通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling)
LIT200TC（文学 / Literature 200）日本文芸研究特講・現代（冬期スクーリング）Special Study of Japanese Literary Arts(Contemporary)
矢澤 美佐紀
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling) |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | 44003 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 担当教員（自由記述）Instructor name | 矢澤 美佐紀 |
| 科目種別Class Type | スクーリング |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 冬期 |
| 期間Period | 2群午後 |
| 定員Capacity | |
| 予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
| 受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
The aim of this course is to re-examine the history of Japanese modernity through texts which capture contemporary issues characteristically, to extract social and personal themes which are still applicable to the present day from the Women's Literature texts, and to interpret them more freely. We will also consider the possibilities open to Japanese literature in the future as well as the associated effective research directions.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本講義では、時代的な問題を特徴的に捉えている女性文学のテクストを通じて日本の近代の歩みを問い直し、今に通じる社会的・個人的テーマを析出し、より自由に解釈することを目的とする。そして、今後の日本文学の可能性、ひいては日本文学研究の可能性について考察を深める。現在、「日本語で書かれた」日本文学は、実に多様な展開を見せている。特に3・11の震災以降は近未来的世界を設定したディストピア小説が脚光を浴びるなど、リアリズムを追及する方法も細分化され「一人一派」の様相を見せている。今回は、このような流れが形成される前後の日本近現代小説の代表的作品をいくつか取り上げて解析することで、現在の状況を分析する手がかりを考える。
到達目標Goal
それぞれのテクストのテーマと描かれ方を読み取り、それに対して自分なりの評価を引き出すことを目標とする。
①まずテクストとじっくり向き合い、書かれていることを正確に読み取る。その上で独自の解釈を試みるという訓練を行う。
②更に、そこで得た知見を文字で表現するという行為が肝要となる。
①と②を踏まえて、この学びの流れを自分の生活の中に定着させてほしい。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
基本的には対面授業を実施する予定である。状況に応じてはzoomを使用してリアルタイムで実施する。
基本的には講義形式だが、できるだけ授業内で学生ひとりひとりの意見や感想を聞いて、皆で意見交換を行う双方向の授業を目指したい。また、後半は担当を決めて発表を行ってもらう。なお、授業の終わりには随時質問を受け付ける。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：ガイダンス・樋口一葉「十三夜」
女性文学における語りを考える。
第2回[対面/face to face]：田澤稲舟「しろばら」
明治20年代女性表現の多様性について考える。
第3回[対面/face to face]：田村俊子「生血」
『青鞜』文化を考える。
第4回[対面/face to face]：素木しず「三十三の死」
女性の「障がい」に関する語り・表現を考察する。
第5回[対面/face to face]：尾崎翠「歩行」
女性文学におけるモダニズムを考える。
第6回[対面/face to face]：江國香織「きらきらひかる」
ジェンダーの越境につて考える。
第7回[対面/face to face]：小山田浩子「工場」
現代の労働を女性の視点から考える。
第8回[対面/face to face]：村田沙耶香「信仰」
個の問題をシステムから考える。
第9回[対面/face to face]：川上未映子「春のこわいもの」
withコロナの時代の女性表現を考える。
第10回[対面/face to face]：学生の発表
意見交換
第11回[対面/face to face]：学生の発表
意見交換
第12回[対面/face to face]：まとめと筆記試験
全体を通した上での質問を受け付けた後、筆記試験を実施する。
※ 気に入った作品を一つ選んで、テーマを述べた後で、自分の意見を書く。６００～８００字程度。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業で扱う作品はできるだけ事前に読んでおいてほしい。どれも大学や公共図書館やサイトの「青空文庫」で読むことができる。各作品を読む時間は分量差や個人差があるので明記はできないが、最低約7～8時間はかかると思われるため、計画的に事前学習を進める必要がある。読んだ感想のメモをとっておくと良い。
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
特に指定はしない。各自、図書館等を利用してほしい。入手困難なものに関しては、コピーを配布する。詳しくは初回授業で説明する。
参考書References
長谷川啓・岩淵宏子編『ジェンダーで読む愛・性・家族』（東京堂出版・２００６）、今井素子他編『短編女性文学』（桜楓社、１９８７）、渡邊澄子編『短編女性文学 近代続』（おうふう、２００２・９）、女性文学会編『女性文学の近代』（双文社出版、１９９４・３）、安藤宏『日本近代小説史』（中央公論社・２０１５）、矢澤美佐紀『女性文学の現在ー貧困・労働・格差』（菁柿堂、２０１６）、矢澤美佐紀責任編集『日本女性文学全集第12巻』（六花出版、２０２０）他。
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席を前提とした授業態度（適宜、意見や感想を言ってもらう）が３0点、最後の筆記試験が70点の総合100点で成績をつける。
※ 筆記試験の内容
授業でとりあげた作品から一つを選び、その作品のテーマを簡潔に記した後に、自分の意見を記述に即して自由に述べてもらう。８００字～１０００程度。
採点基準としては、意見を述べる時の表現の単なる技巧的な上手さではなく、その課題に対して独自の視点があるかどうか、また考察するために作品をよく読み、課題に誠実に取り組んでいるかどうかといった学習態度を重視する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
単に教師が学生から意見を引き出すだけではなく、学生同士の意見交換を重視したい。また、質問には臨機応変に対応する。
その他の重要事項Others
オンライン実施の場合は、ZOOMでのリアルタイム授業とします。
その場合は、スマホではなくパソコンが望ましいと思います。カメラとマイク機能がついているかよく確認しておいてください。