文学部Faculty of Letters
HIS200BE(史学 / History 200)東洋史特講ⅦSpecial Lecture on Oriental History Ⅶ
徳留 大輔Daisuke TOKUDOME
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A3217 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市富士‐F310 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | 2~4 |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2~4 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 史学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
【Outline】The history of ceramics in East Asia focuses on the history of Chinese ceramics.
【Purpose and Significance】 The history of ceramics in East Asia has a long history. The production of ceramics is greatly influenced by the natural geographical environment of each region and kiln, including the extraction of clay, which is the raw material for ceramics. This is why each region and kiln has developed its own unique ceramic culture. On the other hand, as people interacted more closely with each other across countries and regions, the shapes, designs, and styles of ceramics also changed and new ceramic cultures emerged as a result of these interactions. In this lecture, we will study the history of ceramics in East Asia with the keywords "people" and "exchange" based on the results of archaeological, art historical, and historical studies.
【Learning activities outside of the classroom)】
Before/after each class meeting, students will be expected to spend two hours to understand the course content.
【Grading Criteria /Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following
Term-end examination(report): 60%、Short reports : 20%、in class contribution: 20%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
【授業の概要】東アジア陶磁史——中国陶磁史を中心に
【目的・意義】東アジアの陶磁史は悠久の歴史を有する。その陶磁器の生産は素材である粘土の採取をはじめ、それぞれの地域・窯が所在する自然地理的環境に大きな影響を受ける。そのためそれぞれに独自の陶磁器文化を生み出してきた。その一方で、国・地域を超えて人々の交流が密になるなかで、陶磁器の造形や意匠、様式にも交流の結果による変化や新しい陶磁器文化を生み出した。本講義では考古学・美術史・歴史学的研究成果をもとに「人」「交流」をキーワードに東アジアの陶磁史を学ぶ。
到達目標Goal
陶磁器を「考古学」「美術史」「歴史学」という様々な研究方法から学ぶことで、それぞれの研究のアプローチの方法を修得することができる。また国・地域を超えた相互の交流によって生み出される文化・芸術を学ぶことで、「国際性」を身につけることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義を中心としながら、授業内での発表、リアクションペーパーの提出、2〜3回程度課題を出し、それに対するフィードバックを行う。また少なくとも1回は博物館・美術館で陶磁関係の展覧会の見学を予定している(なお交通費は各自負担)
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
第1回目は「陶磁器(やきもの)」とはいったいどのような物質なのか。やきものは何のために、なぜ生まれたのか?まずは皆で考えてみるとともに、陶磁器を通してどのようなことが分かるのか、どのような魅力があるのか体験してみる。
