通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
SOC300TB(社会学 / Sociology 300)労使関係論(Ⅱ)(前期メディア)Industrial Relations
細川 良
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | 51013 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 細川 良 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 前期メディア |
期間Period | 前期 |
定員Capacity | - |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
At the end of this course, participants will learn the reality, problems and future prospects by looking directly at the structural change of labor relations relations.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「労使関係」とは、一般に一人一人の労働者個人と使用者(企業)との間の関係ではなく、労働組合などの労働者の集団と使用者(企業)あるいは使用者団体との間の関係(集団的労使関係)のことを指します。もっとも、一口に労使関係(集団的労使関係)といっても、その実態は国によって大きく異なります。そして、労使関係の実態は、その国における雇用をめぐるシステムがどのようなものか、ということに大きく左右されます。実際、日本における労使関係(集団的労使関係)の実態や特徴は、それを支えてきたいわゆる「日本的雇用慣行」、およびそれを踏まえた雇用に関する法制度とも深い結びつきがあります。そこで、本講義では、まず前半で、前提としての日本における雇用システムの特徴と、それを基礎として形成された雇用に関する法制度について考えます。後半では、前半で検討した雇用システムを踏まえつつ、日本における集団的労使関係と、それを支える法制度について考えてみたいと思います。
到達目標Goal
受講する学生において、労使関係、労働組合、あるいは労働法に対する知識や関心は様々であろうと考えられます。しかし、多くの受講生が、将来的に雇用の世界の中で生きていくことになることは間違いありません。また、日本における雇用システムや労使関係について、旧来からの仕組みから変わりつつあるという点については、大なり小なり共通する認識を有しているではないでしょうか。そこで、本講義では、「日本的雇用システム」のなかで形成されてきた労使関係や労働法の仕組みを理解しつつ、それらがどのような課題を抱えており、今後どのように変わっていく必要があるのか(あるいは、変わるべきではないのか)という問いについて、自分なりの答えを見つけ出してほしいと思います。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「法律学科:DP2,DP3,DP5」「日本文学科:DP1,DP2」「史学科:DP1」「地理学科:DP1,DP2,DP3」「経済学科:DP4,DP5」「商業学科:自由な発想と柔軟な判断ができる能力」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義では、「授業の概要と目的」で述べたことについて、逐次検討していきたいと思います。具体的には、①日本における雇用システムとそれを基礎とした法制度について、基本的な理解を進めたうえで、②日本における労使関係の実態や特徴と、③日本における(集団的)労使関係に関する法制度を学び、④これらを通じて、日本の雇用システムや労使関係が抱える課題や今後のあり方を考えたいと思います。
講義の形態としては、通常の講義方式を予定しています。
中間課題に対しては、①採点もしくは個別評価・添削、②全体講評、③模範解答や優秀リポート等の掲示、のうちいずれかを実施します。授業内容についての質問や、課題について気になる点があれば、積極的に提示してください。適宜、フィードバック等の補足を行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:ガイダンス
本講義の目的、労使関係を学ぶ意義、労使関係や労働法が形成されてきた歴史について説明します。
2[オンライン/online]:日本的雇用慣行の特徴と労働法・労使関係
日本の労使関係や労働法は、いわゆる「日本的雇用慣行」と深く結びつく形で発展してきました。この回では、日本的雇用慣行とはいかなるものか、という点を踏まえつつ、日本の労使関係や労働法の特徴について考えます。
3[オンライン/online]:解雇をめぐる法システム-「日本では解雇は難しい」とは本当か?
