義内容に関する中間テストおよびフランジ形固定軸継ぎ手の設計製図
13[対面/face to face]:フランジ形固定軸継ぎ手3
総合講義およびフランジ形固定軸継ぎ手の設計製図
14[対面/face to face]:総合課題の設計製図
講義内容に関する総合試験およびフランジ形固定軸継ぎ手の設計製図
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】各授業テーマに関する資料の予習・復習および課題図面の製図
テキスト(教科書)Textbooks
教科書については,初回のガイダンスで説明する。
1.JISにもとづく 標準製図法(第15全訂版),大西 清,オーム社,2019年初版,2,200円(税込).
2.これだけは知っておきたい !機械設計製図の基本,米田完,太田祐介,青木岳史,講談社,2016年初版,2,420円(税込).
3.初心者のための機械製図 (第4版),藤本元,御牧拓郎,植松育三,高谷芳明,森北出版,2015年初版,2,750円(税込).
4.配布資料.
参考書References
1.JISの各種規格表.
2.新・演習機械製図―グローバル化に対処する製図リテラシー,塚田忠夫,金田徹,数理工学社,2015年初版,2,200円(税込).
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価は,授業中の課題:80%,定期試験:20% の配分とする(ただし,中間・期末試験を実施しない場合は,課題・レポート:100%となる。中間・期末試験を実施しない場合は,実施の2週間前までにアナウンスする)。
1.評価方法:各課題の図面の提出とその評価,および,中間テスト・期末テストの結果を総合的に判断し成績評価する。
2.各課題の図面:全ての課題の提出が必須である。
3.各課題の図面:課題の提出期限は厳守すること。
4.実習科目である機械製図では,中間・期末テストの受験は必須である。
5.評価基準:本科目において設定した達成目標の 60%未満は不合格とする。
6.欠席数4回以上は不可とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
1.理解の状況などに合わせて授業計画の順序や内容を柔軟に変更する。
2.配布資料などの改善を行う。
3.本授業では,機械製図の実習において学生同士の意見交換・教え合い,学生自らの主体的な学びを奨励する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
1.機械製図用品セット 購入必須(法政大学理工学部機械工学科専用 製図セット:法政大学生協で販売)
2.ケント紙(授業の製図において必須であるため,必ず購入しておくこと。法政大学生協や画材店などで販売)
その他の重要事項Others
本授業は,「実務経験のある教員による授業」である。授業担当者の五嶋は,電機・機械メーカで計約8年間,ソフトウエアおよびハードウエアの開発・設計の実務経験がある。また,研究機関(機械振興協会技術研究所)において、27年間、国内・海外外企業との共同研究、技術指導、産学連携支援業務等を行ってきた。学生時代に手書き製図・設計と2D-CAD、その後3D-CAD/CAM/CAEに触れ,研究開発業務においても実際に使用してきた。
現在企業のグローバル化が急速に進展しており、日本語を母国語としないスタッフとの業務では、不慣れな外国語による認識の相違を防ぐため、機械製図による世界共通語である機械図面をベースとしたコミュニケーションが必須である。機械工学を学ぶ学生は、外国語(特に英語)とともに、機械製図のスキルをぜひとも身につけなければならない。
その他、授業にあたっての注意事項は下記である。
1.各授業テーマに関する資料の予習・復習は必須である。また,課題図面の製図も必ず必要である。
2.各課題の図面については,全ての課題提出を基本とする。
3.大学は,社会に出て就職する前の最後の準備期間(学習期間)である。社会に飛び立つと,学生時代のような手厚い教育を受ける機会は激減する。そのため,ぜひ社会に出るまでに,自力で学習できる技術と能力,精神,考えを身に付けられると良いと考える。この能力は一生ものであり,社会に出た後,どの分野に進んだとしても必ず役に立つ。