公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
ECN500P2－021（経済学 / Economics 500）環境経済論DEnvironmental Economics D
杉野 誠Makoto SUGINO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | X9814 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
| 曜日・時限Day/Period | 火6/Tue.6,火7/Tue.7 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
サステイナビリティ学専攻 （博士後期課程）選択必修科目（専門科目） |
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Outline (in English)
【Learning Objectives】
Economic growth has increased the burden of environmental impacts in various dimensions. In this course, we will apply microeconomic theory to environmental issues and consider what kind of policy/regulations are needed to address these issues. This course has three objectives; 1) understand the “nature” of environmental issues and apply economics to counter these issues, 2) understand Japanese environmental policies/regulations and consider further, what kind of actions are needed and 3) position doctoral dissertations within environmental economics context. This course will also discuss microeconomic theory because it is essential in understanding environmental economics.
【Learning activities outside of classroom】
Students will be expected to have completed the required assignments after class. Your study time will be more than two hours for each class.
【Grading Criteria/Policy】
Your overall grade in class will be decided based on the following:
Take-home test 45%, Term-end assignment 55%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
経済発展に伴い、環境問題が多様化・深刻化している。本授業では、経済学の枠組みを用いて環境問題を捉え、どの様な政策が必要であるかを理論的に考える。本授業では、以下の３つを最終目的とする。① 環境問題の「本質」を理解し、様々な環境問題に経済学を応用できるようになる。②日本の環境政策・制度およびそれらの問題点を理解し、必要とされる政策について理解を深める。③博士論文を環境経済学の文脈の中での位置づけられるようになる。なお、環境経済学を学ぶうえでミクロ経済学の基礎的な知識が必要となる。本授業では、関連するミクロ経済学を適宜説明しながら講義を行う。
到達目標Goal
経済学の基礎知識と環境問題に対する理解を深めることができる。
また、環境問題を解決するために必要な政策の思考力を得ることができる。
さらに、博士論文を環境経済学の文脈の中に位置づけることができある。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
対面での講義形式を基本とする授業を行います。毎回、講義と関連する課題（小テスト）を実施します。課題（小テスト）の解説を次の授業の冒頭に行います。また、コメントや質問に対する回答も授業の冒頭に行います。
なお、一部の授業ではゲームを行い、学んだ理論と現実の差を体感します。
また、グループディスカッションを通じて、政策の方向性などを議論します。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：ガイダンス・環境経済学とは
ミクロ経済学①（市場とは）
環境経済学を学ぶ際に必要最低限の経済学的知識を解説します。
需要曲線と供給曲線の意味および、市場の機能を解説します。
第2回[対面/face to face]：ミクロ経済学②（余剰分析）
ミクロ経済学③（市場の効率性）
消費者余剰、生産者余剰、社会的総余剰について解説します。
市場の効率性・万能性について解説します。
第3回[対面/face to face]：公共財とは
外部性（様々な費用）
公共財の定義およびどの様な問題があるのかを解説します。
平均費用、平均可変費用、限界費用など費用の概念を解説します。
第4回[対面/face to face]：外部経済（余剰分析）
外部不経済（余剰分析）
正の外部性について解説し、市場にどの様な影響をもたらすかを解説します。
負の外部性について解説し、市場にどの様な影響をもたらすかを解説します。
第5回[対面/face to face]：外部不経済の内部化
外部不経済が存在する場合、社会的に望ましい状態は何かを解説します。
第6回[対面/face to face]：コースの定理
当事者間の交渉によって環境問題が解決することができることを解説します。
第7回[対面/face to face]：政策による環境問題の解決
効率的な削減（ピグー税と排出量取引）
どの様な環境政策が有効かを解説する。また、それぞれの政策の利点・欠点について議論する。
第8回[対面/face to face]：ゲーム①：排出量取引制度を理解する
ゲーム②：排出量取引制度におけるプレーヤーを理解する
ゲームを通じて排出量取引制度の基本的な制度設計について学ぶ。
第9回[対面/face to face]：ゲーム③：排出量取引制度における費用軽減措置を理解する
ゲーム④：排出量取引制度のまとめ
ゲームを通じて排出量取引制度の導入がもたらす様々な問題に対処する応用的な制度設計について学ぶ。
第10回[対面/face to face]：地球温暖化①：問題の所在
地球温暖化②：京都議定書
温暖化政策の基礎的な知識を解説する。また、京都議定書第1約束期間までの状況を解説する。
第11回[対面/face to face]：地球温暖化③：ポスト京都
地球温暖化④：各国の対策および事前評価
ポスト京都議定書（パリ協定まで）について解説し、各国の気候変動政策および事前評価について解説する。
第12回[対面/face to face]：廃棄物問題①：ごみ処理有料化政策
廃棄物問題②：自治体の取り組み
ごみ処理有料化政策が何故必要なのか、何を意図としているのかを解説する。また、自治体の取り組みと理論を比較する。
第13回[対面/face to face]：放射性廃棄物問題①：低レベル放射性廃棄物
放射性廃棄物問題②：高レベル放射性廃棄物
放射性廃棄物の最終処分問題について米国の取り組みを紹介しながら解説する。また、日本に必要な方策を考える。
第14回[対面/face to face]：大気汚染①：固定排出源の規制
大気汚染②：移動排出源の規制
日本における大気汚染対策を紹介し、今後の方策について考える。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
指定したテキストおよび参考書の該当する箇所を事前に読み、授業の準備を行ってください。
また、課題を行い、内容の理解度を深めてください。
テキスト（教科書）Textbooks
『入門 環境経済学－環境問題解決へのアプローチ』, 日引聡・有村俊秀, 中央公論新社 (2002)
参考書References
Richard Porter The Economics of Waste, Routledge, 2002.
成績評価の方法と基準Grading criteria
小テストおよび最終課題を総合的に評価します。
具体的には、小テスト45%、最終課題55%の合計100%点満点とし、60点以上が合格となります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
理論の理解を深めるため、排出量取引制度のゲームを引き続き実施します。また、練習問題の難易度を複数準備する。例えば、公務員試験の過去問など。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
電子ファイル（講義資料や追加資料など）を配布いたします。パソコン（タブレット）などをインターネットに接続できるようにしてください。
その他の重要事項Others
特定の時間帯にオフィスアワーを設定していませんが、授業等がなければいつでも対応いたします。事前アポをメールで取ってください（makoto.sug@gmail.com）。
質問などがあった場合、連絡ください。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞環境経済学、応用ミクロ経済学
＜研究テーマ＞環境経済学
＜主要研究業績＞Makoto Sugino, Toshi H. Arimura, Richard Morgenstern "The Effects of Alternative Carbon Mitigation Policies on Japanese Industries"，Energy Policy，62 1254-1267，2013年