文学部Faculty of Letters
LIT300BD(文学 / Literature 300)英米文学演習(3)ASeminar in English and American Literature (3) A
迫 桂Katsura SAKO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A2947 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市富士‐F305 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 英文学科 |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
As populations age globally, there has been a growing social and scholarly interest in ageing. Ageing does not simply mean 'old age', however. More broadly, it concerns the life course as an experience of/in time. And cultural and literary narratives contribute to, and are a significant part of, the cultural discourse of the life course.
Reading selected texts from the UK that are published since the 1980s, we will consider how they explore the life course and help us to reconsider our conceptions of it. We will learn key cultural and scholarly perspectives on and debates about the life course and analyse the texts in close relation to social and cultural contexts.
Although this course mainly focuses on the British context, it is hoped that students will gain insights that will be relevant to some other societies and literatures.
Students will typically spend 1-2 hours (excluding the time needed to read/watch an assigned text) to prepare for each class meeting.
- Before class discussion on the chosen text, students will be expected to have read/watched the text, completed a worksheet that will be provided by the instructor and researched on contexts that are relevant to the text.
- After the class discussion, students will be required to submit a response paper (approx. 800 characters).
Final grades will be decided on the following:
In-class participation & contribution (50%) and in-class term-end examination (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
世界各地で人口高齢化に対する社会的関心が高まっていますが、文学・文学研究においても、ageingが関心を集めています。ageingは、「老年期(old age)」を指すだけではありません。より広義には、人が生きる時間、つまり、「ライフコース(life course)」を含めて考えることができます。文学・文化テクストは、我々がライフコースをどのように解釈・理解し、経験するかに大きな影響をもちえます。
本授業では、1980年代以降に(主にイギリスで)発表された小説・短編・映画作品を読み、これらの作品がライフコースをいかに描いているか、ライフコースについてどのような示唆を含んでいるかを考えます。特に、子ども時代や思春期を探究する作品に注目します。例えば、児童文学は、子どもについての文化的概念をどのように反映しているでしょうか。子供について書かれた大人向けの作品との違いはあるでしょうか。人工知能をもった「子ども」は、我々が「人間の子ども」について抱くイメージをどのように問い直すでしょうか。
授業では、ライフコースについての基本的な文化・学術的視点や議論を学びつつ、社会文化的背景を考慮しながら作品を読みます。
授業ではイギリスの文脈を主な対象とするものの、学生は、その他の社会や文学について考える際に有意義な知見を得ることが期待されています。
到達目標Goal
1.テクストの細部に注意を払い、分析的に読むことができる。特に、話しの内容だけでなく、形式面、ジャンル、歴史文化的文脈を考慮することができる。
2.テクストについての自分の解釈を精査し、確立できる。
3.他者の意見や解釈を理解し、評価し、それに応答できる。
4.自分の意見やテクスト解釈を正確に、他者に分かりやすく記述できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義、ディスカッション(クラスまたはグループ単位)、グループ・個人での発表を組み合わせます。
講義では、文学分野でのフェミニズムの思想や議論を紹介します。ディスカッションでは、各学生が、自らの意見やテクスト読解を交換・共有します。
個人・グループの発表では、テクスト分析と解釈を発表してもらう予定です。
各学生は、ディスカッションの前に作品を読む・視聴しておくことが必要になります。(詳細は下記【授業時間外の学習】を参照)。
一部の作品について、800字程度のレスポンス・ペーパーを提出してもらいます。
フィードバックは授業内または学習支援システムを用いて行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序:文学とライフコース
ライフコースについて考える
第2回[対面/face to face]:文学と子ども
短編作品を一つ読み、ディスカッションを行う。
第3回[対面/face to face]:児童文学
作品:Roald Dahl, Matilda (1988)
児童文学、「子ども」論
第4回[対面/face to face]:児童文学
作品:Roald Dahl, Matilda (1988)
作品についてディスカッションを行う。
第5回[オンライン/online]:大人に向けた子どものお話(?)
Ewan McEwan,
The Daydreamer
Matilda との比較。子ども観におけるジェンダー。
第6回[対面/face to face]:大人に向けた子どものお話(?)
Ewan McEwan,
The Daydreamer
作品についてディスカッションを行う。
第7回[対面/face to face]:思春期
作品:Beryl Bainbridge, "Perhaps you should talk to someone" (1994)
思春期の子どもの大人像について考える
第8回[対面/face to face]:"Growing up"
作品(映):Richard Linklater (dir.) Boyhood(2014)
growing upの物語と映画という媒体の特性を考える。
第9回[対面/face to face]:"Growing up"
作品(映):Bo Burnham (dir.) Eighth Grade(2018)
growing upの物語と映画という媒体の特性を考える。
第10回[対面/face to face]:ポストヒューマニズムと子ども
作品:Kazuo Ishiguro, Klara and the Sun
(2021)
SFジャンルの特性、ポストヒューマニズムの基本的な思想について学び、それらを踏まえて子どもについて考える。
第11回[対面/face to face]:ポストヒューマニズムと子ども
作品:Kazuo Ishiguro, Klara and the Sun
(2021)
作品についてディスカッションを行う。
第12回[対面/face to face]:児童絵本、文化、子ども観
日英の児童絵本を数点ずつ紹介する。絵本の特性、こども観の文化的側面を考察する。
第13回[対面/face to face]:復習と授業内期末試験
学期中の学習内容を復習。授業内期末試験を行う。
第14回[対面/face to face]:まとめとフィードバック
授業内期末試験に対するフィードバックを行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
ディスカッション前の標準的な準備内容は下記です。
(目安:作品を読む・視聴する時間+1-2時間)
1.授業で扱う作品を事前に読む、視聴する。小説作品は日本語の翻訳があるので、翻訳を読んでも構いません。短編作品は日本語の翻訳がない場合があります。映画作品は、日本語字幕付きで視聴しても構いません。但し、授業内で参照するのは英語版です。
2.事前にワークシートを配布します。ワークシートにはいくつかの問いが提示されています。これらの問いは、作品を読む際の着眼点を提示し、ディスカッションの方向性をある程度整えるために準備されたものです。これらの問いを念頭に、作品を読み、視聴してください。
3.作品読解に必要と思われる歴史文化背景・事象があれば、調べる。
4.ワークシートの問いに対する自分の見解を書いておく。その他に気づいたこと、疑問に思うことなどもメモをし、授業内でのディスカッションに備える。
テキスト(教科書)Textbooks
指定教科書はありませんが、授業で扱う小説作品については、なるべく紙媒体の英語版を購入してください。
参考書References
参考文献・資料は授業内で紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
評価方法
平常点:
①ワークシート、ディスカッションへの参加度:50%
授業準備ができているか、ワークシートの問いに対して自分なりの考えをもって答えられているか、ディスカッション・グループワークを通じて積極的に参加しているか、自分の見解を正確に、分かりやすく他の人に説明できているか。
②授業内期末試験:50%
作品を読み(視聴し)、授業内容を理解し、作品の内容を正確に把握していることを前提に出題される論述中心のテスト
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
ワークシートは大変だが有益、グループ・クラス単位でのディスカッションがよい、というフィードバックがありました。学生の負担が過度にならないように配慮しつつ、これらを上手く授業に取り入れたいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布・課題提出等のために学習支援システム使用予定。
その他の重要事項Others
必須ではありませんが、文学系の導入科目を少なくとも一つは履修済みで、文学研究の意義や作品解釈のアプローチについての基本的な理解があることが望ましいと思います。