経営学研究科Graduate School of Business Administration
ECN500F1-0172(経済学 / Economics 500)産業組織論ⅡIndustrial OrganizationⅡ
大木 良子Ryoko OOKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学研究科Graduate School of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X7043 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他 intensive ・ other courses |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 学部主催「産業組織論Ⅱ」と合同 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 修士課程(昼間)授業科目 |
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Outline (in English)
This course provides an introduction to Industrial Organization. The course introduces a broad range of topics in the theoretical Industrial Organization. Students will learn the firm behavior and its consequences in oligopolistic markets where the assumptions of perfect competition do not hold. Topics include the pricing and marketing strategies of individual firms in monopoly and oligopoly; price discrimination, product differentiation, vertical constraints, merger, and platform strategies.
Studying Industrial Organization will help you to understand how markets work in a logical way and to obtain a new perspective on firms' behaviors.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four
hours to understand the course content.
Final grade will be calculated based on term-end examination (65%) and
homework (20%) and mid-term exam (15%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
経済学のモノの見方を通して、企業の意思決定や産業の構造について考察する方法を学ぶ。普段目にする価格付けや、製品の差別化、企業間の合併や契約などについて、経済学の分析手法を用いてそのメカニズムを整理し、市場競争に与える影響を明らかする力をつけることを目指す。
具体的には、寡占競争、製品差別化、価格差別、垂直的な取引契約、合併など産業組織論の各トピックをミクロ経済学の理論を道具として分析し、それに対応する現実の事例について、理論分析の結果と現実との一致や相違点について考察する。
Ⅱでは、春学期の産業組織論Ⅰで学んだ内容を前提とし、製品差別化や垂直的取引制限など現実的によく観察される企業の行動を経済学的に考察するツールを学ぶ。その中で競争政策上問題とされる行動について事例を通じて理解する。
到達目標Goal
産業組織論の基本的な考え方・モノの見方を自分のものにし、それを応用して具体的な企業や市場について自分の考えを論述することができるようになることを目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
経営学部「産業組織論Ⅰ」との共同開講授業である。
オンデマンド型オンライン授業として、全14回、YouTubeによる動画配信で授業を実施する。
全て講義形式で行い、講義にはスライドを用いる。授業内課題として、授業で学んだ理論を企業の事例に応用する問題や、理論的な理解を問う問題を出題し、それを宿題として提出することにより、各回の講義内容の理解を深める。
学習内容の確認のために、オンラインでの中間試験、また学部生と同じ期末試験を同じ日時に行う。
学習支援システムの掲示板やオフィスアワーを活用して、随時、受講者とインタラクションを持つ機会を確保する。大学院生のみ対象とした課題の提出が求められる。また必要に応じて大学院生のみを対象とした補講を実施する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:イントロダクション
近年競争政策上問題となった事例の紹介
2[オンライン/online]:競争政策の復習
競争政策と産業組織論の関係について、春学期に学習した内容を概観し、秋学期の内容の位置づけを確認する。
3[オンライン/online]:製品差別化と競争(1)
差別化の源泉は何か?(立地、ブランド)
4[オンライン/online]:製品差別化と競争(2)
垂直的な製品差別化の経済モデルの紹介
5[オンライン/online]:製品差別化と競争(3)
水平的な製品差別化の経済モデルの紹介
6[オンライン/online]:参入と退出・参入阻止
市場における企業の数はどのように決まるのか?
参入阻止と市場競争との関係
参入阻止を可能にする企業の戦略
7[オンライン/online]:合併
合併の経済モデルの紹介、合併が市場競争に与える影響
8[オンライン/online]:中間試験
これまで学習した経済理論について計算問題・論述問題を出題。試験終了後解説を行う
9[オンライン/online]:垂直的取引制限(1)
垂直的取引制限とはなにか?競争政策上問題とされる具体的な事例の紹介
10[オンライン/online]:垂直的取引制限(2)
様々な垂直的取引制限と市場競争との関係を理論分析する
11[オンライン/online]:研究開発と特許
技術開発・特許制度と市場競争との関係
12[オンライン/online]:ネットワーク外部性(1)
ネットワーク外部性の定義とそれらが見られる具体的な市場の紹介(検索エンジンやSNSのビジネスモデル)
13[オンライン/online]:ネットワーク外部性(2)
プラットフォーム間競争と競争政策、最近の事例の紹介
14[オンライン/online]:事例研究
これまでの学習内容を最近の競争政策上問題とされた企業の事例を用いて考察する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
中間試験・期末試験を念頭に、授業後の復習が必要です。各トピックに応じて紹介する参考文献での自主学習も期待しています。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特になし
参考書References
講義中に以下の参考書の該当箇所を適宜紹介します。自主的に読むことで一層の学習効果が期待できます。
『産業組織とビジネスの経済学』花薗誠著 有斐閣 2018年
『ミクロ経済学』伊藤元重著、 日本評論社、2018年
『入門 ゲーム理論と情報の経済学』神戸伸輔著、日本評論社、2004年
『プラクティカル 産業組織論』泉田・柳川著、有斐閣アルマ、2013年
『産業組織の経済学 第2版』長岡・平尾著、日本評論社、2013年
『イノベーション時代の競争政策』小田切宏之著、有斐閣、2016年
『競争政策論 第2版』小田切宏之著、日本評論社、2017年
『経営の経済学 第3版』丸山雅祥著、有斐閣、2017年
成績評価の方法と基準Grading criteria
宿題20% (大学院生のみを対象とした課題を含む)
中間試験15%
期末試験65%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講生のレベルや関心に合わせ、授業内容の難易度やスピード、扱うトピックを調整していきます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業動画のURL、関連するスライド等の資料や、宿題、中間試験、期末試験等の重要なお知らせは、学習支援システムに掲載します。
宿題も、学習支援システムを通じて提出して頂きます。
また、学習支援システムを通じて、大学院生のみを対象とした課題や補講についての連絡を行うので、必ずチェックしてください。
学習支援システムへの頻繁なアクセスや、オンラインでの宿題の提出が出来る環境が必要になります。
その他の重要事項Others
ミクロ経済学について基本的な知識を習得していること、または同時に履修して学習していることを受講の前提とします。
産業組織論ⅠとⅡは密接に関係しているので、産業組織論の全体を理解するためにも、連続した履修を強く薦めます。(春学期のⅠの内容を前提として秋学期のⅡが進められます。Ⅰを履修せずⅡを履修する場合は、関連する箇所については自習によってキャッチアップしてください)
関連科目
ミクロ経済論Ⅰ/Ⅱ
担当教員の専門分野等
<専門領域> 競争政策の経済分析
<研究テーマ> プラットフォーム市場におけるマルチホーミング
と競争との関係
<主要研究業績>
Exclusive Content in Two-sided Markets, Journal of Economics
and Management Strategy, (with Akifumi Ishihara) Volume 30,
Issue 3, Fall 2021, pp. 638-654.