国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
ART500G1－113（芸術学 / Art studies 500）多文化芸術論ⅡMulticultural Perspectives on Art and Media Ⅰ
フランコフォニー文学と社会
廣松 勲Isao HIROMATSU
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X2015 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This course introduces the foundations of literature of French speaking world (especially in the Americas) to students taking this course. They can learn also the methodology of literary research while reading literary text and social context at the same time.
The goals of this course are to unerstanding and explaining the socio-cultural situation of francophony literature.
Before and after each class meeting,students will be expected to spend four hours to read the relevant documents.
Your overall grade in the class will be decided based on the followings:
in class contributions (discussion, reaction paper, etc): 30%, term-end report: 70%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
複数文化に跨る社会文化的現象を分析するために、この授業では「カナダ・ケベック州」と「カリブ海域諸島のフランス海外県」という、2つの「フランス語圏（フランコフォニー）」に注目する。いずれの地域もアメリカ大陸の一部であり、当然ながら「英語圏（アングロフォニー）」とも密接に関わる地域である。
これらの地域の芸術作品は、作品の形式的側面に集中した「内在分析」だけではとらえ切れない豊饒な問題系を抱えている。そのため、文学・映画テクストに「社会学的なテクスト分析」を施すことで、テクストとコンテクストとの独特の繋がりを、各地域の芸術作品において分析する。
このような具体的な作品分析を行うために、事前に各地域の社会文化的・言語学的状況を紹介することになる。
到達目標Goal
この授業では、複数の言語・文化が併存する地域において生産される芸術作品（主に文学と映画）を分析対象として、いかに社会文化的現象が芸術作品に書き込まれるのかを検討する。
とりわけ、英語文化とフランス語文化が併存する「カナダ・ケベック州」、そしてフランス語文化とクレオール語文化が併存する「カリブ海域諸島」を中心にしつつ、学生には文学・映画テクストの「社会学的なテクスト分析」の方法を身に付けてもらうことを目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち，「DP1」の達成のために特に重要であり，「DP2」と「DP3」の達成のために重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
日本語による講義を行う。受講者は関心のあるテーマまたは作品について調査・分析を行い、それを基にした期末レポートを提出してもらう。
なお、期末レポートについては、フランスまたはフランス語圏に少しでも関連させるならば、自らの研究テーマに即した発表を行うこともできる（比較分析など）。
さらに、毎回の授業においてコメントシートを提出してもらうことで、学生の理解度・考えなどを把握しておきたい。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション：フランス語圏とは何か？
「フランコフォニー」や「アングロフォニー」の歴史・地理
第2回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏①
カリブ海域諸島の社会文化的・言語学的状況
第3回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏②
エメ・セゼールの長編詩『帰郷ノート』
第4回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏③
エドゥアール・グリッサンの小説『レザルド川』
第5回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏④
パトリック・シャモワゾーの小説『素晴らしきソリボ』
第6回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏⑤
カリブ海域諸島の思想
第7回[対面/face to face]：カリブ海域諸島のフランス語圏⑥
カリブ海域諸島の映画：『マルチニックの少年』
第8回[対面/face to face]：カナダ・ケベック州のフランス語圏①
カナダ・ケベック州の社会文化的・言語学的状況
第9回[対面/face to face]：カナダ・ケベック州のフランス語圏②
ジャック・ゴドブーの小説『やぁ、ガラルノー！』
第10回[対面/face to face]：カナダ・ケベック州のフランス語圏③
エミール・オリヴィエの小説『パッサージュ』（邦訳なし）
第11回[対面/face to face]：カナダ・ケベック州のフランス語圏④
ダニー・ラフェリエールの小説『吾輩は日本作家である』
第12回[対面/face to face]：カナダ・ケベック州のフランス語圏⑤
カナダ・ケベック州の思想
第13回[対面/face to face]：カリブ海域諸島からケベック州へ
カリブ海域とケベック州とのつながり：セゼールのドキュメンタリ－を介して
第14回[対面/face to face]：総括
社会と芸術とのつながり方
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・本講義で扱う文学作品については、1作を除いて、ほぼ全て邦訳が存在する。受講生には、できるだけ翻訳文献にも触れておいて欲しい。
・授業で扱うアメリカ大陸のフランス語圏については、それぞれ自分自身でも社会状況などを事前に調べておいて欲しい。本授業の準備学習・復習時間は、合計4時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
・特になし。
・毎回資料を配布します。
参考書References
・平野千香子著『フランス植民地主義の歴史』人文書院，2002年．
・鳥羽美鈴著『多様性のなかのフランス語』関西学院大学出版会，2012年．
・秋田茂著『イギリス帝国の歴史』中公新書，2012年．
・井野瀬久美惠著『興亡の世界史 大英帝国という経験』講談社学術文庫，2017年．
成績評価の方法と基準Grading criteria
・平常点と期末レポートに基づき、総合的に評価する。
①平常点（コメントシートなど）：30%
②期末レポート：70%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・主に講義科目ではあるが、できるだけ学生が自らの考え・反応などを講義中に述べられるような雰囲気づくりに努めたい。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞フランコフォニー文学
＜研究テーマ＞ 脱植民地化以後のメランコリー、トランスカルチャ－等
＜主要研究業績＞ "Mélancolie postcoloniale : relecture de la mémoire collective et du lieu d'appartenance identitaire chez Patrick Chamoiseau et Émile Ollivier"（モントリオール大学提出博士論文）