通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
LAW300TB(法学 / law 300)親族法・相続法(夏期スクーリング)Law on Familly and Inheritance
和田 幹彦
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 和田 幹彦 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 夏期 |
期間Period | 1群午後 |
定員Capacity | |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
To learn the Japanese Family Law, and Law of Inheritance, the fourth and fifth books of the Japanese Civil Code.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
授業の概要と目的:
●民法典の「第4編 親族」「第5編 相続」の法解釈と、法改正論を取り上げます。学生各自が履修後には独自の解釈論を展開して論証できる能力と、法改正論を論じられる能力を身につけます。
●法学部生、他学部生とも、必ず人生で1度は深く考える「婚姻」や「夫婦別氏」、そして日本で比率がどんどん高まっている「離婚」を含む「民法・親族法」、さらに誰もが遭遇する「相続」の諸問題などを解りやすく解説し、学生は教師と一緒に「対話」をしながら考えていきます。
●「何を学ぶか」つまり授業の目的のキーワード:解釈・対話・親族法・相続法と法改正、そして「自分の頭で考える。正答は一つではない。」
到達目標Goal
●学生は、学説や判例を覚えるだけではなく、「正しい答えは一つではない」との大前提の下に、「自分の頭で考え」、親族法・相続法の説得的な解釈論を展開できる実力を身につけます。
●21世紀に入って、民法の第3編「債権法」とこのスクーリングの範囲である第5編「相続法」の大改正が、まさに行われました。
それに伴い、第1編の「総則」も 部分的に改正されています。
こうした「民法大改正」のうねりの中で、第4編「親族法」も民法改正と無縁ではありえません。
●まずは現行民法の親族法・相続法の法的論点について、独自の解釈論を展開し、根拠を論述できる能力を身につけます。
●さらに、どのような親族法・相続法の改正が必須か、例えば旧くて新しい問題としては「(選択的)夫婦別氏」、新しい課題では「同性婚の合法化」、そして憲法との関連では、「離婚後の未成年の子と、嫡出でない未成年の子の、片方の親のみによる『単独親権制度』は憲法違反で改正すべきか?」など、「民法、その中でも『親族編・相続編』の諸問題を、自分の頭で考え、法改正論を独自に論じ、根拠を論述する能力を身につけます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
●基本的に講義形式を取ります。しかし学生の自由な発言・質問を歓迎します。
●また、「質問用紙」を教室の前後に常備し、学生はいつでも質問を書いて教員に提出できます。
●学生は、学期中に数回、「質問用紙」に授業の質問、感想、批判、自分の説などを書き、提出します。(匿名可能です。)次回の授業でこれを教員が発表し、質問には応え、その他にはコメントします。
●学生は、指定された教科書の箇所を、次回の授業までに必ず予習します。
●学生は、法の解釈を学ぶには、一に条文、二に判例、三に学説を参照し、教師との対話を通して独自の説を建てる姿勢が大切です。法解釈でも、人生でも、答は一つではありません。
●学生皆さんが生きていく21世紀の日本では、国内外、社会・家庭、どこでも、他文化との接触に際し、紛争解決の手段としての「法」は、必要不可欠です。
●学生の皆さんが授業で学ぶ民法の「親族法・相続法」が、ただのテスト勉強に終わらず、卒業後の実務や家庭でも役立つように、教員が工夫して授業を進めます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション・民法立法過程
現行民法改正過程の前半(主に1946年)に関する講義&質疑応答
第2回[対面/face to face]:婚姻法
民法中の婚姻、特に婚姻の成立要件に関する講義&質疑応答
第3回[対面/face to face]:離婚法
民法中の離婚、特に離婚の成立要件に関する講義&質疑応答
第4回[対面/face to face]:婚外関係の法的処理
旧くは判例で「内縁」、現在社会では「事実婚」と呼ばれる(法律婚では無い)関係の保護に関する講義&質疑応答
第5回[対面/face to face]:実親子関係の発生:嫡出推定制度と認知制度
法的夫婦間にできた子ども および 法的婚姻関係に無い女性・男性の間の子ども 各々の法的地位の発生に関する講義&質疑応答
第6回[対面/face to face]:実親子関係の発生:人工生殖
不妊治療中、およびその他の場合の人工生殖により出生した子の実親子関係の発生に関する講義&質疑応答
第7回[対面/face to face]:相続人
胎児と相続
相続人の範囲
相続権の喪失・相続欠格と廃除
同時死亡の推定
第8回[対面/face to face]:相続の効力
相続財産の範囲
法定相続分
指定相続分
具体的相続分・特別受益、寄与分
第9回[対面/face to face]:遺産分割
遺産の共有
分割協議と利益相反
分割の効力
遺産分割の指定または禁止
第10回[対面/face to face]:相続の承認・放棄、財産分離、相続人の不存在
相続の承認と放棄
相続財産の分離
相続人の不存在
第11回[対面/face to face]:遺言とその効力・遺留分
遺言能力・普通方式遺言と特別方式遺言・効力発生時期・遺言の執行・遺言の撤回
遺留分制度の趣旨
遺留分権利者の範囲と遺留分の分割・遺留分算定の基礎になる財産・遺留分侵害額請求権・遺留分の放棄
第12回[対面/face to face]:試験とその解説・講評
60分の試験と、その直後に解説を行います。場合により模範的な解答例を示します。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
●学生は、各回に必ず教科書の予習箇所を指定するので、各自自宅で予習をすること。
●学生は、授業で扱った教科書の箇所と授業内容を必ず復習すること。
●準備(予習)・復習時間は、1回の授業につき各々2時間(合計4時間)である。
テキスト(教科書)Textbooks
二宮周平『家族法(第5版)』2019年刊、新世社、3400円+税
参考書References
特に無し
成績評価の方法と基準Grading criteria
●最終回の「試験」90点。●直後の「試験講評」へのアクティブラーニング参加で平常点10点。
●「試験」では、到達目標である:
1)親族法・相続法の学説や判例を覚えるだけではなく、「正しい答えは一つではない」との大前提の下に、自分の頭で考え、独自に親族法の説得的な解釈論を展開できる能力
2) 親族法・相続法の改正論の諸問題を、「正しい答えは一つではない」との大前提の下に、自分の頭で考え、独自に論じ、根拠を論述する能力
以上2点を身につけたかどうかを評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
●質問をしやすい環境を整備します。
●授業のスピードを速くしすぎず、学生がフォローしやすいテンポにします。
●「目からも学ぶ」ことを重視し、DVD、ブルーレイ教材を使います。
●教科書や参考書にもないが、法解釈や、民法・法学・法そのものの理解に役に立つ「手がかり」を挿入し、授業を聞きやすくします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特に無し
その他の重要事項Others
●民法の「総則」「物権」「債権」の範囲に該当する科目をなるべく履修していること(特に「物権」)が望まれますが、義務ではありません。
●銀行に6年余り法務担当で勤務した実経験のある教員による授業です。ドイツ法・スイス法・日本民法の違いを意識しながら、例えば「国際関係にある親族法・相続法」などにも言及しながら授業を行います。