経営学研究科Graduate School of Business Administration
MAN500F1－0152（経営学 / Management 500）人的資源管理特論ⅡStudy in Human Resource ManagementⅡ
藤本 真Makoto FUJIMOTO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学研究科Graduate School of Business Administration |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | X7010 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 水 5/ Wed.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 修士課程（昼間）授業科目 |
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Outline (in English)
【Outline】
Students will learn the basic concept of human resource management practiced by Japanese companies and discuss their characteristics through international comparison with overseas companies and systems.
The topics covered in this class are recruitment, placement/transfer, evaluation, wage system, human resource development, working time management, industrial relations, diversification of human resources, retirement, and so on. Participants are required to understand the main issues on these topics, and to report and discuss examples and papers corresponding to each topic.
Through these learning activities, the goal is for participants to acquire the ability to think about the current status and issues of human resource management.
【Learning Objectives】
By the end of the course, students should be able to do the followings:
(1) To understand the breadth of the subject area of human resource management theory and its basic concepts.
(2) To understand the basic theories and discussions on individual areas of human resource management.
(3) To understand and evaluate the particularities of human resource management in Japanese companies.
(4) To gain a perspective from which to examine familiar human resource management case studies.
(5) To gain a viewpoint from which to critically examine papers related to human resource management.
(6) To obtain hints for research themes for master's thesis.
【Learning activities outside of classroom)】
Before each class meeting, students are expected to do the followings. Your required study time is at least two hours for each class meeting.
(1) Students are expected to read carefully the lecture resume distributed in advance.
(2) International students should be prepared to discuss the differences between the system and the actual situation in their home countries and the future issues.
(3) Participants who are appointed to give a presentation in each session should prepare a resume summarizing the contents of the presentation topic.
【Grading Criteria /Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following
Short reports: 30% and in-class contribution：70%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
日本の企業が実践する人的資源管理の基本的な考え方を学び、その特殊性（海外の企業及び制度との国際比較）について議論していきます。
取り上げるテーマは、人材の募集・採用、人材の配置・異動、評価・賃金制度、能力開発、労働時間管理、労使関係管理、人材の多様化管理（非正規化・国際化）、退職・解雇などです。これらの領域について現状と歴史、主要な議論を把握するとともに、参加者は、各領域に対応するケースや論文を取りまとめ、その構造や課題について報告・議論します。
こうした学習活動を通じ、人的資源管理にかかわる理論や議論をふまえて、人的資源管理の現状や課題について考える力を身につけることを目標としています。
到達目標Goal
①人的資源管理論の対象領域の広がりと基本的な考え方を知る。
②人的資源管理の個別分野に関する基礎的な理論や議論を理解する。
③そのうえで、日本企業における人的資源管理の特殊性について理解・評価する。
④身近な人的資源管理の事例について考察する視点を得る。
⑤人的資源管理に関連する論文について批判的に検討する視点を得る。
