スポーツ健康学研究科Graduate School of Sports and Health Studies
SOC500I1(社会学 / Sociology 500)スポーツジャーナリズム特論Advanced Lectures in Sports Journalism
山本 浩Hiroshi YAMAMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | スポーツ健康学研究科Graduate School of Sports and Health Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | S7040 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水2/Web.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリー |
修士課程授業科目/Master's Course 展開科目(スポーツマネジメント科目群)/Advanced courses(sport management program) |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
We could notice there are two doors to walk through, in order to study various fields or sport journalism. Focusing on the outcome and consequences of winning and losing, the increasing number of themes such as what sports should be in the current situation and how athletes are responding reflects that. The other one, examining elements which constitute backgrounds of the matter that shook our sporting world. Even if it is a sport in a word, the acceptance of people and society is not identical, depending on the country, region, and era. When sports become the subject of journalism, those who interpret it must be aware of the contemporary frame of sport behind individual tone and analysis.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
ジャーナリズムを研究するにあたって、くぐることのできる二つの入口がある。一つは勝敗の行方や帰結に焦点を当て、伝える者が何を見どう理解、分析し表現してきたかをつぶさに検証すること。もう一つは、時々の社会を揺さぶった事象に焦点を当て、変化を来した要素から始まって報道に目を向けるやり方である。背景にどんな思想があったのか、現況下でスポーツはどうあるべきか、アスリートがどう対応しているかといったテーマの増加がそれを反映している。一言でスポーツといっても、国により地域によりまた時代により、人々と社会の受け止めは一様でない。スポーツがジャーナリズムの対象になるとき、それを読み解く者は個々の論調や分析の後ろにあるスポーツの現代的フレームを知っておかなければならない。この特論では、具体的なジャーナリズムの論調を、時々のトピックを彩った組織や体制と見比べながら、現代のスポーツ報道を深層から掘り起こす。
到達目標Goal
スポーツにはいつの時代も、政治・経済・社会・外交などが何らかの影を落としてきた。そんな中で現代スポーツは、メディアの波に乗ってその価値を過去とは比べものにならないほど大きく膨張させている。
この講義の設定する目標は二つである。
①こうした環境下で伝えられるスポーツに関わる報道を、鋭く分析し、深く読み解く力を手にする。そのために、伝えられる世界観や社会正義を導く、メディアの周りの因子を探し出す。
②一方で、鋭い観察眼で説得力のある論調を文章化し、言葉で伝える能力を身につける。メディアの立場に立ったつもりで、持論の展開を具体的に実施する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP6」「DP7」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
スポーツ界に普遍的なテーマを設定し講義を進める。過去、社会を揺るがした出来事に焦点を当てることもあれば、現在のジャーナルな論点もある。スポーツ報道がどのように行われるのか。社会はどのようなリアクションを見せるのか。それに向き合う私たちはどう理解すれば良いのか。具体的な報道や論評を随時ひもときながら、①歴史に基づいた②法に従った③経済原則を考慮した分析を問う。特論の中で、受講生には積極的にその考え方を聞いていく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回[対面/face to face]:ガイダンス。
