キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies
SOC200MA(社会学 / Sociology 200)多文化社会論ⅢMulti-Cultural Society III
挽地 康彦Yasuhiko HIKICHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C7326 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | オンライン/online |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(新)Category (2019) |
展開科目 選択必修(領域別) ライフ |
カテゴリー(旧)Category (2017) |
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Outline (in English)
The purpose of this course is to critically examine multiculturalism, which was once positioned as a guideline for a multiethnic and multicultural society, and to examine new findings such as "interculturalism" and "multinaturalism" that have been raised since then. Multiculturalism, which recognizes cultural diversity and equality of values, and advocates respect for each other's identity, was the spirit of integration policies in democratic countries, but intolerance and exclusion of others became widespread in Western society, and multiculturalism was recognized as a failure. Why has multiculturalism stalled? What were the factors that led to the regression of social integration through multiculturalism? And what ideas are being proposed today to overcome multiculturalism? In this course, we will discuss the above perspectives, and also consider "multicultural conviviality," which is the Japanese version of multiculturalism.
Learning Objectives:
Based on the historical and social background of the rise and fall of multiculturalism, students will first understand the relationship between (1) multiculturalism and related concepts, and then (2) the mechanisms and factors that led to the failure of multiculturalism in multi-ethnic and multicultural societies from multiple perspectives. In addition, the course aims to provide students with an understanding of (3) the ideological trends of post-multiculturalism.
Learning activities outside of classroom:
Before/after each class meeting, students will be expected to spend two hours to understand the course content.
Grading Criteria /Policies:
Final grade will be calculated according to the following process Mid-term examination(30%) and term-end report(70%).
The term-end report assignment will be given approximately one month before the due date. The following three criteria will be used in the evaluation of the report (1) whether it is based on the contents of the class, (2) whether the student has a correct understanding of the knowledge acquired, and (3) whether the report is written from the perspective of understanding others, rather than from a self-righteous logical perspective.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では、かつて多民族・多文化社会の指針として位置づけられた「多文化主義」(multiculturalism)について批判的に検討し、その後に提起された「間文化主義」や「多自然主義」などの新たな知見を吟味することを目的とする。文化の多様性と価値の平等を認め、互いのアイデンティティの尊重を唱える多文化主義は、民主主義国家における統合政策の精神であったが、西洋社会では他者への不寛容と排斥が蔓延し、多文化主義は失敗したと認識された。多文化主義はなぜ行き詰まったのか。多文化主義による社会統合を後退させた要因は何だったのか。そして多文化主義を乗り越えるために、今日どのような考え方が提起されているのか。授業では、上記の観点をめぐって議論しながら、日本版多文化主義でもある「多文化共生」についても、あわせて考察する。
到達目標Goal
多文化主義の盛衰をめぐる歴史的・社会的な背景を踏まえながら、まずは、①多文化主義とそれに関連する諸概念との関係性を理解し、つぎに②多民族・多文化社会において多文化主義が失速するに至ったメカニズムと要因を多角的に捉えられるようになることが求められる。そのうえで、③ポスト多文化主義の思想的潮流についての知見を習得することをめざす。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デイプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業形態は同時双方向型のオンライン授業(Zoom)となり、授業資料をデータ(PDF)で配信しながら進める。
ZoomのURLとパスコードは、以下のとおりです。
https://hosei-ac-jp.zoom.us/j/81573922985?pwd=VmpkemtZWVVzNXFvL1hJVmV0Z1pRUT09
ミーティングID: 815 7392 2985
パスコード: 004025
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス
授業方針の確認と問題提起
第2回[オンライン/online]:欧州移民政策の変遷①
20世紀後半以降におけるヨーロッパの移民政策を概観し、多民族・多文化が浸透していく社会的背景について学ぶ。
第3回[オンライン/online]:欧州移民政策の変遷②
20世紀後半以降におけるヨーロッパの移民政策を概観し、多民族・多文化が浸透していく社会的背景について学ぶ。
第4回[オンライン/online]:エスニック・リバイバル①
移民国アメリカの公民権運動以降の人種やエスニシティをめぐる議論と政策の展開について、ヨーロッパの経験と比較する。
第5回[オンライン/online]:エスニック・リバイバル②
移民国アメリカの公民権運動以降の人種やエスニシティをめぐる議論と政策の展開について、ヨーロッパの経験と比較する。
第6回[オンライン/online]:多文化主義の盛衰
多文化主義の諸特徴と意義、その台頭から後退までの経緯について共有する。
第7回[オンライン/online]:多文化社会の構成原理
同化主義、文化多元主義、文化相対主義などの諸概念を多文化社会の構成原理として分類しながら、多文化主義との関係を整理する。
第8回[オンライン/online]:多文化主義論争①
多文化主義に内在する困難性を、文化的固有性と普遍的価値の間のジレンマ(多文化主義と普遍主義の対立)の観点から概説する。
第9回[オンライン/online]:多文化主義論争②
多文化主義に内在する困難性を、文化的差異と分離・分裂の間のジレンマ(多文化主義と分離主義の対立)の観点から概説する。
第10回[オンライン/online]:多文化主義論争③
多文化主義に内在する困難性を、文化的共同体と個人の自由の間のジレンマ(多文化主義と個人主義の対立)の観点から概説する。
第11回[オンライン/online]:日本における多文化共生①
日本が移民国家へ転換するなかで、いかなる目的で「多文化共生」が唱導されたのかを、欧米社会の多文化主義と比較しながら確認する。
第12回[オンライン/online]:日本における多文化共生②
日本の多文化共生が空虚なスローガンで終始している問題点を、90年代以降の入管行政や日本型排外主義との関係から考察する。
第13回[オンライン/online]:ポスト多文化主義
多文化主義を批判的に乗り越えるための契機として、間文化主義、ノマディズム、コスモポリタニズム、多自然主義などの思潮を検討する。
第14回[オンライン/online]:まとめ
「要塞化」するホスト社会と「破局」に直面する難民との間にある諸問題について示唆する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業内容を理解するために、各授業回のテーマに関する情報収集などの準備学習に2時間、授業後に関連文献の読解など復習時間に2時間を必要とする。
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定しない。授業回に応じてレジュメや資料を配信する。
参考書References
参考・参照すべき文献は複数に上るため、授業の中で適宜紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業内容の理解度を測るために学期半ばで行う小テスト(30%)と、学期末に提出する課題レポートの内容で評価する(70%)。
学期末レポートの課題は、提出期限の約1カ月前に指示する。レポート評価の基準は、以下の3つに設定する(①授業内容を踏まえているか、②習得した知見について正しく理解しているか、③独善的な論理展開でなく他者理解の観点から論述されているか)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業内容の理解に不安を覚える学生がいることから、今年度の授業では学期半ばに小テストを実施して理解度を確認する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・パソコン(カメラ付き)
・インターネット接続が可能な環境
・パソコンがどうしても用意できない場合は、スマートフォンにzoomのアプ
リをインストールしておくこと。
その他の重要事項Others
・本授業はZoomを用いたオンライン形式で行う。
・初回の授業は、4月11日(火)3限(13:10 ~ 14:50)となる。
・各授業のなかで質疑応答の時間を設ける予定である。