国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
HIS500G1-111(史学 / History 500)多文化相関論ⅢMulticultural Interrelations Ⅲ
歴史学の諸アプローチ
佐々木 一惠Motoe SASAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X2013 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
The course introduces basic historiographical issues in the discipline of history. Students are expected to develop the ability to apply historical methods of inquiry to the analysis of their Master's theses/Research papers.
By the end of the course, students are expected to be able to: 1) understand the methodological developments in the discipline of modern history and 2) write research papers based on historical methodology using primary sources.
Students will be expected to read assigned materials and upload one-page summary of the assigned text and the points of interest to Google Classroom before class begins. Presenters of assigned materials should prepare presentations in PowerPoint format.
The final grade is determined by presentations (70%) and assignments (30%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では、歴史学における方法論的展開の概要を理解することを目指します。また、歴史学の方法論に基づき研究論文を執筆していけるようになることを目的とします。今年度は昨今注目されている<感情の歴史学>をテーマに議論していきます。
到達目標Goal
1.歴史学におけるこれまでの方法論的特徴とその展開について理解できるようになる。
2.歴史学の方法論に基づき一次史料を用いて研究論文を書いていけるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」の達成のために特に重要であり,「DP2」と「DP3」の達成のために重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
この授業はZoomで行います。文献の概要を発表者がパワー・ポイントを用いて発表した後、各自がGoogle Classroomにアップロードしたコメントをベースにディスカッションを行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回[オンライン/online]:イントロダクション
授業概要の説明
2回[オンライン/online]:感情と資本主義
・経済効率を求めて
・資本主義の論理による親密生
・感情市場
【テキスト】
◎エヴァ・イロウズ、ヤーラ・ベンガー・アラルフ「感情資本主義」
3回[オンライン/online]:動物に対する感情
・19世紀の隠された感情
・20世紀からの感情の解放
・投影ではない読解と翻訳
・感情から行動
【テキスト】
◎エリック・バラデー「動物への情愛」
4回[オンライン/online]:強制収容所と感情
・感情と強制収容所の権力
・抑留者ー感情をもたない存在?
・物語と証言
・継承とポストメモリー
・博物館で、学校で
・矯正腫瘍状の歴史家と感情
【テキスト】
◎サラ・ジャンズビュルジェ「強制収容所の世界ーそれでもない情動が」
5回[オンライン/online]:虐殺と感情
・怪物ー快楽と残酷
・反=怪物ー「普通の人々」にかけられた麻酔
・人がそれほど普通ではない時には
・死の労働者たちー嫌気、疲労、そして無関心
【テキスト】
◎リシャール・レクトマン「ジェノサイド実行者は殺害時に何を感じているのか」
6回[オンライン/online]:移民・難民収容所と感情
・世界の動揺ー「自分が人間だと実感する」
・燃え上がる憎悪の中で、好ましからざる者の発明
・保護権と収容所ー疑わしき追放から授任された憐れみまで
・希望に導かれて
【テキスト】
◎ミシェル・ペラルディ「壁と涙ー難民、国外亡命者、移民」
7回[オンライン/online]:病・死と感情
・変容した身体、感情、公共空間
・喪服と苦痛
・身体と魂をケアする
【テクスト】
◎アンヌ・キャロル「身体潰走ー病と死に向き合って」
8回[オンライン/online]:不安と感情
・文明への不安
・安全を脅かされるという定義しがたい感覚
・怖れの混交
・大いなる怖れ
・不安の系譜学ー堆積した怖れの記憶
【テクスト】
◎ジャン
ジャック・クルティーヌ「不安の時代の『怖れ』」
9回[オンライン/online]:恥と感情
・恥と屈辱
・恥をかかせようとする意志
・他者として他者を軽蔑する
・エンターテイメントとしての屈辱
・主観的に感知される蔑み
・恥辱キャンペーンがもたらす驚くべき代償
・恥の法則
【テクスト】