⑥修士論文等で研究するテーマについてのヒントを得る。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
１．本授業は、対面型授業として、実施します。
２．授業は、①人的資源管理の各領域に関する基本的な考え方や、議論の動向についての講義と、②参加者による課題についての報告・ディスカッション、とを組み合わせて進める予定です。毎回、講義形式の部分に加えて、参加者に深く考え、発言してもらう機会を設けます。報告・議論の準備が課題となります。
３．およそのスケジュールは授業計画のとおりです。ただし、各テーマの授業時間の配分等については、参加者の関心に応じて柔軟に変更する可能性があります。また、順序を適宜、入れ替えることがあります。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション
授業の目的、取り上げるテーマ、進め方についての説明
第2回[対面/face to face]：オリエンテーション
参加者の問題関心の共有と、人的資源管理の基本枠組みについての説明
第3回[対面/face to face]：採用のマネジメント
採用の目的、採用管理の基本、新卒採用・中途採用の意義、採用と定着
第4回[対面/face to face]：配置と異動
配置・異動の目的、初任配置、企業を超えた配転
第5回[対面/face to face]：昇進と昇格
昇進管理の目的、昇進における「選抜」「育成」「動機づけ」の関係、社員の格付け、昇格と昇進
第6回[対面/face to face]：多様な雇用・就業形態の活用
正社員以外の雇用・就業形態で働く人々の配置と処遇、「同一労働・同一賃金」に向けた取り組み
第7回[対面/face to face]：働く時間のマネジメント
労働時間管理の基本的枠組み、長時間労働・「サービス残業」の背景、ワーク・ライフ・バランス
第8回[対面/face to face]：仕事ぶりの評価
人事評価の目的・方法、様々な評価要素（コンピテンシーなど）、人事評価に伴う課題
第9回[対面/face to face]：賃金管理(１)－賃金決定と福利厚生の枠組み－
賃金の基本的な枠組み、賃金がもつ機能、賃金の総額管理と個別賃金管理、福利厚生
第10回[対面/face to face]：賃金管理(２)－様々な給与形態－
「年功主義的」賃金の成立過程と課題、近年における評価・賃金制度の模索と課題
第11回[対面/face to face]：能力開発とキャリア形成のマネジメント(１)
仕事上の能力開発の目的、能力開発の方法、能力開発とキャリア形成・管理
第12回[対面/face to face]：能力開発とキャリア形成のマネジメント(２)
配置・異動とキャリア形成、「新しい」異動の仕組みと課題、「キャリア自律」に向けた取組み
第13回[対面/face to face]：女性の仕事とキャリア形成
女性の採用・配置・処遇の現状、性別職域分離とその解消に向けた取組み
第14回[対面/face to face]：退職のマネジメント
退職管理、早期退職優遇制度、定年制、「70歳までの雇用・就業」に向けての取組み
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各1時間を標準とします。
各回の事前に配布する講義用のレジュメを熟読しておくこと。特に、留学生の参加者は、自国の制度・実態との差異と今後の課題について、意見・議論できるように準備しておくこと。
また、各回で発表の指名を受けた参加者は、発表課題について内容をまとめたレジュメを作成しておくこと。
テキスト（教科書）Textbooks
講義全般を通じての基本テキストは特には指定しません。各回の授業の前に、講義で用いるレジュメを配布します。
参考書References
各回のテーマによって、以下の文献を参考文献として使用します。
①今野浩一郎、佐藤博樹[2020]『人事管理入門（第3版）』，日本経済新聞社．
②佐藤博樹、藤村博之、八代充史[2019]『新しい人事労務管理（第6版）』，有斐閣．
③平野光俊、江夏幾多郎[2018]『人事管理～人と企業，ともに活きるために』，有斐閣ストゥディア．
④守屋貴司・中村艶子・橋場俊展編著[2018]『価値創発(EVP)時代の人的資源管理』，ミネルヴァ書房．
⑤八代充史[2019]『人的資源管理論～理論と制度(第3版)』,中央経済社.
⑥上林千恵子編著[2012]『よくわかる産業社会学』,ミネルヴァ書房．
成績評価の方法と基準Grading criteria
１．第２回以降の出席を「授業における学習姿勢」として評価(40%)
２．報告の担当回での報告内容の評価(30%)
３．授業における議論への参加の評価：内容、積極性を評価(30%)
以上の３項目を総合して、最終的な評価を行います。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
１．人的資源管理とは、「①社会環境上の、または組織における様々な制約条件のもと、②人材と仕事・役割をマッチングしつつ、③個々の人材がパフォーマンスを発揮できるように取り組み、④組織としてのパフォーマンスを挙げる」ための営みと、捉えることができます。授業の中では、各回のテーマに沿う形で、この①～④の要素についての理解が進むように、講義で話題提供と問題提起を行い、報告・ディスカッションを通じて、検討を行っていきます。
２．この授業は、海外から進学してきた大学院生が多く履修しているため、日本企業の人的資源管理についての理解を深めるとともに、海外企業と日本企業との共通点や違いがなぜ生まれるのかについて、考察できる機会にしていきたいと考えています。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞
産業社会学、人的資源管理論
＜研究テーマ＞
①環境変化のもとでの日本企業における能力開発活動、キャリア管理
②中小企業セクターで働く人々の意識とキャリア形成に向けての活動
③転職・中途採用と能力開発・キャリア形成
④能力開発、労働市場に関する社会的インフラ（公共職業訓練制度、資格・検定制度など）の機能
＜主要研究業績＞
（書籍）
○労働政策研究・研修機構編[2012]『中小企業における人材育成・能力開発』(共著),労働政策研究・研修機構．
○藤本真・佐野嘉秀・高見具広・山口塁[2017]『日本企業における人材育成・能力開発・キャリア管理』,労働政策研究・研修機構．
○梅崎修・池田心豪・藤本真編著[2019]『労働・職場調査ガイドブック』,中央経済社.
〇藤本真・田中秀樹・清原悠［2022］『ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成』,労働政策研究・研修機構.
（論文）
○藤本真・大木栄一[2010]「ものづくり現場における技能者育成方法の変化―「OJT中心・Off-JT補完型」から「OJT・Off-JT併用型」へ」, 日本労働研究雑誌No.595．
○藤本真[2011]「60歳以降の勤続をめぐる実態―企業による継続雇用の取組みと高齢労働者の意識・行動」,日本労働研究雑誌No.616．
○藤本真[2018]「「キャリア自律」はどんな企業で進められるのか」, 日本労働研究雑誌No.691．