国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
ART200GA(芸術学 / Art studies 200)社会と美術Society and Arts
稲垣 立男Tatsuo INAGAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C0222 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他/intensive・other courses |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | オンライン(市ヶ谷) |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | ○ |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
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Outline (in English)
Course outline
"Society and Art" is an introductory lecture that will allow you to see and think about the new world of expression that you rarely come into contact with. In particular, we will focus on the world of art, which deals with the relationship between society and art, which has been attracting attention since the 21st century. You will also learn about the points of contact between society and art and their relationships by referring to various examples of performing arts such as theatre, music, and the world of representations such as architecture. Focusing on the two themes of "art history and theory" (first half) and "society and art" (second half), we will examine and discuss each issue and problem from the keywords of each area.
1. Art history and theory Learn about the history and theory of modern and contemporary art from the 18th to 21st centuries, which is the basis for learning about society and art.
2. Society and art Learn about the relationship between media as a mirror that reflects society and the times and artistic expression, with concrete examples.
Learning Objectives
Introducing familiar examples of art history, contemporary society and art from the past to the present. This lecture aims to understand the workings of art history and to find universal and social issues from familiar problems.
Learning activities outside of the classroom
The content delivered on the Google site contains many website links to deepen your learning, so we recommend browsing the ones that interest you. There are also many museums and galleries near the university. If possible, depending on the infection status of the new coronavirus, please watch exhibitions.
The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
Grading Criteria /Policy
Grades will be evaluated based on the total of class activities, assignments and reports. We emphasize the experimentality and positiveness of our efforts. The scoring ratio is as follows.
1. Initiatives for classes (50%)
2. Issues and reports (50%)
See rubrics for specific assessment guidelines.
Based on this grade evaluation method, those who have achieved 60% or more of the achievement target of this class will be accepted.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
国際文化学部基幹科目「社会と美術」は、みなさんが普段接する機会の少ない新しい表現の世界についての見方や考え方のきっかけとなる入門的な内容の講義となります。特に、21世紀以降に注目されている社会と芸術との関係を扱ったアートの世界に焦点を当てていきます。また、演劇などのパフォーミング・アーツ、音楽、建築などの表象の世界に関する様々な事例を参照し、社会と芸術との接点やその関係性について学びます。
「近現代美術の歴史と理論」と「現代社会の課題と美術」の2つのテーマを軸として、各領域のキーワードからそれぞれの課題や問題を検討、議論します。
第一部
「近現代の芸術史と理論」では、芸術について学ぶ上での基礎となる18世紀から21世紀の近現代の芸術の歴史と理論について学びます。
第二部
「現代社会の課題と芸術」では、社会や時代を映す鏡としての芸術表現と現代社会との関係について具体例を交えながら学びます。21世紀以降に注目されている社会と芸術との関係を扱ったアートの世界に焦点を当てていきます。
到達目標Goal
過去から現在に至る美術史と現代社会と美術に関する身近な事例を紹介していきます。美術史の営みを理解すること、私たちの周辺にある身近な問題から普遍的、社会的な課題を見いだすことがこの講義の目標となります。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義映像や資料をウェブサイトに授業コンテンツを全て掲載して一定期間公開し、それをみながら授業を受講してもらうオンデマンド方式にします。PC、スマートフォンどちらでも受講可能ですが、PCでの学習を推奨します。
授業当日の流れ(重要)
1.指定された公開日に、Google Classroomにその日の学習内容を掲載したウェブサイト(Google site)のリンクを掲載する。
2.ウェブサイトを見ながら学習を進める。(当日であれば、授業時間外に学習しても構いません。)
3.Google Classroomに授業に関連した小テストや授業内レポートのリンク(Google Form)が掲載されているので、回答して提出する。
4.授業内容に関する質問については、Google Formに書き込んでおくと回答します。
授業の方法
授業時間になるとGoogle Classroomを通じて必要なリンク先や課題の提出について公開します。公開したウェブサイトに授業に関連したテキストや授業概要の映像(YouTube、40−60分程度)、必要な画像やウェブサイトのリンク先などが掲載されていますので、そのサイトを見て学習を進めてください。ウェブサイトは年度末まで公開しておきます。
