キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies
EDU500M1-1304(教育学 / Education 500)教育社会学Sociology of Education
筒井 美紀Miki TSUTSUI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X8012 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木6/Thu.6,木7/Thu.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
プログラム科目 キャリア教育・発達プログラム |
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Outline (in English)
What does it to mean "do the sociology of education"? In this class the students are to master the basic skills of the sociology of education. Before each class meeting, students will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text and written some comments. Your required study time is at least one hour for each
class meeting. Grading is based on the assignment 40%, presentation 20%, in-class contribution 30%, and proposal of master thesis 10%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
学校の専有物でもなければ、教員のみがなす行為でもない、社会の至るところで観察される「教育」という現象を「社会学する」とは、どういう動作をやり抜くことなのか? このクラスでは、その基礎を徹底的にマスターする。「“論文の神様”はいつ降りてくるのか?」…そんな話もする。
到達目標Goal
ゴールは3つ。第1に、教育に関するさまざまな「常識」を問い直し、知的に新鮮な仮説を設定し、深く調べ尽くし、それを論理性・説得力を持たせて言語化するという一連の動作ができるようになること。第2に、学術論文が如何に組み立てられているのか、それを頭と身体で習得すること。第3に、歪み・軋みが生じ大変な事態にある日本社会の、教育・福祉・労働をはじめとしたさまざまな領域を、一体どのように再創造していけばよいだろうか?について脳ミソを絞り、自分自身のスタンスを確立する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
【授業形態】
・zoomによるリアルタイム授業で実施します。
【授業の進め方:到達目標との関連】
第1のゴールについては、まずは筒井(2015, 2020)によって「大学院で学び研究する」動作に入るウォーミングアップをする。第2・第3のゴールについては、伊藤(2009)をはじめ、教育社会学、教育学、社会政策学などの論文を読み込んでいく。毎回全員が予習として「要約」and/or「コメント」を書いて学習支援システムに提出のうえ、オンラインの「授業に参加」する。毎回発表当番2人制とし、議論する。学生同士で議論したあと、教員が最後にフィードバックする。提出レジュメにはコメントを返す。
★詳細については学習支援システム掲載の文書を参照のこと。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:イントロダクション
「他己」紹介/このクラスの進み方/発表当番決め
2[オンライン/online]:学術論文とは何か
「学術論文7つの構成要素」(筒井オリジナル)を理解する
3[オンライン/online]:筒井(2015, 2020)
社会人院生が陥りやすい落とし穴を自覚する。社会科学の礎石的概念を知る
4[オンライン/online]:支援の逆説性(奥田知志)
「支援」と「教育」は違うのか
5[オンライン/online]:伊藤(2009)の要約
要約を通した「学術論文7つの構成要素」の習得
6[オンライン/online]:伊藤(2009)の議論
質的研究のイメージをつかむ
7[オンライン/online]:吉田(2007)の要約
要約を通した「学術論文7つの構成要素」の徹底
8[オンライン/online]:吉田(2007)の議論
依拠する理論的枠組みは何か
9[オンライン/online]:矢野(2016:1-15)①
マスコミ的教育論議から「社会的必要」の視点へ
10[オンライン/online]:矢野(2016:1-15)②
精神論・制度論・資源論
11[オンライン/online]:筒井(2022)の議論①
分析枠組みの設定とは何をすることか
12[オンライン/online]:筒井(2022)の議論②
先行研究の検討とは何をすることか
13[オンライン/online]:黒川(2018)の議論①
本書の面白さは何だと捉えたか
14[オンライン/online]:黒川(2018)の議論②
本書が学術研究たるには何が足りないか
15[オンライン/online]:黒川(2018)をふまえたワーク①
自分に欠けた知識の自覚とそのカバー
16[オンライン/online]:黒川(2018)をふまえたワーク②
記述の年表化と「知見」の分脈化
17[オンライン/online]:黒川(2018)をふまえたワーク③
知見を得ながら問いを洗練する
18[オンライン/online]:黒川(2018)をふまえたワーク④
問いを洗練し解明の重要性を深化させる
19[オンライン/online]:筒井(2016)の要約
歴史的(近過去)研究のイメージをつかむ
20[オンライン/online]:筒井(2016)の議論
近過去から現在を文脈化する
21[オンライン/online]:筒井(2016)の草稿を読んでの課題
論文は一筆書きでは書けないことを理解する
22[オンライン/online]:筒井(2016)の草稿を読んでの議論
査読者コメントの活かし方を学ぶ
23[オンライン/online]:修論執筆に関する修了生のレクチャー
修論研究と執筆に関する体験談を聴く
24[オンライン/online]:修論執筆に関する修了生とのディスカッション
修論研究と執筆に関し自由闊達に質問・議論する
25[オンライン/online]:卒論構想発表の予行演習①
<学術論文7つの構成要素>の①~⑤に沿って書て発表
26[オンライン/online]:卒論構想発表の予行演習②
<学術論文7つの構成要素>の①~⑤に沿って書て発表
27[オンライン/online]:卒論構想発表の予行演習③
<学術論文7つの構成要素>の①~⑤に沿って書て発表
28[オンライン/online]:卒論構想発表の予行演習④
<学術論文7つの構成要素>の①~⑤に沿って書て発表
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回全員が、要約and/orコメントを書く、あるいは課題をやって学習支援システムの「掲示板」に表示された各回の箇所に提出すること。
#25~28は卒論構想発表の練習。現時点で持てる材料でよいから、挑戦してみる。
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・伊藤秀樹2009「不登校経験者への登校支援とその課題」『教育社会学研究』第84集:pp.207-225.
