経済学部Faculty of Economics
ECN100CA(経済学 / Economics 100)経済史Economic History
杉浦 未樹Miki SUGIURA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経済学部Faculty of Economics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | K6016 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | オンライン/online |
配当年次Grade | 1 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(2015年度以前入学生) | 専門教育科目 |
カテゴリー(2016年度以降入学生) | |
カテゴリーCategory |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The course is separated in to two parts. The first part of the course introduces the participants to the understanding of historical development of the economic systems setting 'environment, settlement, labour and power' as the key themes. How people lived, worked and governed are the essential factors for the economy. The course connects these relatable factors with the historical development of economic, social and political systems.
The second part of this course focuses on the industrial development. Here, the historical development of textile industry is surveyed from a long-term and global perspective.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
前半と後半に分かれる。前半では、、「環境・集住・労働・権力」をテーマとして、経済・政治・社会上の仕組みの変化を辿っていく。いかに住むか、いかに働くか、いかに支配を受けるかは、経済の重要な構成要素となる。農業の発明や都市文明の形成など古代にも十分考慮しながら、資本主義経済が形成されていく1500-1800年の近世期までの理解を深める。後半は、産業の発展をテーマにする。経済発展の歴史をみるうえで、古くから経済活動の根幹にあった糸布衣の生産と取引と使用に注目する。古代から現代までに繊維品がどのように変化し、その産業がどのように経済や社会とかかわり、世界的な地域分業がどのように進行したかを通して、経済の仕組みの発展を理解する。原料である綿花から糸、織物、衣服、古着、ぼろまでの、生産・流通・消費・再利用を視点にいれて、経済全体を考察していく。
到達目標Goal
・現代経済の重要な構成要素となる経済・政治・社会上の仕組みが、歴史的にどのように形成されていったかを理解する。
・高校の世界史・日本史の理解から、大学の経済学・経済分析の枠組みへの橋渡しをする。
・具体的な産業の展開のなかに、経済史・経済学の重要な概念を位置付けられるようにする
・特定のモノとそれを生み出した産業に注目することで、歴史的展開を具体的に理解することを目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、経済学科・現代ビジネス学科は「DP2」「DP9」に関連。国際経済学科は「DP2」「DP8」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
オンラインで開講する。毎回、文章形式の講義テキストをオンラインレクチャーまでにHOPPIIの教材にアップし、理解テストを[テスト・アンケート」に挙げる。この講義テキストを解説する形でZOOMでオンラインレクチャーを行い、テスト・アンケートのやりかたも補佐する。オンラインレクチャー後、三日以内に理解テストをHOPPIIに提出すること。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:「人類はいかに地球に住み、働き、支配・統制されてきたのか」―経済史への招待
環境と人間関係を視点に、経済システムの歴史発展をとらえなおすという授業の目的を紹介
2[オンライン/online]:定住が先か、農耕が先か:一万年前の農耕革命を位置付け直す
農耕開始をめぐる最新学説を紹介し、農耕が不可逆のサイクルを開始させたことを理解する。
3[オンライン/online]:森林と田園:人類の定住と環境へのまなざし
人類が集住することが「森林:を新たに生み出した。都市文化が発達すると「田園」の憧憬が生み出された。一万年というタイムスパンで人類がどのように森林・田園など環境へのまなざしを概念化したかを理解する
4[オンライン/online]:1年~2000年までの人口と都市と都市化
紀元1年から現在にいたるまでの人口成長を概観したあと、時代ごとの大都市を位置付け、どのように変化したかを理解する。
5[オンライン/online]:信用の力―貨幣の誕生と金融システム
目の前に見えない価値を信用する仕組みが経済を動かしてきたことを歴史的枠組みから理解する
6[オンライン/online]:地域の誕生―市場圏と都市ネットワーク論
モノやカネの交換は、人が物理的に移動できる範囲を超えた空間圏で動き出す。市場圏と都市ネットワークの歴史的モデルを理解する;
7[オンライン/online]:中近世の様々な権力と経済システム
中近世社会では領主・王・教会・都市・帝国と様々な権力が併存した。
