国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
SOS500G1-405(その他の社会科学 / Social science 500)国際協力論International Assistance
歴史・社会影響・人材育成・地域協力から考える
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X2048 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
【Course outline】
This course aims to question our common sense related to international development cooperation and to discuss the superior/inferior "culture" behind it.
【Learning Objectives】
By the end of the course, students should be able to do the following:
1) to explain the concept of the technical terms covered at the class
2) to read the relevant literature critically
3) to express her/his opinion logically reflecting the literature or other opinions
【Learning activities outside of classroom】
Before each class meeting, students will be expected to have read the relevant literature assigned beforehand, and after the class, students will be expected to have completed the required assignments. Your study time will be more than four hours for a class.
【Grading Criteria /Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following
-Reading assignments and presentation at the class meeting: 60%
-Short reports after each class meeting: 20%
-Class contribution: 20%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では、国際開発協力で取り上げられる様々な「当たり前」を問い直し、「当たり前」の背景に存在する優位・劣位に立つ文化について考える。授業を通じて、履修した学生は、当初思いこんでいた「善い開発」を批判的に捉える分析軸を修得する。
到達目標Goal
(1) 授業で取り上げた概念や術語(テクニカルターム)について説明できる。
(2) 当該分野の文献を批判的に読むことができる。
(3) 課題文献や授業内の議論を踏まえて論理的に自分の考えを述べられる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP3」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
■基本方針:入国できない留学生や基礎疾患を持つ学生に配慮しリアルタイムオンライン授業で実施する。授業効果など、履修者の希望があれば対面授業に切り替える可能性はある。
■第1回は教員が担当し、第2回からは事前課題文献(日本語)をもとに学生が発表・議論する。進め方は以下の通り。
(1)履修者全員が事前課題文献(20頁程度を想定)を熟読し、①「この文献から重要だと考えた点」を最低3つ、②そう考えた理由、③そこから導いた論点(履修者同士で議論したい点)を発表する。
(2)(1)を共有した上で、履修者の間でその日議論したい点を絞り(全ての論点でもよい)議論する。
(3)必要に応じて教員が補足授業を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:イントロダクション
授業内容についての説明、発表担当者の割り振りなど。
第2回[オンライン/online]:質を測ること
国際協力の前提である「不足」は測ることの意味を考える。
第3回[オンライン/online]:貧しい人が持っているもの
貧しい人は何も持っていないわけではない。「不足」ではなく「充足」に目を向けてみる。
第4回[オンライン/online]:1つの事例から言えること
国際文化研究では事例を扱うことが多い。1つの事例から言えることは何か、考える。
第5回[オンライン/online]:分業が生み出したもの
分業はどういう社会を作ったのかを考える。
第6回[オンライン/online]:予想できないこと
開発協力では事前調査が重要だと言われる一方で「想定外」も多い。開発協力の「想定外」について考える。
第7回[オンライン/online]:支援が届かないこと
緊急援助物資が届かないという批判はよく耳にする。そのメカニズムを考える。
第8回[オンライン/online]:資源があること
資源がないことが問題だと思われがちだが、資源があることは幸せなのか、考える。
第9回[オンライン/online]:「貧しい国」が援助すること
「先進国」ではない国も対外協力を行っている。援助は余裕のある国や人がやることなのか考える。
第10回[オンライン/online]:必要な組織ができないこと
国際協力を効果的に行うための組織がなかなか作られない背景を考える。
第11回[オンライン/online]:お手本を示すこと
国際協力にとって、お手本(モデル)とは何かを考える。
第12回[オンライン/online]:成功すること
失敗して止めれば失敗、成功するまで続ければ成功。国際協力の成功とは何かを考える。
第13回[オンライン/online]:依存すること
開発協力の目的は「自立」だというが、依存することは問題なのか、考える。
第14回[オンライン/online]:総合討議
春学期の授業全体を振り返った論点を抽出し、議論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前課題文献は時間をかけて読み、課題に取り組むこと。
・毎回の授業で学んだことを短く学習支援システムに投稿すること。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
佐藤仁(2016)『野蛮から生存の開発論―越境する援助のデザイン―』(ミネルヴァ書房)
参考書References
授業の中で指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
(1)事前課題・発表60%(文献の理解、批判的考察、説得力のある論点抽出)
(2)授業後課題20%(授業内容の理解度)
(3)平常点20%(授業での積極的な発言・議論のファシリテート)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
Jamboardのようなブレインストーミング用のアプリを使用することで、授業中の議論をスムーズにファシリテートできる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン、およびZoom 等のリアルタイムのオンライン授業が可能な通信環境。
その他の重要事項Others
・国際協力に15年近く携わった教員が具体的な経験に基づく事例も紹介しながらコメントする。
・履修者の研究関心によって、授業内容や課題文献を若干変更することがある。
担当教員の専門分野等
<専門領域>国際開発研究
<研究テーマ>影響評価、国際組織、開発援助、NGO、メコン地域の開発と環境
<主要研究業績>
『国際協力と想像力』(主編者、日本評論社、2021年)
『調査と権力』(単著、東大出版会、2014 年)
『NGO と世界銀行』(主編者、ミネルヴァ書房、2012 年)
『人々の資源論』(分担執筆、明石書店、2008 年9 月)
『シリーズ国際開発 生活と開発』(分担執筆、日本評論社、2005 年9 月)
※詳しい研究業績は以下を参照のこと。
https://kenkyu-web.hosei.ac.jp/Profiles/29/0002838/detail.html?lang=ja&achievement=chosho