第2回[対面/face to face]:土器を知る!
東アジアの中でも古くから様々な種類の土器を生み出した、中国新石器時代の土器、なかでも彩陶、黒陶を中心にその機能や社会的意味を考える。
第3回[対面/face to face]:陶磁器の分類・枠組
イントロダクションで触れた陶磁器の概要をもとに土器・陶器・炻器・磁器、白磁・青磁・青花・黒釉・五彩(色絵)など、陶磁器の分類・枠組を理解する
第4回[対面/face to face]:東西交流のはじまり
いまから2000年前。アジアの西と東で交流が密になる中で、工芸品の分野では青銅器、ガラス製品だけでなく、陶磁器が交流の表舞台に現れる。シルクロード、海の道を介して本格化する東西交流のはじまりと陶磁器を介して探る。
第5回[対面/face to face]:チャイナインパクト―世界に影響を与えた中国陶磁器①
8世紀後半から中国の陶磁器は貿易品として本格的に中国国外へ輸出される。晩唐・五代、宋時代における中国陶磁器の特徴を理解する。
第6回[対面/face to face]:チャイナインパクト―世界に影響を与えた中国陶磁器②
晩唐から宋時代における中国陶磁器の輸出先と貿易港をとりあげ、この時期の東西交流の様子を紐解く。
第7回[対面/face to face]:「青花」の誕生
14世紀前半、突如して流行する青花磁器。白磁の上にコバルトを用いて筆書きにより表された意匠は、西アジアの人々を魅了した中国陶磁であった。またあわせて中国国内、東南アジアでも広く受容された。その青花が誕生し、流行した背景について西アジアの工芸品も含めながら、考察していく。
第8回[対面/face to face]:明清陶磁の展開
明清時代には景徳鎮にて官窯が設置され、皇帝・宮廷用の陶磁器と民間用の陶磁器生産体制ならびに様式・質にも大きな違い生まれる。とくに明時代に着目しながら、官窯製品の特徴、また時期により異なる官民の製品の影響関係について理解を深める。
第9回[対面/face to face]:大航海時代と陶磁器
大航海時代には中国・日本の陶磁器が欧州をはじめ世界へ広がる。東アジアの陶磁器はなぜ世界を魅了したのか。明清時代の陶磁器、そして日本の古伊万里、柿右衛門を取り上げる。
第10回[対面/face to face]:唐物茶碗と茶の湯
茶の湯で用いられる茶碗には多くの唐物(中国陶磁器など)がある。それらは時代により流行する陶磁器が異なる。それはなぜなのか。陶磁器の受容という視点からその背景を探る。
第11回[対面/face to face]:日本における陶磁器鑑賞の歴史
日本では古くより寺社仏閣、茶の湯や華道など様々な分野で陶磁器を用いられてきた。一方で、近代に入り欧州から新しい価値感をもとに陶磁器を使用するのではなく、鑑賞することに主眼をおく見方が生まれる。それによりそれまで顧みられることがなかった、あるいは見過ごされてきた陶磁器が注目をうけることになる。その鑑賞の歴史を学ぶ。
第12回[対面/face to face]:日本における近現代陶芸の世界
明治維新後、日本の陶芸の世界は新しい時代を迎える。それまでの窯や産地を中心する陶磁器だけでなく、個人作家が生まれる。ここでは近現代陶芸のパイオニアである板谷波山を中心に欧州の芸術様式の影響、中国や日本の古陶磁や工芸品が作家の作品づくりにどのような影響を与えたのか見ていく。
第13回[対面/face to face]:博物館見学
実際に陶磁器作品を見て、立体造形の陶磁器の魅力を体感する
第14回[対面/face to face]:まとめ
本講義で学んだことの復習。陶磁器の魅力について感想を求めます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
講義の際にレジュメの配布ならびに内容にあわせて参考文献を紹介します。授業の前・後に読んで要点をまとめて授業に臨んでください。また授業では課題を出しますので、次回の講義時に提出してください。
テキスト(教科書)Textbooks
講義では教科書は使用しません。毎回レジュメを配布します。ただし、【参考書】に関してはぜひ一読してください。
参考書References
葉喆民原著、出川哲朗 監訳、徳留大輔/新井崇之 訳『中国陶磁史』科学出版社東京、国書刊行会、2019年
徳留大輔責任編集『茶の湯の茶碗 唐物茶碗』淡交社、2021年
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末レポート60%、各講義時に課す課題(宿題)20%、平常点20%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
本講義の担当者は美術館に勤務する学芸員であり、陶芸を中心とする工芸分野を担当しています。可能な限り、実物作品の実見や資料などの観察の方法のレクチャーや資料にふれる機会を設けるようにします。
教員の専門領域など
<専門領域>考古学・東洋陶磁史
<研究テーマ>中国初期王朝形成過程の考古学的研究、中国陶磁史
<主要研究業績>
徳留大輔責任編集『茶の湯の茶碗 第一巻 唐物茶碗』淡交社、2021年
葉喆民原著、出川哲朗 監訳、徳留大輔/新井崇之 訳『中国陶磁史』科学出版社東京、国書刊行会、2019年
徳留大輔編集『宋磁ー神秘のやきもの』(展覧会・図録)、出光美術館、2018年