市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course
LIT100LA（文学 / Literature 100）日本古典文学ＢJapanese Classic Literature B
個人の歌の誕生を後期万葉集からよみとく
成島 知子Tomoko NARUSHIMA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | Q1008 |
| 旧授業コードPrevious Class code | P1010 |
| 旧科目名Previous Class title | 文学Ⅱ |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市Y‐Y502 |
| 配当年次Grade | 法文営国環キ1～4年 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| 選択・必修Optional/Compulsory | |
| カテゴリー（2017年度以降）Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 100番台 基盤科目 1群（人文分野） |
| カテゴリー（2016年度以前）Category (2017) |
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Outline (in English)
The Man'yōshū contains about 4,500 kinds of songs from about 100 years from the mid-7th century ~ mid-8th century. It is divided into four periods, depending on the age and style of the song. In this class, we will read the works of poets of the third and fourth semesters, centered on Mr. Otomo.
Students learn how to express themselves as individuals from the songs of male aristocrats living as government officials in the era of the Ritsurei system and the women around them, and learn waka expressions that lead to the present.
【Learning activities outside of classroom】
I want students to be conscious of the literature and expression of waka poetry that remains in modern life in their daily lives. One example of this is the use of manga, anime, and dramas such as Hyakunin Isshu.
Students can easily understand the background of the works by reviewing the Japan history of the Asuka period to the Nara period in advance at the level of Japan high school history and checking it as necessary during each class.
I would like students to try to create a prototype waka poem that expresses their emotions with 31 notes.
The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
【Grading Criteria /Policy】
The report submitted at the last class is 100% of the evaluation.
The theme is about the expression of waka poetry, poets, and words in the late Man'yōshū. Equivalent to 4000 characters.
The evaluation criteria are whether the reading comprehension based on the work is appropriately considered and whether the person's thoughts are expressed in a logical and easy-to-understand sentence.
In addition, attendance is every hour, and at least half of the attendance is eligible for report submission.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
万葉集には7世紀半ば～8世紀半ばの約100年間の約4500種の歌が収められている。4期に分けてそれらは年代、歌風などにより4期に分けられる。この授業では後期の第3期第4期の、大伴氏を中心とした歌人たちの作品を読んでいく。
律令制度が整っていく時代に官人として生きる男性貴族と、その周辺の女性たちの歌から今につながる個人としての抒情の表現の成立と、多様な和歌表現を学ぶ
到達目標Goal
古代律令制度社会が整備されていき、官人として生きていくことになる万葉後期の男性貴族たちは、現代社会に生きる社会人に通じるものがある。また女性たちの、社会的制約の中で恋し家族を守ろうとする思いもまた、同様であろう。1300年ほどの時代を超えて共感できる歌に込められた思いを読み取り、歌、韻文という文学形態がもつ力を感じ取れるようになりたい。
古文というと縁遠いものと思われがちな古典文学にも現代の私たちに相通じる面白みがあることを感じ取れるようになるとともに、文学史的知識を獲得し、韻文である歌の世界を理解し、日本の文化への興味、教養を高めることを目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科：DP3・DP4、法学部・政治学科：DP1、法学部・国際政治学科：DP1、文学部：DP1、経営学部：DP3、国際文化学部：DP2、人間環境学部：DP2、キャリアデザイン学部：DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
現代語訳付のテキストを使っての講義形式。
現代語訳付なので、高校時代の古文のように現代語訳が到達点ではなく、それを踏まえた読解のための講義となる。
また、人数にもよるが、読解に関してのディスカッション、意見交換などもできたらいいと考えている。
受け身でない、授業参加姿勢を期待する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：授業概要説明。作品の導入・背景の説明
作品理解のための時代・制度等の背景説明
第2回[対面/face to face]：亡妻挽歌の比較1 表現形式の多様化
前期万葉の柿本人麻呂から、大伴旅人と山上憶良
第3回[対面/face to face]：亡妻挽歌の比較2
旅人と憶良から家持
第4回[対面/face to face]：大伴旅人・律令官人としての歌
都と地方の意識
大宰府での儀式としての梅花の宴と自負心の建前
第5回[対面/face to face]：大伴旅人 老境の悲しみの歌
老いへの思いと望郷歌
第6回[対面/face to face]：大伴旅人 逃避としての酒と歌
讃酒歌の無常観
第7回[対面/face to face]：山上憶良
貧窮問答歌や反惑情歌ななどの社会性と個人の情
第8回[対面/face to face]：大伴坂上郎女の歌1
媚態する女歌
第9回[対面/face to face]：大伴坂上郎女の歌2
家を守るための歌たち 古代における女性の地位
第10回[対面/face to face]：笠郎女
餓鬼の後に額づく思い 家持への恋の連作。編集者としての家持の意図
第11回[対面/face to face]：髙橋虫麻呂と家持古伝承へのアプローチ
古伝承へのアプローチ 菟原処女伝説歌の比較から。大和物語生田川や能「求塚」へ
第12回[対面/face to face]：高橋虫麻呂・山辺赤人の個性
伝説歌、叙景歌といった多彩な歌たち
第13回[対面/face to face]：万葉集の到達点
大伴家持の春愁歌とその評価
第14回[対面/face to face]：レポート提出
レポートの形式等確認指導とレポート提出
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
学生は、日常生活において、現代の生活の中に残留する和歌という文学・表現に目を向ける意識を持ってほしい。百人一首などがマンガ、アニメ、ドラマの素材となっているのはその一例。
学生は、事前に飛鳥時代から奈良時代の日本史を、高校の日本史レベルで振り返り、かつ各授業時に必要に応じて確認することで、作品の背景が理解しやすくなる。
学生は、自分の感情を31音で表現するとしたら、という和歌の試作をしてみて欲しい。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします
テキスト（教科書）Textbooks
講談社文庫「万葉集(一)」中西進 全訳注
参考書References
講談社文庫「万葉集(二)～(四)」中西進 全訳注」
角川ソフィア文庫「ビギナーズ・クラッシックス 万葉集」
角川ソフィア文庫「万葉集一～四」伊藤博 全訳注
高校時代の日本史の年表
その他、必要に応じて授業内で紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
最終授業時提出のレポートが評価の100%。
テーマは万葉集後期の和歌、歌人、ことばの表現について。4000字相当。
作品を踏まえての読解が適切になされたうえでの考察がなされているか、その自らの考えを論理的にわかりやすい文章で述べられているかが評価基準となる。
また、出席は、毎時間とり、半分以上の出席をレポート提出資格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
古典文学を読むにあたって、歴史などと文学を切り結ぶ楽しみを見出す学生が増えるべく、歴史の流れなどの資料を配布するなどしていきたい。
文学作品という関係上、作品のその部分の分量により1コマの時間内に1つのテーマがうまく収まらない場合が多い。時間をまたぐ場合には、できるだけ前回の内容の振り返りをしつつ進めていく。
また、大人数の授業の場合、ディスカッションは難しいかもしれないが、学生の感想・意見を聞くことを講義の中に取り入れていきたい。