キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies
ECN200MA(経済学 / Economics 200)産業論Industrial Studies
青木 成樹Shigeki AOKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C7278 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | S505 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(新)Category (2019) |
展開科目 選択必修(領域別) ビジネス |
カテゴリー(旧)Category (2017) |
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Outline (in English)
<Course outline>
I think there are two main meanings for you to graduate from university and work. One is to supply one's own labor force, get wages and salaries as compensation, and use it as a means of living. The other is that one's labor creates new value in society through activities such as companies. Working is meaningful to individuals, businesses, and society.
In this class, you will learn about Japanese industry, which is the foundation where your labor force creates new value, from various perspectives such as (1) the overall picture and changes in the industrial structure, (2) the characteristics and changes of major industries, and (3) the characteristics of major companies.
<Learning Objectives>
Through this class, we aim to improve understanding of the following five points.
①Quantitative understanding of changes in Japan's industrial structure
②Understand the factors that have a great impact on Japan's industrial structure
③Understand "major industries" from macro and micro perspectives, such as trends in the entire industry and trends in major companies.
④Understand the interdependence between manufacturing (manufacturing) and services in Japanese industry.
⑤Understand the meaning and significance of innovation
<Learning activities outside of classroom>
In order to study this lecture effectively, I think it will be quick to understand if you are interested in the mechanism of the economy.In addition, the standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
<Grading Criteria/Policy>
Normal point 50%,Term-end examination 50%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
皆さんが大学を卒業し、働くことには大きく2つの意味があると思います。一つは、自分の労働力を供給し、その対価としての賃金・給与を得て、生活の手段とすることです。もう一つは、自分の労働力が企業などの活動を通して社会に新たな価値を創出することです。働くことは、個人にとって、企業にとって、そして社会にとって意味のあることです。
本授業では、皆さんの労働力が新たな価値を生む出す土俵である日本の産業について、①産業構造の全体像と変化、②主要産業の特徴・変化や③主要企業の特徴等、多様な観点から学びます。
到達目標Goal
本授業を通して、以下の5点について理解を高めることを目標とする。
①我が国の産業構造の変化について定量的に理解できる
②我が国の産業構造に大きな影響を与える要因が理解できる
③「主要産業」について産業全体の動向と主要企業の動向というマクロとミクロの視点からの理解ができる
④我が国産業におけるモノづくり(製造業)とサービスの相互依存性に関する理解ができる
⑤イノベーションの意味と意義の理解ができる
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デイプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
産業論は、マクロ経済(一国の経済動向)とミクロ経済(企業や消費者の経済行動)の中間に位置する学問領域である。授業については、毎回のテーマに沿って、パワーポイント資料で説明する。全14回の講義内容は大きく4つに分けて行う。最初の3回(第1回~第3回)では、戦後の我が国産業構造の変遷や今後の産業構造に影響を与えるソーシャルトレンドについて学ぶ。次の3回(第4回~第6回)では、世界的な分析ルーツである「産業連関表」を用いて日本及び地域の産業構造を定量的に把握・分析する。次の4回(第7回~第10回)では、我が国の主要な産業分野について、当該分野の動向や主要企業の動向について学ぶ。次の3回(第11回~第13回)は、イノベーションについて学ぶ。そして最後の14回は全体のまとめとする。
なお、学生からの質問に対しては、授業各回の最後に時間を設けQ&Aに充てる(対面型の場合)、もしくはメールでの出席確認の際、質問も取り入れ、メールで返答する形(オンラインの場合)とし、学生との対話に努める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:ガイダンス、我が国の産業構造の特徴
我が国の産業の見方について学ぶ。また、戦後の我が国の産業の変化について概観する。
