国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
SOS500G1-209(その他の社会科学 / Social science 500)多民族共生論ⅠBMultiethnic Coexistence Ⅰ B
先住民族と国際法ー国際文化からのまなざしー
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X2028 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金5/Fri.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
【Course Outline】
The theme of this course is the indigenous people and international law. Although the students who will be enrolled for the Graduate School of Intercultural Communication may have little knowledge on international law, this course will enable students to understand the way how the international laws have treated culture and the livelihoods of the indigenous people.
【Learning Objectives】
By the end of the course, students should be able to do the followings:
1) Explaining how the International Law has treated the rights of the indigenous people.
2) Explaining how the Intercultural Studies relates to the International Law in terms of indigenous people's rights analytically.
3) Explaining the summary of the academic literature in the International Law.
【Learning Activities】
Before each class meeting, students will be expected to have read the assigned literature. Your study time will be more than four hours for a class.
【Grading Criteria / Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following
1) Extent of understanding about the assigned literature including the presentation based on your reading: 60%
2) Short reports on your own research: 20%
3) In class contribution: 20%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業は「先住民族と国際法」をテーマとする。国際法の知識のない国際文化研究科の学生が履修するため、先住民族の生活や文化を国際法ではどのように扱うのかを「他流試合」として学び、理解したうえで、「国際文化」の視点からこのテーマについて批判的に考える。
到達目標Goal
(1)国際法学では先住民族の権利をどのように捉えてきたのかを説明できる。
(2)国際文化と国際法の繋がりを分析的に説明できる。
(3)当該分野の専門的な文献を読んで要点を説明できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP3」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
■基本方針:入国できない留学生や基礎疾患を持つ学生に配慮しリアルタイムオンライン授業で実施する。授業効果など、履修者の希望があれば対面授業に切り替える可能性はある。
■第1回は教員が担当し、第2回からは事前課題文献をもとに学生が発表・議論する。進め方は以下の通り。
(1)履修者全員が事前課題文献を熟読し、①「文献の簡潔な要約」(15分以内)、②「この文献から重要だと考えた点」とそう考えた理由、③そこから導いた論点(履修者同士で議論したい点)を発表する。なお、専門外の分野に関する文献なので、わからない用語は事前に調べレジュメに書き込んでおく。
(2)(1)を共有した上で、履修者の間でその日議論したい点を絞り(全ての論点でもよい)議論する。
(3)必要に応じて教員が補足授業を行う。
(4)例年通り、各自の研究進捗報告とコメントを行う。
[例]研究計画(問題意識、研究の問い、先行研究、研究方法、期待される研究意義など)/既存文献レビューの要点とそこから見つけたこと/その時点での悩みや教員・学生の意見を聞きたい点、などの共有・相談・議論。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:イントロダクション
授業の狙い、課題文献を説明し履修者の関心を聞き取る。それにしたがって授業内容を変更・確定する。発表の担当者を決める。また、文献の読み方や論点の意味について解説する。
2[オンライン/online]:国際法創設過程と先住民族
20世紀初頭までの先住民族の法的位置づけについて考える。
3[オンライン/online]:先住民族権利運動
先住民族権利運動の高まりと国連宣言に到る道のりをひもとく。
4[オンライン/online]:国連宣言への抵抗
先住民族の権利を守る国連宣言に対するアフリカからの「抵抗」について考える。
5[オンライン/online]:国連宣言の実施
国連宣言が国際機関等でその後どのように実施されているのかを学ぶ。
6[オンライン/online]:国際法と文化
第5回までの学びを踏まえて、国際人権法を文化の視点で捉えてみる。
7[オンライン/online]:履修者による発表
履修者による研究発表と質疑応答を実施する。
8[オンライン/online]:先住民族と土地
ラテンアメリカを事例に、先住民族の土地に対する権利について考える。
9[オンライン/online]:「人民の権利」と先住民族
バンジュール憲章における「人民の権利」について学び、先住民族への適用を考える。
10[オンライン/online]:自由権規約と先住民族
自由権規約第27条に焦点を当て、先住民族の集団的権利について考える。
11[オンライン/online]:社会権規約・人種差別撤廃条約と先住民族
社会権規約第15条や人種差別撤廃条約の起草過程から先住民族の集団的権利について考える。
12[オンライン/online]:FPIC原則と先住民族
自由で、事前に十分な情報を提供した上での合意(FPIC)原則をめぐる論争を通して国際機関の義務について考える。
13[オンライン/online]:国際法学と先住民族
これまでの授業を通して、国際法学や権利運動の意義について考える。
14[オンライン/online]:総合討論
「国際文化」の視点から授業全体を再構成し、意味ある論点を抽出して議論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前課題文献は時間をかけて読み、課題に取り組むこと。
・毎回の授業で学んだことを短く学習支援システムに投稿すること。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
小坂田裕子(2017)『先住民族と国際法――剥奪の歴史から権利の承認へ――』(信山社)。
参考書References
適宜授業で紹介するとともに、必要に応じて学習支援システムの「教材」で共有する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
(1)事前課題・発表60%(文献の正しい理解、説得力のある論点の抽出)
(2)平常20%(授業での積極的な発言・議論のファシリテート)
(3)研究報告20%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
Jamboard のようなブレインストーミング用のアプリを使用することで、授業中の議論をスムーズにファシリテートできる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン、およびZoom等のオンライン授業に必要な通信環境。
その他の重要事項Others
・国際金融機関の先住民族政策を含むセーフガード政策の改善を働きかける活動にNGO職員として関わっていた教員が、その経験を発表へのコメントや補足講義に活かす。
・履修者の人数や語学力によって課題文献は柔軟に対応する。希望があれば、Esman, M.J. and Herring, R.J. eds, 2001, Carrots, sticks, and the ethnic conflict: rethinking development assistance, The University of Michigan Press.を課題文献として使用する。
・履修者の研究に関する発表や議論を柔軟に組み入れる。
担当教員の専門分野等
<専門領域>国際開発研究
<研究テーマ>影響評価、国際組織、開発援助、NGO、メコン地域の開発と環境
<主要研究業績>
『国際協力と想像力』(主編者、日本評論社、2021年)
『調査と権力』(単著、東大出版会、2014年)
『NGOと世界銀行』(主編者、ミネルヴァ書房、2012年)
『人々の資源論』(分担執筆、明石書店、2008年9月)
『シリーズ国際開発 生活と開発』(分担執筆、日本評論社、2005年9月)
※詳しい研究業績は以下を参照のこと。
https://kenkyu-web.hosei.ac.jp/Profiles/29/0002838/detail.html?lang=ja&achievement=chosho