それぞれが生み出した経済システムを具体的な事例を紹介しながら対比する。
8[オンライン/online]:労働における自由
奴隷、奉公人、契約労働の歴史をたどることで、不自由な労働と自由な労働との違いを把握する。
9[オンライン/online]:ビジネスにおける自由―営業の自由から独占禁止まで
中近世に経済活動をギルドや仲間の統制することから営業の自由が獲得されていく過程を説明する。さらに権力に独占特権が付与された特権会社の解体をみて自由競争がいかに成立したかを考察する。
10[オンライン/online]:国際関係の中の自由
主権国家体制が世界経済システムと結びついたときにでてくる地域間の自由と不自由を、自由貿易・保護貿易や自由労働・不自由労働とむすびつけて考えていく。
11[オンライン/online]:女性が働き、財産をもつこと
かつて女性に就業を禁止したり、財産をもたせないようにしたことの背景を探り、女性の経済活動が歴史的にどのように評価されてきたのかを概観する。
12[オンライン/online]:家族とこども経済史
資本主義の進展とともに家庭はますます経済の核となっていく。児童労働や教育投資を軸にみながら、近現代の家族の意義を経済史の視点から理解する。
13[オンライン/online]:権力は社会の異端者をどう扱ってきたか
フーコーの「狂気の歴史」「監獄の誕生」を紹介しながら、権力による監視・統制が制度化していった過程を概観する。
14[オンライン/online]:授業のまとめ
前期授業をふりかえり、全体をまとめる。
15[オンライン/online]:経済史における繊維品と繊維産業の位置
繊維製品とはなにかを定義し、経済史における繊維の位置、産業史・経営史・企業史との区分、繊維産業を分析するうえでのキーワードを提示する。
16[オンライン/online]:古代における繊維品の開発―西アジアとインド
古代西アジアとインド毛絹麻を中心とした繊維製品つくりがどのように発達したのかを概説する
17[オンライン/online]:古代・中世ヨーロッパの羊毛経済
紀元前1000年~後1200年までのヨーロッパ地域を対象に、羊毛を中心とした繊維品がどのような経済の仕組みを生み出したのかを概説する
18[オンライン/online]:古代・中世の東アジアの繊維品の展開
ユーラシアの他の地域と対比させながら、日本・朝鮮半島・中国における繊維品の開発を概説する。
19[オンライン/online]:三大陸をつなげた交易が繊維品にもたらしたこと
15世紀後半以降、アメリカ大陸とユーラシア大陸の交易が進展し、アフリカ大陸もこれに接合していた。この三大陸間の交易が繊維品にもたらした変化を解説する。
20[オンライン/online]:イギリスの「産業革命」
純綿品を大量生産することをキーワードに、イギリスの産業革命の意義を繊維業の視点から経済の仕組みを変えたものとして捉えなおす。
21[オンライン/online]:グローバルなサプライチェーンと労働調達
19世紀の段階で繊維品を生産するのにどのようなサプライチェーンが成立し、地域間分業が行われていたのかをみる。奴隷・移民をはじめとした繊維業における労働調達そ概観する。
22[オンライン/online]:キング・コットン:19世紀後半からの綿花生産の変容
1860年代の南北戦争前後からのアメリカ綿業を自由貿易・保護貿易の観点から説明する。現在にいたるまでの綿花生産を概観する。
23[オンライン/online]:幕末から第一次世界大戦までの日本繊維業
開国とともに日本の繊維産業がどのように変容していったのかを概説する。
24[オンライン/online]:第一次世界大戦から20世紀後半の日本繊維産業―繊維大国に
第一次世界大戦後、日本繊維業は輸出を拡大し成長しつづける。その過程を絹、綿、衣服にわけて説明する。
25[オンライン/online]:20世紀後半からの繊維品
戦後の繊維産業の新発展を、合成繊維という新産業部門の形成、流通革新を軸にみる。
26[オンライン/online]:衣服の再利用が生み出した産業と交易
衣服の再利用は、反毛産業や古着交易と世界的な規模の産業を生み出し、繊維品を変容させている。その歴史を現代までつなげて解説する。
27[オンライン/online]:繊維産業はイノベーション産業になれるのか
繊維産業の抱える課題と挑戦を、ファッションとリサイクルをキーワードに整理し、イノベーションの基礎概念とあわせて学習する。
28[オンライン/online]:まとめ
授業全体の振り返りを行い、最終レポートの注意事項を説明する
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業ごとに理解テストを出すので、そのなかで復習し、調査する時間が、毎回2時間ほど生じる。
授業で示した参考文献をはじめ、興味をもった文献を大いに読んで、経済史の世界に触れてほしい。
テキスト(教科書)Textbooks
講義ごとにテキストをHOPPII教材にアップする。参考資料もあわせて提示する。
参考書References
河﨑信樹, 村上衛, 山本千映『グローバル経済の歴史』 有斐閣アルマ、2020年。
永原慶二「新木綿以前のこと―苧麻から木綿へ」岩波新書、1990年。
ピエトラ・リボリ『あなたのTシャツはどこから来たのか-誰も書かなかったグローバリゼーションの真実』
東洋経済、2007年
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業ごとの理解テストの平均点が50%、前期最終試験・後期最終レポートが50%。理解テストの提出が遅延した場合減点する。しかし遅延しても必ずすべての回について提出することを、前期最終試験および後期最終レポートを受ける要件とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
初回担当につき該当せず。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
ZOOMでオンラインレクチャーを聴講し、課題をHOPPIIに提出するための通信機器、情報機器(パソコン)が必要。
その他の重要事項Others
事前に履修すべき科目はない。春学期・秋学期を合わせて履修する必要はないが、秋学期は春学期を履修したほうが理解しやすい。