国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HUI200GA(人間情報学 / Human informatics 200)こころの科学Science of Mind
こころが生み出す「体験のリアリティ」
甲 洋介Yousuke KINOE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C0800 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S307 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class allows you to learn basics of science of the mind. It also aims to provide you with a new perspective of the mind by re-examining your real-world experiences in your "mind".
By the end of the course, students should be able to explain overview of fundamental elements of science of the mind including attention, emotion, concept learning, problem solving, mistake, and affordance.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be decided based on (1) final report/exam (50%) and (2) short reports and the quality of the student’s in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
● 感動の想い出は、なぜかスローモーション
あなたが日々体験している「私のこころがはたらいている」という実感を手掛かりにして、「こころ」という不思議なはたらきと、その面白さを様々な角度から理解することを目指す科目である。
● 「こころ」がはたらいている、と実感するのはどんな時?
「こころ」とはいったい何だろう。「こころ」についてよく知っているつもりなのに、いざ説明しようとするとうまく説明できない。なぜなら、ふだん私たちは、自分の「こころがはたらいている」ことをあまりにも当然に考えているから。
しかし、「こころ」がうまくはたらかない時や、あなたにとって初めての事、思いもよらない事に出会った時、その”存在”に気づかされる。よく観察すると、世の中は「こころ」にとって予想外の現象が実に多く発生している。
● 「こころ」とはいったい何だろう
「こころ」のしくみを理解する上で基本となる「感情がわく」「気づく」「覚える」「わかる」「誤る」「問題を解く」に着目し、解説を加える。学術的な説明の前に、一人ひとりの「リアルなこころの体験」を整理することから出発しよう。大切なのは、こころがうまく機能している状態だけでなく、上手くはたらかない現象にも光をあてる、ことである。
ロボットや人工知能の分野では「こころを作ってみる」試みが急速に進む。一方で、「こころ」の探求は、単一の学問領域だけで本質に迫るのは難しい。心理学に加え、脳科学、人類学や言語学など様々な角度からアプローチが試みられ成果を上げている。「こころの科学」では、関連領域の知見を踏まえ、学際的な視点から「こころの科学」の基礎を学ぶ。
到達目標Goal
・感情がわく、気づく、わかる、覚える、誤る、問題を解く等、「こころ」のしくみを理解する上で基本となる事柄について、その要点を説明できるようになる
・感情の役割、アフォーダンス概念など、講義で解説される基本主題について、それらが「こころの理解」にどのような新たな観点を与えるのか、その意義を簡潔に述べることができるようになる
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
「こころ」のはたらきとして、感情がわく、気づく、覚える、わかる、誤る、問題を解く、に着目し、関連分野の知見を整理して一つ一つ解説を加える。学術的な説明だけでなく、一人ひとりの「リアルなこころの体験」を整理することにも力点を置く。
こころがうまく機能している状態だけでなく、こころが上手くはたらかない現象にも着目する。たとえば、「記憶する」だけでなく「忘れる」重要性、「わかる」だけでなく「間違える」プロセスにも着目する。それによって「こころ」の理解は面白くなるし、奥深さを学べる。
各講義の最初に、受講生のコメントシートを踏まえながら前回のおさらいと解説を行い、また後半はできる限り受講生どうしの討議の機会を設け、受講生の理解がさらに深まるように工夫する。
※今年度の授業は原則としてオンラインで行い、一部対面を組合せる方法で計画している。新型コロナ感染状況によって授業の進め方を変更することがある。詳細や変更は学習支援システムで伝達する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:はじめに
講義のアウトラインと進め方
2[オンライン/online]:こころについて、どのような理解を目指ざすのか
「こころのはたらき」を理解するための枠組みを、準備する
3[対面/face to face]:気づく、対象を捉える、気づいてないのに分かっている
感覚から知覚、知覚から認知へ、意識、潜在認知
4[対面/face to face]:間違える、「間違え」から分かるこころ
誤りの心理学
5[オンライン/online]:覚える、忘れる、わたしが「私」であり続ける不思議
記憶のしくみ、誤って覚える、忘却する
6[オンライン/online]:わかる、知らない、わからない
概念の形成、知識獲得と学習、言語の役割
7[オンライン/online]:考える、問題を解く
『問題』とは何か、問題解決する、推論する
8[オンライン/online]:感情が生まれる、感情をはたらかせる ~感情の役割の発見へ
感情の彩り、人類に共通する感情、感情を生み出す仕組み
9[オンライン/online]:感情に促される、影響される、感情があふれる、生まれない
感情の果たす役割、感情の障害
10[オンライン/online]:脳からみた、こころ
人工物ではたらく、こころ
ニューラルネットワークと、人工知能
11[対面/face to face]:環境に拡がる、こころ
生態学的視覚論(ギブソン)の基本的な考え方
12[対面/face to face]:生態学的知覚論という挑戦
アフォーダンス、生態学的視覚論からの問題提起
13[対面/face to face]:社会・文化に埋め込まれた、こころ ~個人から社会の視点へ
状況に埋め込まれた学習、正統的周辺参加、社会的実践としての学習
14[対面/face to face]:「こころ」について再考する
総合討議と、まとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
コメントシート作成を含め、準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
開講時に指示する。
参考書References
・日常と非日常からみる こころと脳の科学(宮崎真ほか著、コロナ社)2018
・環境に拡がる心―生態学的哲学の展望(河野哲也著、勁草書房)2005
成績評価の方法と基準Grading criteria
・コメントシート、討議への参画、小レポートを含む平常点 50%
・課題レポートまた期末試験 50%
を総合的に評価し、評定を決める。
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
実際の現象を理解しやすいように、できる限り実験例や具体例の提示を心がける。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
コメントシート、課題提出等に学習支援システム等を利用する。授業前後に確認すること。
関連科目
・「道具のデザイン学」「道具による感覚・体験のデザイン」「文化情報空間論」「文化情報のデザインワークショップ」と組み合わせて受講すると、理解が多角的になり面白くなる仕組みになっている。
・「こころとからだの現象学」は姉妹科目である。合わせて履修することを推奨する。どちらが先でも良い。「こころ」について多角的な捉え方を学ぶことは人間について理解を深める基礎となる。