日本的雇用システムの特徴として、「解雇が難しい」という指摘がしばしばなされますが、それは本当でしょうか。日本における解雇をめぐる法制度について、諸外国との比較や、近年の政策動向を踏まえつつ、考えてみたいと思います。
4[オンライン/online]:採用をめぐる法システム-「新卒一括採用」を前提とした法制度
「新卒一括採用」は、日本の雇用システムの極めて大きな特徴です。この回では、採用に関する法制度と、「新卒一括採用」の持つ意義について考えたいと思います。
5[オンライン/online]:賃金-日本の賃金制度は今も「年功型賃金」なのか
日本の雇用システムの特徴の一つとして、「年功型賃金」がしばしば挙げられますが、今も日本企業では「年功型賃金」を採用しているといえるのでしょうか。この回では、賃金に関する基本的な法制度とともに、日本における賃金制度について考えたいと思います。
6[オンライン/online]:労働時間-なぜ日本の労働者は長時間労働になるのか
日本における働き方の問題点として、「長時間労働」の問題がしばしば指摘されます。この回では、労働時間に関する法制度と、長時間労働をめぐる課題について、近年の政策動向を踏まえつつ、考えたいと思います。
7[オンライン/online]:人事異動-配転・出向・転籍
日本の雇用システムの特徴の一つに、人事異動が頻繁に行われることが挙げられます。この回では、人事異動に関する法制度について、近年の政策動向を踏まえつつ、考えてみたいと思います。
8[オンライン/online]:労働条件の変更-就業規則の機能
日本の雇用に関する法制度の特徴の一つとして、企業が状況に応じて柔軟に労働条件を変更できることが挙げられます。それを可能としているのが、就業規則に関する法制度です。この回では、日本の企業における就業規則の機能とその法制度について考えます。
9[オンライン/online]:非典型雇用-労働市場の二重構造をどう解消するか?
日本の雇用システムの特徴の一つとして、「正社員」と「非典型雇用(非正規雇用)」の2つの雇用形態の格差がしばしば指摘されます。ここでは、両者の格差解消に向けた最近の政策を踏まえつつ、「非典型雇用」をめぐる法制度とその課題を考えます。
10[オンライン/online]:日本における労使関係システムー諸外国との比較から
日本の集団的労使関係は、欧米諸国とは大きく異なっていることがしばしば指摘されます。この回では、これまで学んできた日本の雇用システムの特徴や、諸外国との比較を交えつつ、日本の労使関係システムの特徴を考えたいと思います。
11[オンライン/online]:労働組合の結成と運営活動-「労働組合」は、誰が何をするのか
労働組合にはだれが入ることができて、どのような活動をしているのか、詳しくは知らない人が少なくないのではないでしょうか。この回では、誰が労働組合に入ることができて、どのような活動をしているのか、考えたいと思います。
12[オンライン/online]:団体交渉と争議
労働組合の大事な役割は、使用者と「団体交渉」をすることによって、組合員の労働条件を改善することです。この回では、団体交渉とそれが行き詰った時に実施する争議行為に関する法制度について考えたいと思います。
13[オンライン/online]:労働協約-労使交渉を通じたルールメイキング
団体交渉が無事に妥結した場合、労働組合と使用者は、労働協約を締結し、これを通じて組合員の労働条件を事実上決定します。この回では、この労働協約に関する法制度について考えたいと思います。
14[オンライン/online]:不当労働行為-労働組合の活動を守るために
使用者は、ときに労働組合の活動を不当に妨害しようとすることがあります。こうした妨害から労働組合を守る制度が不当労働杭制度です。この回では、不当労働行為制度の内容と機能について考えたいと思います。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
基本的には、講義の内容を丁寧に復習し、理解の定着を図ることが求められます。
もっとも、労使関係や労働法、そしてそれらに関する法制度や法政策は、現実の社会の中にも多く存在し、また現在進行形で多くの動きが存在しています。したがって、新聞やニュースなどを通じて、労使関係や労働法はもちろん、労働に関係する様々な事象について、日ごろからアンテナを延ばしてチェックするよう心掛けてほしいと思います。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
藤本茂・沼田雅之ほか『ファーストステップ労働法』(エイデル研究所・2020年)(2300円・税別)を使用します。
ただし、科目の性質上、テキストの順番通りに進むわけではない、ということは承知しておいてください。また、講義においてテキストに記載されていない内容を扱うことが一部ありますが、その場合はパワーポイントその他の資料を配布します。
参考書References
指定はありません。各講義ごとに、必要に応じて参考となる文献資料等を提示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
最終成績は基本的に単位修得試験により評価します。(ただし、リポート学習もしっかりと行うこと。)授業をよく復習し、労使関係を取り巻くシステムをよく理解したうえで、その課題を考えてください。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし