経営学研究科Graduate School of Business Administration
ECN500F1-0140(経済学 / Economics 500)日本経済特論ⅡStudy in Japanese EconomyⅡ
平田 英明Hideaki HIRATA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学研究科Graduate School of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X7045 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木 3/ Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 学部主催「日本経済論Ⅱ」と合同 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 修士課程(昼間)授業科目 |
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Outline (in English)
This course provides an introduction to current economic issues of Japan and to basic macroeconomic principles and methods with a bunch of examples. I try to help you understand why they can be so very powerful. By January, you should be able to use the analysis taught in the course to form your own opinions about Japan's macroeconomic problems.
The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
Evaluation will be based on report assignments
Mid-term reports (2 times) 30% x 2
Final report (1 time) 40%
In addition, points may be given for reports on lectures and other related topics. In addition, students may be required to take a final examination instead of the final report assignment. Undergraduate students who attend lectures at the same time will be evaluated just by the final exam, so please do not get confused.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
世界的に有名な投資家のジム・ロジャースはインタビューで「長期的には(日本経済について)かなり悲観的だ。」「もし私がいま10歳の日本人ならば……この国を去ることを選ぶ」「いま10歳の日本人は、これからの人生で大惨事に見舞われるだろう」という衝撃的な発言しています。その一方で、毎年初に注目されるユーラシア・グループによる「世界10大リスク」の最新版では、日本経済に関する「リスク」は全く指摘されていません。日本経済は「(良い意味で)ヤバイ」のでしょうか、それとも「(悪い意味で)ヤバイ」のでしょうか。
海外との取引の拡大している中で日本の経済は影響をどのように受け、どのような影響を与えるのでしょうか。Covid-19の経済への影響は?ウクライナ戦争を受けた分断の下の諸政策の影響は?そして、これらの影響をどう分析すればいいのでしょうか。
皆さんは経営学部に所属していますから、将来、企業人として活躍されることを展望されていると思います。それならば、企業を取り巻く環境、つまり日本と世界の経済のポイントを押さえておく必要があることは自明だとご存じのはずです。あのアップルやユニクロであっても、経済情勢に経営は大きく影響されます。そして、上述のように、あいにく経済の見通しに関する見立てには"the answer(s)"があるわけではありません。ですから、自社の置かれた立場を踏まえて、自ら分析する能力が必要です。
この授業はなぜ様々な主張があり得るのか、その背後にある考え方を理解し、自らの力で日本の経済、世界の経済を俯瞰できる素養を身につけることを目的とします。
到達目標Goal
究極的には「企業経営者や企画戦略を練るような企業の中枢の人々が、経営的な視点から経済の何をみる(べきな)のか、どう見る(べきな)のか」について多角的に学生が理解できるようになることが目標です。大企業のトップのインタビュー等をみると、皆さんも彼らの日本経済の現況に関する理解度が極めて高いことがわかると思います。それは、自社の経営が日本経済ならびに世界経済の状況次第で大きく影響されるからに他なりません。
ただ、皆さんがそのような立場になるまでにはかなりの時間を要するでしょう。その意味では、目先の目標として「学生が経営学の各分野と日本経済の関わり方を理解できるようになる」ことも意識します。そもそも経営学は経済学から発展した学問分野であり、経営学の各分野は、全て何らかの形で日本経済と関わっています。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
今年度はオンデマンドと対面の組み合わせで授業を行います。正式な日程は学期始めに示します。オンデマンドは、スライドや資料を使った講義形式を軸とします。対面はアクティブラーニングを中心に行います。
授業の告知や資料等は、原則として全て「学習支援システム」を使って発信します。また、質問やコメントに関するフィードバックも「学習支援システム」を通じて行います。
例年、授業内で数回講演してもらっています(過去の登壇者の例:国会議員、政府・日銀の要人、実務家、学者など)。皆さんの意見も踏まえ、今年度は財務省の役人と医療スタートアップを手がける医師にご講演頂く予定です。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:授業説明
労働問題1
授業計画の紹介と5章について講義します。
2[オンライン/online]:労働問題2
5章の続きを講義します。
3[対面/face to face]:講演1(未定)
労働に関する問題について、財務省の役人にお話し頂きます。
4[対面/face to face]:労働問題GS
労働問題に関する資料を読み、グループを組んで議論を行います。
5[オンライン/online]:社会保障問題1
6章について講義します。
6[オンライン/online]:社会保障問題2
6章の続きを講義します。
7[対面/face to face]:社会保障問題GS
社会保障の問題に関する資料を読み、グループを組んで議論を行います。
8[オンライン/online]:金融の基本1
8章について講義します。
9[オンライン/online]:金融の基本2
8章の続きを講義します。
10[対面/face to face]:金融の基本GS
金融の基本関する資料を読み、グループを組んで議論を行います。
11[対面/face to face]:講演2(未定)
金融の実務家に、ご講演頂きます。
12[オンライン/online]:国際間の貿易1
9章について講義します。
13[対面/face to face]:国際間の貿易GS
国際貿易の問題に関する資料を読み、グループを組んで議論を行います。
14[対面/face to face]:秋学期の復習
秋学期の学習内容を振り返ります
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業内で配布するスライドや資料は、全て授業支援システム上に掲載予定です。予習を前提とはしません。代わりに学生の皆さんは復習に重点を置いてください。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
浅子・飯塚・篠塚『入門・日本経済』(有斐閣、2020)を必ず購入してください。旧版ではなく最新版の第6版を購入してください。
参考書References
新聞やレポート等を参考資料として紹介(授業支援システムに掲載)。
成績評価の方法と基準Grading criteria
レポート課題によって評価を行います
中間レポート課題(2回) 30% × 2
期末レポート課題(1回) 40%
更に講演に関するレポート等については加点をする場合があります。
また、期末レポート課題は、学部生も受験する期末試験を受けて頂
く可能性もあります。
なお、同時聴講する学部生は試験方式で評価を行うので、そちらと
混同しないようにしてください。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
成績評価の方式を複数用意し、多くの学生のニーズに応えられるようにしました。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンラインでのスタンダードな授業環境を用意してくれれば大丈夫です。
その他の重要事項Others
担当教員は、日本銀行における金融政策業務の経験を有します。また、国際通貨基金や世界銀行におけるコンサルタント業務の経験も有します。こういった実務的な経験を踏まえ、生きた経済事象の説明を心がけたいです。
担当教員の専門領域:マクロ経済学、経済統計
担当教員の研究テーマ:国際景気変動、オルタナティブデータと公的統計
担当教員の主要研究業績:
Choi, Yoonseok, Hideaki Hirata, and Sunghyun Henry Kim.
2017. “Tax Reform in Japan: Is It Welfare-enhancing?” Japan
and the World Economy, 42: 12-22.
Hirata, Hideaki, and Keisuke Otsu. 2016. “Accounting for the
economic relationship between Japan and the Asian Tigers.”
Journal of the Japanese and International Economies, 41: 57-
68.
Hirata, Hideaki. 2014. “Preference Shocks, International
Frictions, and International Business Cycles.” Journal of Asian
Economics, 34: 92-104.
Ono, Arito, Ryo Hasumi, and Hideaki Hirata. 2014.
“Differentiated Use of Small Business Credit Scoring by
Relationship Lenders and Transactional Lenders: Evidence
from Firm ‒ Bank Matched Data in Japan.” Journal of
Banking & Finance, 42: 371 ‒ 380.
Hasumi, Ryo, and Hideaki Hirata. 2014. “Small Business
Credit Scoring and Its Pitfalls: Evidence from Japan.” Journal
of Small Business Management, 52 (3): 555-568.
Yamamoto, Ryuichi, and Hideaki Hirata. 2013. “Strategy
Switching in the Japanese Stock Market.” Journal of Economic
Dynamics and Control, 37 (10): 2010 ‒ 2022.
関連科目
Ⅰ、Ⅱを連続履修することを薦めます。金融論、ファイナンス入門、国際経済学、国際金融特論、産業組織論等が関連科目ではあり
ますが、事前履修は必須ではありません。