なお、第1回の授業はオンラインで実施する。
2[対面/face to face]:少子高齢化、情報化
我が国の産業に影響を与える諸要因のうち、人口構造(少子高齢化)と情報化を取り上げ、その意味や我が国産業構造への具体的な影響について学ぶ。
3[対面/face to face]:グローバル化
我が国の産業に影響を与えるもう一つの大きな要素であるグローバル化を取り上げ、その意味や我が国産業構造への具体的な影響について学ぶ。
4[対面/face to face]:産業連関分析の概要
産業についての国際的な分析ツールである産業連関表(Input-Output Tables)について学ぶ。
5[対面/face to face]:産業連関表から地域の特徴ある産業の抽出
令和元年に公表された「平成27年産業連関表」の概要を学ぶととともに、都道府県表を活用し、地域の比較優位産業の抽出方法について学ぶ。
6[対面/face to face]:経済波及効果の分析
産業連関表の応用として最も代表的な「経済波及効果」について、理論と実践、及び具体例を学ぶ。
7[対面/face to face]:主要産業の動向(農業)
グローバル化の進展の中で、再び脚光を浴びている農業について、戦後の推移と最近の動向(農業の6次産業化、等)について学ぶ。
8[対面/face to face]:主要産業の動向(自動車産業)
戦後のリーディング産業である自動車製造業について、国際事業展開の動向、環境問題への取組、EV化の動きや競争力向上に向けた取り組み等を学ぶ。
9[対面/face to face]:主要産業の動向(電気機械産業)
自動車産業とともに戦後の我が国産業社会をけん引してきた電器産業について、20世紀末からの低迷と最近の復活の動向について学ぶ。
10[対面/face to face]:主要産業の動向(商業)
生活に密着した産業として商業、とりわけコンビニ業界の成長・発展と最近の動向について学ぶ。
11[対面/face to face]:イノベーションの概要
研究開発の成果やノウハウを製品化・商品化し、社会的課題の解決や生活の利便性を向上するという意味でのイノベーションの考え方や類型について学ぶ。
12[対面/face to face]:イノベーションの担い手
イノベーションの担い手として、特徴ある中小企業群やベンチャー企業を取り上げ、具体的な事例を学ぶ。
13[対面/face to face]:身近にあるイノベーション
我々の身の回りにあるイノベーションの代表的な事例として、AEDを取り上げ、多様な観点からその特徴を学ぶ。
14[対面/face to face]:まとめ
第1回から13回の各回における皆さんからの意見等も踏まえ、各テーマのポイントについて学ぶ。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本講義を効果的に学ぶためには、経済の仕組みについて関心をもって頂くと理解が早いと思います。また、本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
毎回レジュメ(PPT)を配布致します。
参考書References
以下、順不同(五十音順)
①入山章栄『世界標準の経営理論』 ダイヤモンド社(2019年)
②岩井克人『経済学の宇宙』日本経済新聞社(2015年)
③大竹文雄『行動経済学の使い方』岩波新書(2019年)
④経済産業省中小企業庁編『中小企業白書』各年版
⑤経済産業省・厚生労働省・文部科学省編『ものづくり白書』各年版
⑥小峰隆夫『人口負荷社会』日本経済新聞社(2010年)
⑦小室直樹『危機の構造』 ダイヤモンド社(1982年)
⑧H.チェスブロウ『オープンイノベーション』産業能率大学出版部(2004年)
⑨冨山和彦『なぜローカル経済から日本は甦るのか』PHP新書(2014年)
⑩中沢孝夫・藤本隆宏・新宅二郎『ものづくりの反撃』ちくま新書(2016年)
⑪中村良平 『まちづくり構造改革』日本加除出版(2014年)
⑫中室・津川『「原因と結果」の経済学』 ダイヤモンド社(2017年)
⑬西山圭太『DXの思考法』文芸春秋(2021年)
⑭日本経済新聞社編『日経業界地図』(毎年8月発刊)
⑮原文人『「公益」資本主義』文春新書(2017年)
⑯牧兼充 『イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学』 東洋経済新報社 (2022年)
⑰宮川努『生産性とは何かー日本経済の活力を問いなおす』ちくま新書(2018年)
⑱三宅秀道『新しい市場のつくりかた』東洋経済新報社(2012年)
⑲宮沢健一、編『産業連関分析入門』 日本経済新聞社(1979年)
⑳吉川洋、『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』ダイヤモンド社(2009年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点 50%、定期試験 50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
今年で本講義は12年目である。昨年度の授業改善アンケート(有効回答18人)において「この授業を履修してよかったと思いますか」に対する評価(5段階)の平均は4.22であり、学部の全科目の平均(4.29)を若干下回っている。授業の工夫についての評価は4.39で学部平均(4.21)を上回る一方、授業内容の理解(3.94)は学部平均(4.29)を下回る。
また、授業の最終回に実施した「自分にとって最も役に立った授業テーマ」については(有効回答42人)、意見はかなり分散した。
このようなことから、1回1回の授業(テーマ)をより分かりやすく説明し、授業の最後には質疑応答の機会を設けるとともに、第14回の授業テーマを「まとめ」とし、全体の内容を俯瞰できる工夫をしていきたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
私は1985年に長銀経営研究所に入社して以降、民間のシンクタンクで約35年に渡り国や地方の産業政策の調査に係ってきております。その体験をベースに皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。現時点でアドバイスすることがあるとすれば以下です。
①「論点」を把握することの重要性。本講義では、社会における現象をやさしく説明するとともに、現象の背景にある問題の構造を多角的な視点で捉える事が出来るような講義にしていきたいと考えています。
②産業社会の現象を見る際、常に「需要」と「供給」の観点から見る癖を身に付けていただきたい。
③本講義でも難しい用語や概念が多く出てくると思います。その際、是非、「自分の」言葉で友人に話しかけて(議論して)下さい。やさしいことをやさしく説明するのは簡単です。難しいことを難しい言葉で説明することも、それほど難しくありません。しかし、難しいことをやさしい言葉で説明することは、非常に難しく、かつ重要なことだと思います。
④与えられた問題を解くことは、もちろん重要であるが、みなさんが社会人になってより求められるのは、問題を自分なりに設定・設計する能力、いわゆる企画設計力=デザイン力だと思います。