◎クロディーヌ・アロシュ「屈辱感ー貶す、蔑む、引きずり落とす」
10回[オンライン/online]:性・恋愛と感情
・危険な誘惑
・性と恋愛の歴史を記述する
・「マス・オブザベーション」プロジェクトー感情のアーカイヴ
・「下から見る」感情の意味と重要性
【テクスト】
◎クレア・ランガマー「恋愛・誘惑・欲望」
11回[オンライン/online]:映画と感情
・映画館で
・ベンヤミンと情動的な無意識
・認知主義とニューロサイエンス
・ショックという感情と感情によるショック
・エイゼンシュテインとガンス、あるいは落涙の天才
・映画、感じることのできる生を撮影する光学装置
・感情の諸ジャンル、メロドラマ、コメディー、ホラー映画
【テクスト】
◎アントワーヌ・ド・ベック「暗闇で笑い、泣き、怖がること」
12回[オンライン/online]:スポーツと感情
・スポーツマンにおける至上命令ーおのれの感情を支配せよ
・観客において、黙想と同情のはざまで
・サポーターであるということ
・感情の婉曲化にむけて
【テクスト】
◎クリスティアン・ブロンベルジェ「スポーツ的情熱」
13回[オンライン/online]:演劇と感情
・ベル・エポック期におえる快楽
・「潜在意識への入り口にて」
・責任をもたせるべく感動させること
・至高なるユートピアー残酷さ
・内奥、通告
・「ヒステリーの彼方、あるいは彼方にて」
・近くへの入り口にて
・感情の政治
【テクスト】
◎クリストフ・ビダン、クリストフ・トリオ「感情の演劇性」
14回[オンライン/online]:音楽と感情
・情動の歌声、楽器、理論
・前衛音楽、エレベーター・ミュージック
・愛、そしてその他の融合について
・エレクトリシティ、他者性
【テクスト】
◎エステバン・ビンシュ「音楽聴取」
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・文献を読み、自分が関心を持った概念や内容について、意見をまとめてGoogle Classroomに授業が始まる1時間前までにアップロードしてください。
・文献の発表者はレジュメをパワー・ポイントで作成してください。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
○ ジャン=ジャック・クルティーヌ編(小倉孝誠監訳)『感情の歴史IIIー19世紀末から現代まで」(藤原書店、2021年)。
参考書References
○ バーバラ・H.ローゼンワイン, リッカルド・クリスティアーニ(伊東剛史ほか訳)『感情史とは何か』(岩波書店、2021年)。
○ ヤン・プランパー(森田直子訳)『感情史の始まり』(みすず書房、2020年)。
○ ジョルジュ・ヴィガレロ編 (岩下綾ほか訳)『感情の歴史学I ー古代から啓蒙の時代まで』(藤原書店、2020年)。
○ アラン・コルバン編 (井上櫻子ほか訳)『感情の歴史学IIー啓蒙の時代から19世紀末まで』(藤原書店、2020年)。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への貢献度・参加度・提出物(30点)、発表(70点)で、60点以上が合格となります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
N/A
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
この授業はZoomで行いますので、インターネットの環境や通信機器が必要です。
HOPPIIでの登録をお願いします。HOPPIIの「お知らせ」で、授業を行うZoomの情報をお伝えします。また、この授業ではGoogle Classroomを使用します。初回の授業の後に、Google Classroomへの登録をお願いします。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
アメリカ合衆国史 思想史 ジェンダー
<研究テーマ>
・アメリカ革新主義思想の宗教・ジェンダー・セクシュアリティからの再考
・20世紀転換期アメリカにおける個人主義・リベラリズム・資本主義に抗する信仰運動としての米国聖公会のアングロ・カトリシズム
<主要研究業績>
○「善き生の回復を求めてーラルフ・アダムズ・クラムの教会建築論に見る革新主義期アメリカに抗するアングロ・カトリシズムの想像力(イマジェリー)」『年報アメリカ研究』第56号、2022年。
○「プロテスタンティズムの倫理と革新主義期アメリカの精神―アングロ・カトリシズムの視点から見る生政治―」『異文化』23号、2022年。
○「聖十字架修女会の会員とセツルメント運動 ――生と活動の様式としてのアングロ・カトリシズム 」『ジェンダー史学』16号、2020年。
○「『第三者』性のポリティクスー19世紀末ニューヨークの聖公会員の社会改革運動と公共領域の再編 」『アメリカ史研究』42号、2019年。
○「ジェンダーからみるグローバル・ヒストリー ―女子教育とジャンヌ=ダルクの『普遍化』から」、上智大学アメリカ・カナダ研究所、イベロアメリカ研究所、ヨーロッパ研究所共編『グローバル・ヒストリーズーナショナルを超えて』上智大学出版社、2018年。
○Redemption and Revolution: American and Chinese New Women in the Early Twentieth Century (Ithaca, NY: Cornel University Press, 2016).
○“Excludable Aliens vs. One National People: The U.S. Chinese Exclusion Policy and the Racialization of Chinese in the United States and China,” The Japanese Journal of American Studies (no.23, 2012).