国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
POL500G1－114（政治学 / Politics 500）異文化社会論ⅠＡPerspectives on Diverse Cultures & SocietiesⅠ A
地域と国際関係：植民地社会からのアプローチ
今泉 裕美子Yumiko IMAIZUMI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X2016 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This course will introduce students to understand colonial society consisting of diverse cultural backgrounds under colonial system of international relations. As we focus on Okinawa, students will seek to understand this region through themes include global process of colonization and decolonization, nationalism and identity, militarization as neocolonialism reflecting the complex nature of contemporary global issues. Students will be also familiar with International Studies and Regional Studies.
【Learning Objectives】
Students will be able to:
①Understand “region” as an actor to develop and change international relations．
②Analyze the issues of colonial societies in the evolution of international relations with understanding of relevant concepts, theories, and thought.
③Critically analyze information and documents pertaining to Okinawa, setting them in historical context and in interdisciplinary perspective.
【Methods】
①Students are expected to read assigned readings and related material to be able to engage in active discussion prior to the class. Presenter should upload resume or Power Point of summary and discussion topics of assigned reading via Hoppii until 4-hour before the class. Other students should prepare for comments and questions.
②Students are expected to discuss the topics based on students’ research field and subject.
③Each student should submit presentation feedback or essay via Hoppii when they are required.
④Schedule is subject to change depending on present situation both at home and abroad related Okinawa or students’ interests and understanding.
【Learning activities outside of classroom】
Based on the 【Methods】, the standard time required for preparatory study and review for this course are 2 hours each.
【Grading Criteria /Policy】
Participation and contribution:30%; Presentation :30 %; Essay and feedback:40%
Students are required to take more than 60% score in total to pass．
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
異なる文化をもつ人（及びその集団）同士の関係から植民地社会を捉え、その形成、脱植民地化のプロセスを、人のくらし、移動、諸運動、思想から理解することで、植民地社会が国際関係をどう作り、支え、変化させているのかを学びます。そこで、植民地社会としての経験/現状をもつ地域をとりあげ、考察します。本年度は「沖縄」を対象とし、「復帰50年」を迎える沖縄の現状を見据えながら議論します。沖縄の歴史と特徴を日本、東アジア、太平洋という地域の中で学び、これら地域を作り、支え、変化させる主体として捉え直します。
特定の地域を深く考察することで、地域研究の方法にも理解を深めると同時に、現代世界のなかで植民地としての歴史を持つ、あるいは今なお植民地的状況にある諸地域社会に生じる事象、問題の理解につなげます。
到達目標Goal
①国際関係の行為体としての「地域」概念を理解できる。
