国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
CUA500G1－108（文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 500）多文化相関論ⅠＢMulticultural Interrelations Ⅰ B
ユートピア/ディストピアの視座から身体の表象を見る
グアリーニ レティツィアLetizia GUARINI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X2010 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
Course outline:
This course is designed to enhance students’ understanding of the representation of pregnancy and childbirth in utopian and dystopian worlds. Students will explore the possibilities of pregnant women/men's bodies as they are depicted in various genres such as literature, film, art, and subculture. In addition, they will learn how ideologies relative to pregnancy, childbirth, and childcare are socially constructed and reproduced. Moreover, they will learn to analyze the "ustopic" worlds created within contemporary literature and culture.
Learning objectives:
By the end of the course, students should be able to do the followings:
1) Understand the role of utopia/dystopia in literary and cultural studies.
2) Analyze representations of the body in a wide range of media.
3) Understand the historical and social context in relation to pregnancy and childbirth, and critically examine gender norms.
Learning activities outside of the classroom:
Students are required to read the reference material by the next session (one to three hours for every session). They are also expected to be prepared to deliver presentations in class.
Grading Criteria /Policy:
The final grade will be decided based on the following:
Involvement during discussion and presentation: 60%
Final essay: 40%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
この授業では、ユートピアとディストピアの視座から妊娠と出産の表象について学ぶ。文学、映画、アート、サブカルチャーなど、様々なジャンルにおける妊婦/妊夫の身体の可能性について考える。また、社会的な背景を考察しながら、具体的な作品を取り上げ、現代文学・文化が生み出した「ustopia」（utopia+dystopia）の世界を分析する力を養う。
到達目標Goal
1. 文学・文化研究におけるユートピア/ディストピアについての知見を得る。
2. 幅広くメディアにおける身体の表象を分析する能力を身につける。
3. 妊娠・出産にまつわる歴史的・社会的な背景を理解し、ジェンダー規範を批判的に考察することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち，「DP1」の達成のために特に重要であり，「DP2」の達成のために重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
第2回〜第9回：山崎明子、藤木直実編『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』（青弓社、2018年）や小谷真理『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』（青土社、2021年）などを読む。毎回、2名の発表者が、担当する章の内容をまとめ、論点整理やディスカッションのための問題提起を行う（発表時間は20分程度）。
第10回：唯野未歩子監督『三年身籠る』（2006年）を中心にグループディスカッションを行う。
第11回：『ヒヤマケンタロウの妊娠』（漫画、NETFLIXドラマ）を取り上げて、グループディスカッションを行う。
第12回〜第13回：受講者の個人研究発表
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：9/22 オリエンテーション
受講者の自己紹介。授業計画について説明を行う。発表の順番を決める。
第2回[対面/face to face]：9/29 『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』序章
『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』序章を読んで、グループディスカッションを行う。
第3回[対面/face to face]：10/6 『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第2章、第３章
『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第2章、第３章についての発表。
第4回[対面/face to face]：10/13 『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第4章、第5章
『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第4章、第5章についての発表。
第5回[対面/face to face]：10/20 『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第6章、第7章
『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』第6章、第7章についての発表。
第6回[対面/face to face]：10/27 『母性のディストピア』第3部
『母性のディストピア』第3部「宮崎駿と母性のユートピア」についての発表。
第7回[対面/face to face]：11/10『身体で読むファンタジー』第１章と第５章
『身体で読むファンタジー』第１章「フランケンシュタイン・コンプレックス」と第５章「もののけ姫の汚い、危険な身体」についての発表。
第8回[対面/face to face]：11/17 『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』第３章
『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』第３章「テクノロジーと世界の変貌」についての発表。
第9回[対面/face to face]：11/24 『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』第５章
『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』第５章「ディストピアの現在形」についての発表。
第10回[対面/face to face]：12/1 『三年身籠る』
唯野未歩子『三年身籠る』（小説、映画）を取り上げて、妊婦の表象について考える。
第11回[対面/face to face]：12/8 『ヒヤマケンタロウの妊娠』
『ヒヤマケンタロウの妊娠』（漫画、NETFLIXドラマ）を取り上げて、妊夫の表象について考える。
第12回[対面/face to face]：12/15 個人研究発表（１）
修士論文についての個人研究発表をしてもらいます。
第13回[対面/face to face]：12/22 個人研究発表（2）
修士論文についての個人研究発表をしてもらいます。
第14回[対面/face to face]：1/12 まとめ
授業全体のまとめを行います。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
課題のテキストを必ず事前に読む。
発表者は、テキストの内容をまとめ、議論を喚起する形で発表できるように準備する。
テキスト（教科書）Textbooks
山崎明子、藤木直実（編）『〈妊婦〉アート論- 孕む身体を奪取する』（青弓社、2018年）、価格 ¥2,640
参考書References
宇野常寛『母性のディストピア』（早川書房、2019年）
吉田純子（編）『身体で読むファンタジー―フランケンシュタインからもののけ姫まで』（人文書院、2004年）
小谷真理『性差事変―平成のポップカルチャーとフェミニズム』（青土社、2021年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
研究発表とグループワーク 60 %、学期末レポート 40%で総合的に評価する。
学期末レポートでは、授業で取り上げられた作品について書評を書く(1500 字程度)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
発表やレポートを準備するためのパソコンなど。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞日本近現代文学、ジェンダー理論、表象文化論
＜研究テーマ＞現代日本社会における家族、とりわけ父親や父娘関係の表象について研究している。また、日本現代文学における妊娠・出産・授乳に焦点を当て、「女性の身体」という問題について文化表象の側面から考えている。
＜主要研究業績＞
「娘は父の支配から逃れられるのか? ―角田光代の『ゆうべの神様』と『父 のボール』に見る父娘関係」『ジェンダー研究』第 23 号(公益財団法人東海 ジェンダー研究所発)、2021-2
“Mothers Who Kill: Motherhood and Loneliness in Mori ni nemuru sakana and Saka no tochu no ie by Kakuta Mitsuyo,” Il Giappone. Studi e Ricerche (Vol. 1), 2020-12
“An Ustopic Trip to the Country of Amanon: An Analysis of the Father/Daughter Relationship in Kurahashi Yumiko’s Amanonkoku okanki,” Orientalia Parthenopea (Vol. 19), 2019-12
「男性支配的社会における女性間の友情物語ー角田光代『対岸の彼女』に見る 女同士の絆」『ジェンダー研究』第 22号(お茶の水女子大学ジェンダー研究所)、2019-7