対面授業とオンライン授業内容の違い
学ぶ内容については同一です。シラバスで授業の内容を確認してください。
課題
受講後、Google Formで小テスト、もしくは簡単なレポートを提出してもらいます。提出期間は授業終了後数日程度です。
評価
実習課題とレポートの提出をもって出席とし、採点を行います。
質問・相談
一般的な質問や相談についてはGoogle Classroomを使ってください。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:オリエンテーション
社会と美術について
講義内容について、進め方と方法、評価方法と基準
第2回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論1
近代美術の誕生(古典主義、ロマン派、写実主義、印象派)
近代の始まりと芸術運動に関する講義を行います。近代は、市民革命と産業革命によってその幕が落とされました。その頃に起こった古典主義、ロマン主義、写実主義、印象派の芸術は、近代というコンセプトを徐々に体現していきます。授業では近代社会の変化を参照しながら、これらの芸術運動について学んで行きます。
第3回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論2
アバンギャルドの時代Ⅰ(フォービズム、表現主義、キュビズム)
印象派以降のフォービズム、表現主義、キュビズムを中心に、第一次世界大戦前の芸術運動の流れについて学びます。画家たちはより自由な表現を求めて様々な実験を始めます。ポスト印象派と呼ばれた画家のゴーギャン、ゴッホ、セザンヌは、印象派以降の20世紀の前衛芸術運動に大きな影響を与えました。
第4回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論3
アバンギャルドの時代Ⅱ(未来派、ダダイズム シュルレアリズム、ロシア構成主義、バウハウス)
ロシア革命前後のロシア構成主義とシュプレマティズムについて、また第一次世界大戦前後のアバンギャルド芸術運動(前衛芸術)である未来派、ダダイズム、シュルレアリズムについて学びます。この時代には現代アートの基となるコンセプチュアルな発想や、パフォーマンスやインスタレーションの原型となるようなアイディアが登場します。
第5回[オンライン/online]:ワークショップ1
遠近法
近代美術の誕生、アバンギャルドの時代Ⅰ、アバンギャルドの時代Ⅱの講義内容の確認をします。
第6回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論4
戦後アメリカ美術(抽象表現主義、ネオダダ、ポップアート)
第二次世界大戦で大きなダメージを受けたヨーロッパに代わり、経済力を背景にアメリカが現代芸術の中心地となりました。抽象表現主義、ネオダダ、ポップアート、ミニマル、コンセプチュアルアートなど、アメリカを中心として登場した芸術運動に加え、アンフォルメル、ヌーボー・レアリズム、アルテポーベラなどヨーロッパの動向についても学びます。
第7回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論5
1960年代 市民運動と新しい動向(ミニマル、コンセプチュアルアート、ハプニング、パフォーマンスアート)
1960年代になるとアフリカ系アメリカ人公民権運動、ベトナム反戦運動、女性解放運動、LSDを使った平和を訴えるフラワーパワージェネレーションなどの市民運動が盛んになります。この時代には絵画や彫刻ではない表現が多く登場します。概念的なアートや、ハプニング、パフォーマンスアート、社会関与などの動向が多く登場します。
第8回[オンライン/online]:近現代美術の歴史と理論6
多文化の時代(ポストミニマリズム、新表現主義、関係性の美術 、ソーシャリー・エンゲージドアート)
1980年代に、アメリカのコマーシャル・ギャラリーから生まれたムーブメントである新表現主義について学びます。また、ミレニアム前夜にイギリスとヨーロッパで発生した二つのムーブメント(Young British Artist/リレーショナルアート)についての理解を深めます。21世紀に入り、ソーシャリー・エンゲージド・アートやソーシャル・プラクティスという社会に関与する芸術運動が盛んになっています。
第9回[オンライン/online]:ワークショップ2
新しい時代の芸術表現
戦後アメリカ美術、60年代/市民運動と新しい動向、多文化の時代の講義内容に関する確認をします。
第10回[オンライン/online]:現代社会の課題と美術1
政治への課題
第二次世界大戦前には社会主義国のソビエト連邦が国家となり、ドイツにはナチス党が台頭しました。戦争に至る思想統制の中、これらの国々の自由な芸術の精神は、弾圧を受けることになります。ベルリンの壁崩壊以降のアートの動きや近年の表現の自由をめぐる論争など、プロパガンダ、社会主義リアリズム、戦時中から現在までの文化政策の変化など政治課題と美術について学びます。
第11回[オンライン/online]:現代社会の課題と美術2
ジェンダーとアート
社会的・文化的な性区別を指す「ジェンダー」、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称である「LGBTQ」についての言及は一般的になってきていますが、現在でもジェンダーフリーや性的マイノリティの自由は十分に実現されていません。こうした課題に芸術が関与し、社会が自由を獲得するためのプロセスについて考えます。
第12回[オンライン/online]:現代社会の課題と美術3
環境問題と美術
私たちは古くから自然を観察して芸術作品の主題としてきました。また自然主義の考え方やランドアートの試みなど、自然から多くのヒントを得ています。近年、地球の温暖化などの環境問題を身近な出来事と捉え始めています。アートを起点とした環境問題へのアプローチを考察します。
第13回[オンライン/online]:現代社会の課題と美術4
感染症パンデミックの時代
2020年以降、私たちは新型コロナウィルス感染症拡大の中で生活をしています。私たちにとってパンデミックは現在最も関心のあるテーマでですが、過去にも天然痘、ペスト、スペイン風邪、エイズなどが世界中に大きな打撃を与えました。感染症の起こす社会的課題と各時代のアートが感染症をどのように表してきたのかを関連づけて学びます。
第14回[オンライン/online]:ワークショップ3
現代社会と芸術表現
14回の講義について振り返り、芸術と社会の問題についてディスカッションをします。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
Google siteで配信する授業コンテンツには、学習を深めるためのウェブサイトのリンクが多く紹介されていますので、興味のあるものについては閲覧することをおすすめします。。また、大学の近くには美術館やギャラリーが多くあります。新型コロナウィルスの感染状況にもよりますが、可能であれば企画展、常設展などの展覧会などを多く鑑賞してください。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
Google siteを通じて授業に必要な資料を配布します。いくつか参考書を紹介しますので、それらのうち少なくとも一冊を選んで購読することを勧めます。また各分野の研究に関して必要となる資料についてはその都度紹介します。
参考書References
山本浩貴『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』中央公論新社、2019年
デイヴィッド・コッティントン(著者)、松井 裕美(翻訳)『現代アート入門』名古屋大学出版会、2020年
『改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト』美術出版社、2014年
『続 西洋・日本美術史の基本』美術出版社、2016年
『新・アートの裏側を知るキーワード』美術出版社、2022年
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価については、平常点(授業への取り組み)、課題とレポートの合計で行います。取り組みの実験性、積極性を重視します。採点比率は以下の通りです。
1. 平常点(50%)
2. 課題とレポート(50%)
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
ワークショップではスケッチによるプランや写真作品など簡単な実践に取り組みますが、受講される皆さんは例年課題について積極的に取り組まれているようです。楽しく解りやすい授業を心がけたいと思います。