②植民地社会を分析する視点と方法、鍵となる概念、理論、思想が理解できる。
③沖縄に関する情報を歴史的文脈のなかで、学際的な方法を通じて批判的に分析できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち，「DP1」，「DP2」，「DP3」，「DP4」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
①毎回報告者を決め、文献や資料についてレジュメもしくはパワーポイントを作成し、授業開始4時間まえまでに学習支援システムの指定された掲示板にアップロードする。報告者は議論するトピックスを選び、非報告者も質問やコメントを準備する。
②自分の研究テーマや専門分野に引き付けて考え、議論する。
③プレゼンテーションに対するフィードバックやレポートを文書にて提出することを求めることがある。提出は学習支援システムを通じて指示された方法で提出する。
④授業テーマに関連する国内外の情勢、受講生の理解度、関心に応じて授業計画を一部変更することがある。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]：オリエンテーション―沖縄にっとての「復帰50年」とは
授業の目的と内容の説明、受講生の関心を聞く。
2 [オンライン/online]：沖縄を「植民地」の視点から捉えるとは①-沖縄近現代史の特徴
テキスト(a)を中心に学ぶ。
3 [オンライン/online]：沖縄を「植民地」の視点から捉えるとは②-古琉球・近世琉球
テキスト（C）(d)を中心に学ぶ。
4 [オンライン/online]：沖縄を「植民地」の視点から捉えるとは③‐1990年代の「琉球独立論」をめぐって
テキスト(b)(e）を中心に学ぶ。
5 [オンライン/online]：米軍占領下の沖縄①
テキスト（f）「Ⅰの一、戦争と占領を衝く」
6[オンライン/online]：米軍占領下の沖縄②
テキスト（f）「Ⅰの二、焦点となった復帰」
7[オンライン/online]：復帰後の沖縄①
テキスト（f）「Ⅱの一、文化意識の再構築」
8[オンライン/online]：復帰後の沖縄②
テキスト（f）「Ⅱの二、問われゆく復帰」前半
9[オンライン/online]：復帰後の沖縄③
テキスト（f）「Ⅱの二、問われゆく復帰」後半と「むすびー沖縄のいまへ」「付 沖縄戦という体験と記録」
10[オンライン/online]：中間のまとめ
ここまでの授業の論点を整理し、後半の授業につなげる。
11[オンライン/online]：受講生の関心に基づくテーマ①
テーマに関する文献、映像などを選びディスカッションする。
12[オンライン/online]：受講生の関心に基づくテーマ②
テーマに関する文献、映像などを選びディスカッションする。
13[オンライン/online]：受講生の関心に基づくテーマ③
テーマに関する文献、映像などを選びディスカッションする。
14[オンライン/online]：まとめ
本授業の内容を総括する。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
(a) 鹿野政直「周辺から 沖縄」歴史学研究会『国民国家を問う』青木書店、1994年。（『化生する歴史学』校倉書房、1998年に再所収）。
(b)『週刊金曜日-「沖縄独立論」を考える』1997年6月20日
(c)高良倉吉「風土と人間‐強い自己意識をもつ島々」安里進他編『沖縄県の歴史』2004年。
(d)豊見山和他編『琉球・沖縄と海上の道』吉川弘文館、2005年。
(e)上村英明他編著『市民の外交』法政大学出版会、2013年。
(f)鹿野政直『沖縄の戦後思想を考える』（岩波現代文庫版）岩波書店、2018年。
参考書References
「沖縄を知る事典」編集委員会編『沖縄を知る事典』日本アソシエーツ、2000年。
「沖縄を知る事典」編集委員会『沖縄を深く知る事典』日本アソシエーツ、2003年。
新沖縄フォーラム刊行会議『けーし風』各号。
越境広場刊行委員会『越境広場』各号。
成績評価の方法と基準Grading criteria
【授業の進め方と方法】に基づき以下の配分で評価する。
授業への参加度・貢献度30％、報告30％、レポートなどの提出物40％。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
N/A
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・ZOOMでのオンラインライブ授業に必要な通信機器を準備する。
・動画や画像を配信する場合があるため、安定的な接続、通信容量に制限がない環境で受講する。
その他の重要事項Others
・連絡や報告レジュメは学習支援システムの掲示板にて行うため、投稿通知の連絡が入るよう設定すること。
・やむを得ない事情で欠席する場合は事前に連絡すること。事前に連絡出来ないタイミングでやむを得ない事情が生じて欠席した場合は、事後に速やかに連絡すること。
・社会情勢の変化、これに伴う大学の方針によって授業形態が変化する場合は通知する。
・沖縄県県史、県内の市史など地方自治体史の編さん、執筆に関わって来た。研究では日本、ミクロネシアでの聞き取り、米国議会図書館のNan’yo Collectionや琉球大学付属図書館矢内原忠雄文庫（資料整理を記念して開催された展示会目録https://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/library/digia/tenji/yanai/h7300.html）など複数の機関で、旧南洋群島関係の史料の発掘、整理、公開に関わった。「大文字の歴史」と「小文字の歴史」の関係を、史資料の発掘、分析と同時に、地域住民の経験をどう記録し、歴史として次世代に継承するか、そのための聞き取りの方法、地域外の研究者として地域にいかに関わるのか、を追究している。これらのことを受講生とともに考えてゆきたい。
担当教員の専門分野等
法政大学学術研究データベース https://kenkyu-web.hosei.ac.jp/Profiles/18/0001794/profile.html を参照。