市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
CUA200LA(文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 200)文化人類学LCultural Anthropology L
橋爪 太作Daisaku HASHIZUME
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | Q2398 |
旧授業コードPrevious Class code | P2188 |
旧科目名Previous Class title | 文化人類学Ⅱ |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y506 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 2群(社会分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
The new geological age of the "Anthropocene," proposed by chemist Paul Crutzen in 2000, is becoming one of the biggest topics not only in the natural sciences but also in the humanities and social sciences, as a concept that embodies the modern world in which human activities since the Industrial Revolution have caused global climate change and humans and nature have become indistinguishable in many areas. It is becoming one of the biggest topics not only in the natural sciences, but also in the humanities and social sciences. When a huge storm hits cities and plastic becomes the new stratum, cultural anthropology, which has defined "human" as a cultural being that is separate from nature, is required to undergo a fundamental self-transformation. In this class, we would like to think together with you about what a new anthropology facing the Anthropocene might be like.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content. Grading will be decided based on the term-end report (50%) and in class participation (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
2000年に化学者パウル・クルッツェンが提唱した「人新世」という新たな地質学的年代は、産業革命以降の人間活動によって地球規模の気候変動が引き起こされ、人間と自然が至るところで識別不能になりつつある現代世界を体現する概念として、自然科学のみならず人文社会科学においても最大のトピックとなりつつあります。人為的に放出された二酸化炭素が巨大な嵐となって都市を襲い、放射性物質とプラスチックが新しい地層となるとき、これまで自然とは区分される文化的存在として「人間」を定義してきた文化人類学にも、根本的な自己変容が要求されています。この授業では人類学のみならず哲学、科学、SF、アニメ、現代アートなどさまざまな領域を横断して、人新世を生き延びるためのヒントを考えたいと思います。
到達目標Goal
・SDGs、脱炭素など現代の我々が直面する環境問題に対し、数万〜数億年単位の人類史・自然史を視野に入れた広く深い理解を育てる。
・不安定で不確実な現代世界を生き抜くヒントを、人類学が明らかにしてきた人々と自然の多様な関係から学ぶ。
・文理の区分がゆらぐ21世紀における、人文学的思考の新たな可能性に触れる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP3、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義は写真・映像などのヴィジュアルな資料を随時活用します。さらに途中いくつかの講義では、これらの資料に対しこちらからいくつかの「問い」を投げかけ、グループディスカッションを行います。ディスカッションへの参加とその後のリアクションペーパー提出は平常点の一部として評価に含まれます。また授業中にリアクションペーパーへのフィードバックを行います
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーション
講義の概要説明と成績評価の説明。
第2回[対面/face to face]:ロジスティクス曲線の彼方
地球温暖化をはじめとする現在の環境危機を招いた産業革命以降の近代化のプロセスを、生物としての人類とその生息環境という自然史的な視点から考えます。
第3回[対面/face to face]:人新世と向き合う人文社会科学
気候変動は科学や政治にとっての問題というだけではなく、「人間とは何か?」を問うてきた人文社会科学に対しても新たな課題を突きつけています。主に今世紀以降の欧米圏を中心とした研究の動向をレビューします。
第4回[対面/face to face]:自然と人間の中動態
人間は自然とは本質的に違う特別な存在なのか、それとも自然の一部なのか。パプアニューギニア・セピック川流域の人々と環境の間で営まれている驚くべき関係から、こうした自然と人間についての私たちの想像力を拡張します。
第5回[対面/face to face]:講義+ディスカッション1:自然と人間のキワを考える
前回の授業を受けつつ、私たち自身(近代社会)における自然との関わりを、両者の「キワ」に着目して考えます。
第6回[対面/face to face]:映像視聴:『もののけ姫』
中世日本を舞台に自然と人間の対立と破局、再生を描いた宮崎駿監督のアニメ『もののけ姫』(1997)を観ます。
第7回[対面/face to face]:講義+ディスカッション2:『もののけ姫』のメッセージを解読する
『もののけ姫』に秘められた現代社会に対する宮崎駿監督のメッセージを解読し、その意義を考えます。
第8回[対面/face to face]:森を切り開く人々
南太平洋ソロモン諸島マライタ島では、現地の人々が祖先伝来の熱帯雨林を切り開き、原木を中国・東南アジアに輸出しています。なぜ彼ら・彼女らはこのような破壊へと突き動かされるのか? マライタ島の人々の幾重にもねじれた歴史とアイデンティティを紐解き、この問いを考察します。
第9回[対面/face to face]:技術とは何か?
技術とは人間が自然を征服する手段であるという技術観は、現在でも私たちの中に根強くあります。他方、それとはまったく異なる技術の捉え方が、哲学や人類学では提出されてきました。人新世を生きていく上で不可欠な技術についての新たな想像力を養います。
第10回[対面/face to face]:破局の後で
自然の上に築き上げられた人間の世界は、ひとたび破局が起これば脆くも崩れ去る一方、廃墟の上に新たな世界が始まります。この「破局」という事態が持つ両義性を、日本人におなじみの「マツタケ」から考察した人類学者アナ・ツィンの議論を学びます。
第11回[対面/face to face]:講義+ディスカッション3:自分の「マツタケ」を探せ!
マツタケを通じて不安定な現代世界とそこでの希望を見出すアナ・ツィンに学びながら、私たちの日常における「マツタケ」的なものを発見します。
第12回[対面/face to face]:再野生化する地球
欧米を中心に新たな環境再生の取り組みとして注目を集めている「再野生化」から、人間のコントロールを離れつつある現在の自然との向き合い方を考えます。
第13回[対面/face to face]:星の時間
最新の自然科学が明らかにしつつある過去数万年〜数億年の地球の気候は、自然についての私たちの常識を大きく覆す可能性を秘めています。過去実際に起きた途方もない規模の気候変動に学びつつ、現在進行中の人新世を非人間中心的に捉え直します。
第14回[対面/face to face]:おわりに
私たち自身を遠くから見るという人類学の伝統的な営みは、「人間が地球の地層となる」人新世のヴィジョンとどのように響き合い、新しい視点を生成するのでしょうか。これまでの授業内容を振り返りつつ考えます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学修・復習時間は各2時間を標準とします。授業で使用する資料はあくまで概略的なものです。授業中に説明されたことを自身の頭で理解するためにも、毎回ノートを取りましょう。また回によっては事前資料を配付しますので、次回までに必ず読んでおくようにしてください。
テキスト(教科書)Textbooks
授業内で適宜紹介します。
参考書References
授業内で適宜紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席点+小レポート:50%
最終レポート:50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
本授業では、資料配布、お知らせ配信、定期試験、リアクションペーパー提出は全て HoppiiとGoogleクラスルームを通して行うため、各学生はネット環境およびパソコン等の端末の準備をお願いします。