通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
SOC300TB(社会学 / Sociology 300)労使関係論(Ⅰ)(後期メディア)Industrial Relations
細川 良
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | 61023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 細川 良 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 後期メディア |
期間Period | 後期 |
定員Capacity | - |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
At the end of this course, participants will learn the reality, problems and future prospects by looking directly at the structural change of labor relations relations.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「労使関係」とは、一般に一人一人の労働者個人と使用者(企業)との間の関係ではなく、労働組合などの労働者の集団と使用者(企業)あるいは使用者団体との間の関係のことを指します。そして、諸外国と比べた場合、日本における労使関係は、企業を中心として形成されてきた点に大きな特徴があるとされてきました。もっとも、こうした日本独自の発展を遂げた労使関係システムは、それを支えてきたいわゆる「日本的雇用慣行」およびそれを取り巻く社会的・経済的環境が変化するに伴い、変化への対応が迫られています。本講義では、こうした労使関係の現在について考えるうえでの基本的な制度や仕組み、社会的背景について学ぶとともに、現在の労使関係が抱えている様々な課題について考えたいと思います。
到達目標Goal
受講する学生において、労使関係、あるいは労働組合というものに対する知識や関心は様々であろうと考えられます。しかし、日本の労働組合や労使関係が有していた日本の社会的に対する影響力が低下し、その存在意義が問われているということについては、大なり小なり共通する認識を有しているではないでしょうか。そこで、本講義では、本来、労使関係や労働組合は労働社会の中でどのような機能や役割が期待されてきたのか、日本の労使関係や労働組合はどのような役割を果たしてきたのか、そして、日本の労使関係がどのような課題に直面し、なぜそのような事態が生じたのかについてを知り、理解してもらいたいと思います。そして、これからの労使関係はどのように変わっていく必要があるのか(あるいは、変わる必要がないのか、労使関係に未来はないのか)という問いについて、自分なりの答えを見つけ出してほしいと思います。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「法律学科:DP2,DP3,DP5」「日本文学科:DP1,DP2」「史学科:DP1」「地理学科:DP1,DP2,DP3」「経済学科:DP4,DP5」「商業学科:自由な発想と柔軟な判断ができる能力」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義では、「授業の概要と目的」で述べたことについて、逐次検討していきたいと思います。具体的には、①日本の労使関係の基本的な特徴と展開を概観し、②それを支える集団的労使関係に関する法制度を理解したうえで、③日本における労使関係の現代的な課題を考えたいと思います。
中間課題に対しては、①採点もしくは個別評価・添削、②全体講評、③模範解答や優秀リポート等の掲示、のうちいずれかを実施します。授業内容についての質問や、課題について気になる点があれば、積極的に提示してください。適宜、フィードバック等の補足を行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:ガイダンス
本講義の目的、労使関係について学ぶ意義、本講義の進め方等について説明します。
2[オンライン/online]:労働組合の団結~その歴史
そもそも、労使関係の基礎となる労働組合およびその活動は、どのような歴史的経緯で生まれてきたのか、なぜ労働組合の権利が保障される必要があるのか、労使関係の基礎的な前提について説明します。
3[オンライン/online]:日本的雇用慣行の形成と労使関係
日本の労使関係は、いわゆる「日本的雇用慣行」と深く結びつく形で発展してきました。この回では、日本的雇用慣行とはいかなるものか、という点を踏まえつつ、日本の労使関係の特徴について考えます。
4[オンライン/online]:労使関係の多様性~諸外国との比較
「労使関係」と一口に言っても、そのあり方は、国によって大きく異なります。そこで、この回では、諸外国におけるさまざまな労使関係のあり方について、その概要を説明し、それとの比較を通じて、日本の労使関係の特徴を改めて考えたいと思います。
