人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
TRS200HA(観光学 / Tourism Studies 200)環境表象論ⅠEnvironmental Representation Ⅰ
梶 裕史Hiroshi KAJI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C2322 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | 環境表象論 |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S405 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 環コア:ロ,文 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | ○ |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category |
展開科目 人文科学関連科目群 |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
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Outline (in English)
This lecture will introduce an example of the environmental symbiosis type of regional initiatives and human character building , from "cultural" viewpoint. "Representation" is an image that is tied in the mind. It would be good to think that environmental representation is how humans grasp the environment surrounding them in their minds. In the lesson, I will take up the idea of "cultural landscape" as its own theme, introduce concrete examples mainly in Japan, and consider the rich possibilities.
Goal
・ This lecture aims to help students to understand that "cultural landscape" is a new concept suitable for the century of "environment", which is different from the conventional way of thinking of cultural properties.
・ This lecture also aims to help students to realize that "landscape" is not just about appearance, and that things that seem to have little to do with "environment" often lead to ecological issues.
Work to be done outside of class
Be sure to prepare and review using the materials introduced in each lecture.
We also encourage you to visit nearby fields in the stimulus of your lessons. The standard preparatory study and review time for this class is 2 hours each.
Grading criteria
Final exam 55%, each quiz 45%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この講義は、「文化」の視点からの環境共生型の地域形成・人間形成のとりくみの一例を紹介するものです。「表象」は、心の中に結ばれる像のこと。環境表象とは、人間が自分達をとりまく環境を心にどう捉えるか、ということであると思うとよいでしょう。授業では、その好個のテーマとして「文化的景観」という考え方をとりあげ、国内を中心とした具体的な事例を紹介し、その豊かな可能性について考察します。
「文化的景観」は、地域の特色ある地理的・歴史的環境と密接に関わる生業・生活文化の「表象」です。ユネスコが世界遺産の幅を広げるために1992年に登録基準として追加して以降、新しい文化遺産の考え方として普及が始まった概念で、わが国も2005年に新文化財として文化財保護法に採り入れています。「自然と人間の共同作品」とユネスコが定義するこの概念は、地域固有の風土・歴史に適応して形成された伝統的な生活・生業(農林水産業や鉱工業)を表わす景観の持続可能性を尊びます。有形を支える無形要素や「五感」で感受される要素も重視し、過去の一点の姿に捉われず「有機的に進化する」見通しを前提に、地域の特色ある生活文化資産を今後にどのように活かし、継承するかという将来像まで視野に入れた、環境共生志向の持続可能な地域形成・人間形成に寄与する考え方であるといえます。授業では主として国内の事例を紹介し、関連する取り組みとして日本型エコツーリズム・グリーンツーリズム・エコミュージアム等もとりあげます。
到達目標Goal
・「文化的景観」が、従来の文化財の考え方とは一線を画する、「環境」の世紀にふさわしい新しい概念であることが理解できる。
・「景観」は見た目だけではないことや、一見「環境」と関わりが薄そうな事柄も大いにエコにつながることが多いということに気付ける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
教室での対面授業を基本とする、ふつうの講義形式です。テーマの性格上、PPTを使って現地の写真や関連する絵画などを見てもらうことも多くなりますが、上記のように、可視の有形物は「景観」のほんの表面を伝えるにすぎないので、画像をみることがメインではないと思って下さい。
一定の気軽な質疑応答タイムを設け、質問や感想コメントを歓迎します。また毎回、授業後一週間以内に、学習支援システムに掲載する簡単な「小テスト」を受けて提出してもらいます。(小テストは時間制限なし、参照可)
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーション
「景観」とは何か 導入的説明
第2回[対面/face to face]:ユネスコの「世界遺産」事業概説(「文化的景観」導入の経緯)
併せて国内の世界遺産を紹介
第3回[対面/face to face]:ユネスコの「世界遺産」概説 その2
前回の補充(授業テーマに関連する海外の世界遺産紹介など)
第4回[オンライン/online]:文化財保護法の既存の文化財との比較(1)
日本の文化財の種類、内容
第5回[対面/face to face]:文化財保護法の既存の文化財との比較(2)
「環境」、持続可能性重視の潮流のなかで
第6回[対面/face to face]:文化的景観の多面的効用(1)
国土の自然環境保全、食料自給率の改善、生態系保全等
第7回[対面/face to face]:文化的景観の多面的効用(2)
エコツーリズム、グリーンツーリズム、エコミュージアムの素材/「原風景」
第8回[対面/face to face]:近江八幡の文化的景観とまちづくり(1)
重要文化的景観第1号のまちの市民活動の歴史、特色
第9回[対面/face to face]:近江八幡の文化的景観とまちづくり(2)
六次産業創出ほか、新たなとりくみと「有機的に進化する景観」
第10回[対面/face to face]:精神文化と一体の景観(1)
熊野三山(世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」)
第11回[対面/face to face]:精神文化と一体の景観(2)
沖縄の御嶽、富士山
第12回[対面/face to face]:精神文化と一体の景観(3)
童話・映画・アニメの名作の舞台:「フィルムツーリズム」との関連
第13回[対面/face to face]:精神文化と一体の景観(4)
古典文芸が創った名所の例として、松島・鞆の浦
第14回[対面/face to face]:総集編
初回~13回の授業のふりかえり
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
また、授業の刺激で近場のフィールドを実地訪問することも奨励します。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
不要。学習支援システムに掲載する毎回のスライド教材をもって替えます。
参考書References
梶裕史「『文化的景観』の特質と可能性」(小島聡・西城戸誠・辻英史編『フィールドから考える地域環境](第2版)第Ⅰ部第6章、ミネルヴァ書房、2021)ほか、授業のなかで紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末試験55%、毎回の小テスト45%。小テストを1回も受けていないと、期末試験を受けても60点に達しないため、単位取得はできません。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
オンデマンドにも対応した、文章の説明つきのスライド教材を使用するため、体調不良で対面授業に出られない時でも自宅で自習できることへの評価や、画像が豊富で親しみやすく、興味を惹かれる(実際に行ってみたくなる)といった感想が少なくありませんでした。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
・日本の伝統文化をサスティナビリティーの視点から見直すことや、エコツーリズム・グリーンツーリズム・エコミュージアム等に関心を持っている人には良い参考になると思います。
関連の深いコース
人間・文化コース、ローカル・サスティナビリティコースと深く関連します。履修の手引きの「コース関連科目表」を参照してください。