・黒川祥子(2018)『県立! 再チャレンジ高校』講談社現代新書
・筒井美紀(2016)「大阪府における地域雇用政策の生成に関する歴史的文脈の分析――就労困難者支援の体系化に対する総評労働運動の影響――」『日本労働社会学会年報』第27号 pp.107-131.
・筒井美紀(2022)「『豊中市来談者調査』の狙いと分析枠組み」『社会政策』14(2), pp.47-57.
・筒井美紀(2020)「暗黙知化されている社会科学の概念的礎石についての解説」『生涯学習とキャリアデザイン』18(1): 31-34.
*その他の文献含む全文献は学習支援システム「教材」にアップ済み。
参考書References
筒井美紀(2016)『自分の殻を突き破るキャリアデザイン――就活・将来の思い込みを解いて自由に生きる』有斐閣
成績評価の方法と基準Grading criteria
・予習課題の出来具合:40%(未提出の場合は減点)
・報告当番:20%(社会学的思考・社会学の諸概念の理解とコメントの質)
・平常点:30%(発言:質…社会学的思考、社会学の諸概念の理解)
・卒論構想発表:10%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
上記の予習は多少しんどいかと思いますが、簡単なコメントを入れてできるだけ早く返却できるようと努めます。
その他の重要事項Others
「知識や理論を増やして、あとはそれを応用すれば調査ができ論文が書ける」という、多くの大学院生が陥る誤解の払拭に、まず全力を注ぎます。そのため「書いては議論し、議論しては書く」ことを重視しています。かくして、授業は極めて実践的です。
担当教員の専攻分野等
<専門領域> 教育社会学、労働社会学
<研究テーマ> 自治体や国、NPOの就労支援、学校から職業への移行、労働教育
<主要研究業績>
・Tsutsui, Miki and Shuhei Naka (2022) "The Challenges of activation policies in Japan and their local dimension" in Yuri Kazepov et al eds., Handbook of Urban Social Policies. International perspectives on multilevel governance and local welfare. Elgar., pp.429-446
・筒井美紀(2022)「労働需要側に向けた積極的労働市場政策に関する研究の欧州における展開」『社会政策』13(3) pp.150-157.
・筒井美紀(2021)「加賀ワークチャレンジ事業(加賀WCP)の概要と分析枠組み」『社会政策』13(1) pp.63-73.
・筒井美紀(2020)「『つながり』を創る学校の機能-『人的資本アプローチ』と『地域内蔵アプローチ』」『社会政策』12(1), pp.55-67.
・筒井美紀(2018)「新規高卒採用に関する企業の認知と行為--定点観測的インタビューの分析から」JILPT編『新規高卒就職の現在』
・筒井美紀(2017)「『変容する産業・労働と教育の結びつき』へのアプローチ」『教育社会学のフロンティア1 学問としての展望と課題』日本教育社会学会編/本田由紀・中村高康責任編集,岩波書店,pp.275-294.
・筒井美紀(2016)『殻を突き破るキャリアデザイン--就活・将来の思い込みを解いて自由に生きる』有斐閣
・筒井美紀・櫻井純理・本田由紀編著(2014)『就労支援を問い直す--自治体と地域の取り組み』勁草書房
・遠藤公嗣・筒井美紀・山崎憲(2012)『仕事と暮らしを取りもどす――社会正義のアメリカ』岩波書店。(第2&3章執筆)
・J.フィッツジェラルド著、筒井・阿部・居郷訳(2008)『キャリアラダーとは何か』勁草書房。