文学部Faculty of Letters
HIS200BE（史学 / History 200）西洋史特講ⅦSpecial Lecture on Western History VII
遠藤 泰生Yasuo ENDO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | A3174 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市ＢＴ‐０７０２ |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2～4 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 史学科 |
| 他学科公開科目 | ○ |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This class surveys the history of the United States in the 18th and 19th centuries. This year, the racial and ethnic norms and their influence on life and experience of contemporary America will be examined with special care. Students are expected to cultivate balanced sensibilities to differences of race and ethnicity.
In this class, in preparing book reports, students are expected to learn how to write academic writing: format, vocabulary, and logic.
Two book reports are required. One is on Narrative of the Life of Frederick Douglass, An American Slave (1845) and another on The Souls of Black Folk (1903). Both of them are the classics of African American Intellectual History. Students are expected to learn how to read literary text and social criticism as historical documents. Besides these two reports, students must submit a few historical maps during the semester. Reaction papers to weekly lectures are required too.
Students are expected to spend about 3hrs a week in out of class study.
Book reports and reaction papers will be returned with comments. Grading are based on Map Studies (20%), Book Reports (60%), Reaction Papers (10%), Short Quiz (10%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
植民地時代から現代までのアメリカ合衆国の歴史と文化を概観し、現代アメリカ社会を形づくる社会規範の生成と変成を学ぶ。2023年度は、とくに、アメリカ社会を今なお強く規定する人種規範の歴史に注意を払いながら、アメリカの近代史を学ぶ。政治文書にとどまらず、文学表象、絵画、映画など多様なメディアに刻まれた時代の相貌に触れることで、立体的で奥行きのある歴史理解の習得を目指す。また、諸外国における人種問題に目を配ることで、アメリカ合衆国の歴史に対する理解を相対化させる。
到達目標Goal
人種・民族規範の歴史構築性が指摘されるようになって久しいにもかかわらず、その規範の起源を読み解き、あらたな未来に向けて因習を読み替える作業は容易ではない。アメリカ合衆国の近代史を学びながら、その困難に丁寧に向き合い、多文化共生の基盤形成に不可欠な人種・民族規範への理解を深める。その一方で、アメリカ合衆国以外の国の例も参照しながら、多文化共生の選択肢が幾通りも存在することを学ぶ。
課題図書の読書レポートを準備する過程で、論文を記すための文章の構成や言葉遣いを学ぶ。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義形式で授業は行う。学生とのインターアクティブな会話を重視し、各授業内に質疑の時間を必ず設ける。提出してもらった読書レポートやリアクションペーパーにはコメントを付けて返却する。図像史料の読み解きはパワポイント画像などを使って行なう。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：アメリカ合衆国の歴史と文化を学ぶ視点
アメリカ近代史を通底する歴史観として「有用なる過去」の概念を紹介する。
第2回[対面/face to face]：アメリカ先住民の世界
“アメリカ近代史”が始まる以前から存在した先住民の歴史とその遺産を確認する。
第3回[対面/face to face]：ピューリタニズムの遺産
英領北米植民地における多元社会構築の原理を、ピューリタンの入植の歴史を事例に学ぶ。
第4回[対面/face to face]：近代アメリカにおける寛容の発生
「政教分離」のアメリカ合衆国における意味を、フランス近代の経験などと対比しながら学ぶ。
第5回[対面/face to face]：合衆国独立の論理
18世紀の西洋政治思想の文脈において、アメリカの「独立」が何を意味し得たのか学ぶ。
第6回[対面/face to face]：合衆国連邦憲法の成立
アメリカ合衆国が国家の体裁を整えるために準備した最大の文書、連邦憲法の制定の歴史を確認する。
第7回[対面/face to face]：南北アメリカにおける奴隷制社会の誕生
アメリカ近代史における最悪の逆説と言われる黒人種奴隷制度に着目し、その英領植民地への導入の歴史を学ぶ。そもそも奴隷とはいかなる存在であったのかを、「差別」の問題を視野に入れながら考える。
第8回[対面/face to face]：近代アメリカにおける黒人種奴隷制度の発展
独立宣言で「全ての人間の平等」をうたったアメリカ合衆国は、実体としては奴隷制国家として発展を遂げる。そのディレンマを概観する。
第9回[対面/face to face]：南部社会論の系譜
映画『それでも夜は明ける』が描く19世紀前半のアメリカ南部社会を学ぶ。
第10回[対面/face to face]：良心の呵責？：反奴隷制運動の展開と限界
大西洋世界にひろがった反奴隷制思想とアメリカ合衆国における奴隷制廃止運動の共振を学ぶ。
第11回[対面/face to face]：セクショナリズムの時代
領土の西への拡大とともに深刻化した南北セクショナリズムの対立を学ぶ。
第12回[対面/face to face]：南北戦争
未曽有の内戦を経ることで国民国家への変貌を遂げたアメリカ合衆国の体験を理解する。
第13回[対面/face to face]：占領と再建
南北戦争後に試みられた連邦再建の試みとその中で生まれた新たな人種間関係に焦点を当て、19世紀後半のアメリカ合衆国の歴史を俯瞰する。
第14回[対面/face to face]：二つのゲティスバーグ演説
南北戦争の記憶と南北の和解が必然とした人種正義の後退と現代への歴史遺産を学ぶ。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
一学期の間に2本の読書レポートを課す。テクストとなるのはいずれもアフリカ系アメリカ人文化史における古典と呼ばれる作品である。歴史の史料として自伝や評論が持つ意味を考える作業にもなる。このほか、白地図への書き込みを通したヴィジュアルな歴史理解の醸成も図る。本授業の準備・復習時間は、各３時間とします。
テキスト（教科書）Textbooks
・フレデリック・ダグラス著/専修大学文学部歴史学科南北アメリカ史研究会訳『アメリカの奴隷制を生きるー－フレデリック・ダグラス自伝』（彩流社、2016）
・W.E.B.デュボイス著/木島始・鮫島重俊・黄寅秀訳『黒人のたましい』（岩波文庫、1992）
参考書References
遠藤泰生・小田悠生編『はじめて学ぶアメリカの歴史と文化』（ミネルヴァ書房、2023）
成績評価の方法と基準Grading criteria
提出物を期限までに必ず提出すること。読書レポートは、テーマ設定のオリジナリティ、形式、論理性、文章の練度の各視点から評価される。授業におけるリアクションペーパーの議論も評価の対象とする。
成績の配点は以下。白地図（20％）、読書レポート（60％）、リアクションペーパー（10％）、小テスト（10％）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
パワポイントによる教材提示は、情報量が増えて考える時間が不足するという意見が聞かれるので、板書も取り入れつつゆっくり議論を進めることにする。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくになし。
その他の重要事項Others
他国の歴史と比較しながらアメリカ合衆国の歴史の特性を議論したいので、イギリス史や日本史などの歴史を学ぶ学生の受講も歓迎する。