5[オンライン/online]:公務員の労使関係
かつて、日本の労働組合運動において、極めて重要な課題となっていたのは、公務員に労働組合の権利を認めることでした。この問題は、いわゆる公務員制度改革をめぐって、ふたたび脚光を集めています。この回では、公務員の労使関係とそれをめぐる問題について考えます。
6[オンライン/online]:労働組合と労働者~プロスポーツ選手は「労働者?」
労使関係の担い手である労働組合は、労働者が集まって作った団体です。ところで、このような労働組合を結成することは、誰でもできるのでしょうか。この問題は、実は労使関係を考えるうえでの重要な論点です。この回では、労働組合を結成する「労働者」の意義について考えます。
7[オンライン/online]:労働組合~その基本的な活動とルール
労使関係の主要な担い手である労働組合ですが、実際、労働組合がどのような組織で、どのようなことをしているのか、そこにどのようなルールがあるのかは、案外知られていないのではないでしょうか。この回では、労働組合の実際とその活動をめぐるルールについて考えます。
8[オンライン/online]:団体交渉と争議
労働組合の重要な役割は。組合員(労働者)の労働条件や職場環境について使用者と交渉し、よりよい条件を勝ち取ることでしょう。この回では、こうした労働組合の団体交渉と、闘争手段である争議についての法規制について考えます。
9[オンライン/online]:労働組合の活動を守るために~不当労働行為制度
労働組合との良好な労使関係を形成しようとする使用者・企業がある一方で、労働組合を毛嫌いし、その活動を妨害しようとする使用者・企業があるのも事実です。この回では、こうした使用者による組合活動の妨害から保護する、不当労働行為制度について考えます。
10[オンライン/online]:労働組合と紛争解決
労働組合の活動については、労働条件や職場環境の向上という目的に注目が集まりがちですが、もう一つの重要な機能として、「紛争の解決」という役割があります。この回では、労働関係における様々な紛争解決制度も踏まえつつ、労働組合の紛争解決の機能について考えたいと思います。
11[オンライン/online]:労働組合の直面する課題~雇用の多様化と働き方の多様化
労働組合の組織率や影響力が長期低落傾向にあることはしばしば指摘されていることですが、そもそも、なぜ労働組合の組織率や影響力が低下しているのでしょうか。この回では、現在の労働組合を取り巻く状況について考えます。
12[オンライン/online]:法律による規制と「労使自治」
近年、労働関係について多くの法律が作られるようになってきました。この背景にはいろいろな事情がありますが、労使が自分たちで適切なルールを作出・運用し、問題を解決する能力が疑われていることもその一因でしょう。他方で、労働を取り巻く関係について、なんでも法律による規制でコントロールするのが適切かどうかは、議論のあるところです。この回では、法律による規制と「労使自治」との関係について考えてみたいと思います。
13[オンライン/online]:労使関係の意義~労使コミュニケーションがもたらす効果
日本における労使関係は、その影響力の低下がしばしば指摘される一方で、良好な労使関係が労働条件や企業経営に良い影響を与える例もしばしばみられます。この回では、現在において労使関係が良好に機能する実際的な例を見ながら、労使関係の意義について考えてみたいと思います。
14[オンライン/online]:労使関係の課題~労使関係は何のために存在するのか
これまでの講義で触れてきたように、現在は労使関係の存在意義が大きく問われている時代です。この回では、これまでの講義を踏まえつつ、そもそも労使関係は何のために存在するのか、という根本的な課題について考えてみたいと思います。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
基本的には、講義の内容を丁寧に復習し、理解の定着を図ることが求められます。
もっとも、労使関係は、現実の社会の中にも多く存在し、また現在進行している様々な労働に関する法政策にも深く関係しています。したがって、新聞やニュースなどを通じて、労働組合や労使関係はもちろん、労働に関係する様々な事象について、日ごろからアンテナを延ばしてチェックするよう心掛けてほしいと思います。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
指定はありません
参考書References
指定はありません。各講義ごとに、必要に応じて参考となる文献資料等を提示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
最終成績は基本的に単位修得試験により評価します。(ただし、リポート学習もしっかりと行うこと。)授業をよく復習し、労使関係を取り巻くシステムをよく理解したうえで、その課題を考えてください。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特にありません。