スポーツジャーナリズムの特性と歴史を説く。ジャーナリズムが近年問われてきた問題点を取り上げる。
2回[対面/face to face]:東京オリンピック・パラリンピック報道検証〜ゆれた期待〜。
日本中を巻き込んだメガイベント関連報道の波乱に富んだ一年半を追う。
3回[対面/face to face]:プリント(活字)ジャーナリズムの仕組みとその視点を探る。
紙媒体で始まった活字ジャーナリズムも現代はスクリーン上で勝負する時代である。その速報性、紙媒体との両立という難題に向かう今を見る。
4回[対面/face to face]:電波ジャーナリズムの現代的変容はどう進んだか。
具体性と同時体験を提示しながらテレビには、スポーツジャーナリズムを牽引する時代もあった。それが今やモバイルにとって代わられようとしている。
5回[対面/face to face]:学校体育と部活動を考える。
2023年を目途に進められる学校部活動の週末外部委託を、ジャーナリズムはどう捉えてきたか。
6回[対面/face to face]:東西対決とドーピング。
世界が注目するメダル争いは政治の世界を巻き込み、「勝つことのみが善」であると信じて突き進む勢力を生んだ。スポーツが政治に最も翻弄された時代はどのように報道されてきたのか。
7回[対面/face to face]:アマチュアとプロフェッショナル。
商業化はプロ化の促進に弾みを付けた。しかしプロ化を促したのは金だけではない。私たちの社会そのものがプロ化を進める条件を整備し始めていた。アマチュア援護の報道がプロ容認に変わる時代を確認する。
8回[対面/face to face]:障がい者スポーツの捉え方。
障がい者スポーツが競技性を高めるにつれ、生活面や健康面で扱われていたものがスポーツ面に移動するようになる。ジャーナリズムの振れを検証する。
9回[対面/face to face]:プロサッカーが生んだ地域化の流れを追う。
長らくスポーツといえばプロ野球が中心で、それは巨人に象徴される、全国民を味方にするチームづくりであった。Jリーグの発足はそこにくさびを打ち、新たに「地域」の視点を掘り起こした。
10回[対面/face to face]:生涯スポーツという発想はどう伝えられてきたか。
健康とスポーツの結びつきは、共同体の再構築だけでなく、高齢者対策、少子化などとも密接な関係がある。そこに食らいつくスポーツジャーナリズムは少ない。
11回[対面/face to face]:野球界の隆盛、波乱と再興。
日本のスポーツジャーナリズムで常に主役を張ってきたのは戦前から一貫して野球であった。興行としてだけではなく、教育、文化にも大きな影響を与え続けてきた野球が、スポーツジャーナリズムにどんな貢献をしてきたかを探る。
12回[対面/face to face]:スポーツ界の男女同権と繰り返される人種差別。
男女同権への流れが進む一方で、人種差別、LGBTへの対応などスポーツ界はまだ多くの問題をはらんでいる。ジャーナリズムの主張をつぶさに見る。
13回[対面/face to face]:暴力的指導と組織のコンプライアンス。
暴力的な指導に加え団体の補助金の不正運用などガバナンス、コンプライアンスが問われ続けるのはいったいなぜか。日本社会のスポーツ観を視野に入れながら、さまざまな報道を分析する。
14回[対面/face to face]:スポーツへの政治介入。
スポーツがその存在感を深めるにつれ、政治の介入は度を増している。ジャーナリズムがそれに対してどう対応してきたのか検証する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
スポーツニュースに敏感になると同時に、政治・経済・社会の出来事に常にアンテナを張っておく。社会を揺るがすスポーツ界の問題には、自分なりのメモを書きためておく。SNSの力が強い現代社会で、ことの真偽を自ら確かめようとする姿勢を大切にし、大衆の支持する世界観に自分も与ってしかるべきどうか、厳しく問い詰めてもらいたい。なお、世界のスポーツジャーナリズムに対しても積極的に分け入ること。本授業の準備学習・復習時間は各 2 時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
特定のテキストは使用せず。
新聞、テレビ、インターネットの報道を随時利用。
参考書References
「ジャーナリズム」 朝日新聞社 月刊
「放送研究と調査」NHK総合文化研究所 月刊
新聞各紙のコラムや社説、論評
成績評価の方法と基準Grading criteria
スポーツ事象に対する切り込み方、伝える為の構成、スポーツ世界観の広さを、随時要求する。
講義毎のリアクション、意見表明、主張など50%。講義の度に課す小課題 50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
国内ジャーナリズムだけでなく、海外の素材も積極的に導入する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン使用のこと。貸与パソコンが必要な場合は、担当教員に宛ててあらかじめ申請を求めたい。
その他の重要事項Others
フィールドワーク(なし)としているが、訪問先に可能性があれば受講生と相談の上実施することもあり得る。