国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HUI200GA(人間情報学 / Human informatics 200)道具による感覚・体験のデザインArtifacts and Augmented Experience
カラダの『体験』から空間をデザインする
甲 洋介Yousuke KINOE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C0438 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y705 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 教室の収容人数を超えた場合は選抜を行う。 |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class allows you to learn (a) the basic concepts of experience, emotion, feeling and embodiment, and (b) the “design of experience”. This year, we will focus on human spatial experience and the design of spatial experience.
By the end of the course, students should be able to (a) explain the relationship between experience, emotion, feeling and embodiment, and (b) practice basic principles of "experience-based design” based on the understanding of the above basic concepts.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be decided based on (1) final report/work product (50%) and (2) short reports and the quality of the student’s in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「体験」という個人的な出来事を、受講生がアタマとカラダを使って「体験し直す」ことを目指す科目である。
● 日常の体験こそ奥が深い
体験という言葉からあなたが思い浮かべるのは、忘れられない事、驚いたこと、可笑しな体験、つらかったことなど、ほとんどが『非日常的な』体験ではないだろうか。しかし体験の本質に迫りたいなら、むしろ、日常の体験の豊かさにこそ目を向けるべきである。本講義によって受講生は、一見些細に思える日常の体験においてでさえ、身体のさまざまな感覚は研ぎ澄まされ、わずかな世界の変化を感じ取り、豊かに感情が湧き起こり、体験が生み出されていくさまを理解できるようになる。
● 『体験』から、空間をデザインする
今年度は、「空間の体験」を取り上げる。本講義を通じて受講生は、人間は他人との間にある距離・空間を絶妙にコントロールしながら、互いに巧みな空間行動をしていることを理解できるようになる。たとえばキャンパス、カフェ、エレベーターなど、多くの人々が行き交う場は、人間の空間行動の特性を観察し、解析するには格好の空間である。
身体は空間を感じ、体験を生み出す。空間のデザインによって、そこでの体験はどのように変化するのか。この理解をベースにし、日常の空間をデザインし直すことに取り組む。たとえばもっと快適に安らげるように、あるいはもっと自然な集中ができるように。
● 体験をデザインする、ということ
「経験」「体験」(experience) が今ほど注目される時代はない。一方で「経験の危機」も指摘される。仮想世界の浸透も手伝って、私たちの「体験」はかつてない速度で変化が進み、どこまでが体験なのか、その境界はますます曖昧になりつつある。例えば、自分の身体と感覚を使って実際に体験していない出来事であっても、”あたかも体験したかのように”受け入れていることに気づく。本講義を通じて、この現象を、デザインの視点から批判的に問い直すことになる。
到達目標Goal
受講生はつぎの3つについて、基本用語を使って簡潔な説明ができるようになる。
1) 体験するとはどのようなことか
2) 人間は、どのように空間を身体で感じ、感情を働かせながら、人との距離や空間を互いに調節し、巧みな空間行動をしているか
3) 空間の体験は、その空間のデザインによってどのように変化するのか。
そして、これらの知識を用いて具体的対象に対して基本を実践できるようになる。
これらを目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義と、実際に手を動かすデザイン・ワークショップを組み合わせて展開させる。講義で取り上げる3つのテーマ、およびワークショップの概要は次の通りである。各回において受講生のコメントシートを踏まえながら前回内容のおさらいと解説をし、理解の深化を促す。
●【講義の3つのテーマ】
(a) 身体と感覚、体験するということ
(b) 空間を体験する。道具によって空間の体験を作る
(c) 身体の観点から、感覚・体験装置を再考する
●【デザインワークショップ】
さらに上記テーマのうち(b)空間体験に焦点を絞って、街角のカフェ、店、学校、オフィス空間、住宅内のリビングルームなど具体的な空間を例にとり、デザインワークショップによる実践を通じて理解する。
※新型コロナ感染状況によって進め方を変更することがある。大学の行動方針レベルが2となった場合、この授業は原則としてオンラインで行う。変更については学習支援システムで伝達する。その場合も制作など実践の効果が得られるよう工夫する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーション
講義の狙い、構成、進め方のガイダンス
第2回[対面/face to face]:[A] 身体、感覚、体験
体験と身体。自然との境界としての身体・感覚
第3回[対面/face to face]:感覚と体験
感覚を体験する。直接体験と間接体験
第4回[対面/face to face]:感情の科学:感情をともなう体験
感情を体験する。感情を伴う体験のメカニズム
第5回[オンライン/online]:[B] 人間の空間行動と空間体験のデザイン
カラダで空間を感じる(視・聴・多感覚)
第6回[オンライン/online]:人間の空間行動
観察しよう。人間が見せる面白い空間行動
第7回[オンライン/online]:人間の空間行動~パーソナルスペース
空間行動は、文化の中に組み込まれている
第8回[オンライン/online]:デザインワークショップ1
からだが『空間を体験する』
第9回[オンライン/online]:[C] 身体から、感覚・体験装置を問い直す
体験experienceから、空間をデザインする
第10回[オンライン/online]:空間の体験 ~道具によって空間の体験を作る
学校という空間、カフェという場所。空間体験から考え直す
第11回[対面/face to face]:身体からみた『日本庭園』 ~日本庭園のふしぎ
身体を覚醒させる装置としての日本庭園。時間的な連続性
第12回[対面/face to face]:デザインワークショップ2
カフェ、オフィス、学校、『場所』のデザイン、発表と討議
第13回[対面/face to face]:空間体験の仮想化
現実と仮想体験の融合。スヌーズレン。仮想現実VR、拡張現実AR、ミックスドリアリティMR、代替現実SR
第14回[対面/face to face]:まとめ:身体、感覚、体験 -revisit -
生きられた空間。経験としての芸術。経験の危機
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・デザイン課題、発表のための資料づくりがあります。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
初回時に指示をする。
参考書References
・「経験としての芸術」(J.デューイ)講談社学術文庫, 2004
・「かくれた次元」(E.T.ホール)みすず書房, 1970
・「空間の経験―身体から都市へ」(Y.F.トゥアン)ちくま学芸文庫, 1993
成績評価の方法と基準Grading criteria
・レポート、作品制作 (50%)
・コメントシート、発表、討議への積極的な参画、平常点(50%)
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
履修者からの要望が多い、建築空間での事例研究を増やそうと思う。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布、コメントシート・課題提出等に学習支援システムを利用する。授業前後にアクセスし確認すること。
その他の重要事項Others
講義を言葉で理解するだけではなく、日常のあらゆる機会をとらえて、身体と感性を駆使して理解しよう。面白い建築を訪ねたり、街の人々の空間行動を新しい視点からウォッチングしたり、日本庭園に仕掛けられた身体体験を批評的に味わったり、闇の中で海辺の波音にじっと耳をすます体験が役に立つ。
教室の収容人数を超えた場合は選抜を行う。
重要な関連科目
「道具のデザイン学」「こころの科学」「仮想世界研究」と組合せ受講することが望ましい。それらで学んだ知識を用いて、この講義および実習をより深い理解に基づいて進めることができるようになる。
情報機器・視聴覚設備の活用
PCおよび、DVDデッキ、プロジェクター等の視聴覚設備を活用し、講義形式とワークショップを組み合わせた授業を展開する。