通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
LIT200TC(文学 / Literature 200)日本文芸史Ⅱ(前期メディア)History of Japanese Literary Arts II
川鍋 義一
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | 52001 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 川鍋 義一 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 前期メディア |
期間Period | 前期 |
定員Capacity | - |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The aim of this course is to help studets acquire a history of Japanese modern literature.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
日本近現代文学(明治20年頃~昭和40年頃)の歴史を把握する。
到達目標Goal
各回の授業では、ある時代を代表する文学者の代表的な作品がいかなる事情のもとに生まれたのかを考察する(具体的には下記「授業計画」を参考にされたい)。
この方法によって、日本近代文学史の大きな流れを把握し、また日本近代文学史と歴史的、社会的背景との連関を有機的に把握できるようにする。
受講生はこの授業の履修によって、日本近代文学史という巨視的観点を習得し、個々の作家、作品についてのより深い理解を得られるであろう。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「法律学科:DP3,DP5」「日本文学科:DP1,DP2」「史学科:DP1」「地理学科:DP1,DP2,DP3」「経済学科:DP4,DP5」「商業学科:自由な発想と柔軟な判断ができる能力」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
日本近代文学史を、逍遙・二葉亭の写実主義、浪漫主義、擬古典主義、自然主義(以上明治)、私小説、白樺派、労働文学・プロレタリア文学、モダニズム文学(以上大正)、小林秀雄、転向の問題、無頼派、近代文学派/新日本文学派、第三の新人とそれ以降(以上昭和)という流れで概観していく(漱石・鴎外、芥川を、明治、大正の最後に入れる)。
各回テキストで当該箇所を学習した上で、授業に臨むことを求める。またプリントもテキストなので、全てきちんと読み、理解することを求める。(「関連リンク」にて「配付資料」をダウンロードすること)
さらにプリントにはないものでも、関連すると思われる作品は積極的に読んでほしい。
中間課題に対しては、①採点もしくは個別評価・添削、②全体講評、③模範解答や優秀リポート等の掲示、のうちいずれかを実施する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:近代文学の始まり
・近代文学とはなにか
・写実主義とはどういうものか
・言文一致体の問題
以上を坪内逍遙『小説神髄』、二葉亭四迷『浮雲』から考察する。
第2回[オンライン/online]:浪漫主義と擬古典主義
写実主義よりやや後に展開した
・浪漫主義
・擬古典主義
とはどういうものかを樋口一葉『たけくらべ』などと、尾崎紅葉『金色夜叉』から考察する。
第3回[オンライン/online]:自然主義
・浪漫主義から自然主義への展開
・口語体の問題
・私小説の始まり
以上を、国木田独歩『武蔵野』、島崎藤村『破戒』、田山花袋『蒲団』から考察する。
第4回[オンライン/online]:明治文学ふたつの孤峰(1)
文学史の流れと一定の距離を置いていた夏目漱石の生涯と作品にふれる。『こころ』を読む。
第5回[オンライン/online]:明治文学ふたつの孤峰(2)
同じく文学史の流れと一定の距離を置いていた森鴎外の生涯と作品にふれる。『舞姫』を読む。
この回では日本近代文学の重要な概念である「余計者」について学ぶ。
第6回[オンライン/online]:私小説
大正文学の主流であった私小説を、葛西善蔵の代表作『子をつれて』を例に学ぶ。
第7回[オンライン/online]:白樺派
葛西善蔵とは対照的に破滅しない文学が白樺派の文学であった。武者小路実篤『友情』を読む。
このグループの傾向と、大正デモクラシーの関係について学ぶ。
第8回[オンライン/online]:文学の革命
プロレタリア文学が「革命の文学」だとすれば、モダニズム文学の一つである新感覚派は「文学の革命」を志すものであった。
その新しさと意義について学ぶ。横光利一『蠅』などを読む。
第9回[オンライン/online]:大正の終焉
大正文学の特異な存在であった芥川龍之介の生涯と作品にふれる。『歯車』を読む。
第10回[オンライン/online]:昭和初年の状況
昭和初年の三派鼎立の状況について学ぶ。
批評理論の確立者であった小林秀雄『様々なる意匠』を読む。
第11回[オンライン/online]:戦前から戦後へ
プロレタリア文学壊滅後の文芸復興の状況/転向の状況について学ぶ。中野重治『村の家』。
戦後すぐの無頼派の活躍を学ぶ。坂口安吾『堕落論』、太宰治『人間失格』、それらと対比するために志賀直哉『灰色の月』を読む。
第12回[オンライン/online]:戦後(1)
戦後文学最初にして最大の論争であった「政治と文学」論争を学ぶ。小林多喜二『党生活者』、平野謙『政治と文学(二)』を読む。
第13回[オンライン/online]:戦後(2)
梅崎春生『桜島』、野間宏『暗い絵』、荒地派の詩を通じて、戦後文学はどのように始まったのかを学ぶ。
第14回[オンライン/online]:戦後(3)
第三の新人とそれ以降の文芸思潮はどのようなものであったのかを学ぶ。吉行淳之介『驟雨』、安岡章太郎『宿題』、三島由紀夫『憂国』、大江健三郎『不意の唖』、谷川俊太郎の詩を読む。
第15回[オンライン/online]:まとめ
まとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
下記【テキスト】(プリント含む)を精読すること。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
奥野健男『日本文学史』(中公新書、および電子書籍kindle版)。
その他毎回使用するプリント。
参考書References
毎回使用するプリントに記載されている参考文献。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・中間リポートの提出を前提にメディアスクーリング試験で評価する。中間リポート(50%)メディアスクーリング試験 (50%)。
・シラバスに記載されている【授業の概要と目的(何を学ぶか)】と、【到達目標】を受講前に熟読されたい。文学の歴史の流れ、およびそれと社会的背景との関連がこの授業の主要な関心事である。したがって、中間リポート、試験で、その観点を欠いた答案は評価されない。
・中間リポートで、設題に答えていない答案、引用のルールを無視した答案、何を言っているのかわからない答案、字数制限(8~10割)を無視した答案が時折見られる。このような答案は、再提出となることがある。留意されたい。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
中間リポートおよび試験では、しっかり設問を読み、設問に答えられたい。
その他の重要事項Others
プリントに一部しか載せられなかった長い作品も、各自入手し、全編読むことが望ましい。