国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
CUA500G1－107（文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 500）多文化相関論ⅠＡ Multicultural Interrelations Ⅰ A
ケアから現代文学を読む
グアリーニ レティツィアLetizia GUARINI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X2009 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
Course outline:
In this class, we will discuss Joan C. Toronto's "Who Cares? How to Reshape a Democratic Politics," along with the chapters by Yayo Okano included in the Japanese edition (2020), and "The Care Manifesto: The Politics of Interdependence" by the Care Collective (2021). Students will learn about the practice of care at various levels, including family, community, and the nation. They will also read specific literary works and academic articles on literary studies.
Learning objectives:
By the end of the course, students should be able to do the followings:
1) Acquire basic knowledge about the ethics of care.
2) Read literary and cultural works from the perspective of feminism and care.
Learning activities outside of the classroom:
Students are required to read the reference material by the next session (one to three hours for every session). They are also expected to be prepared to deliver presentations in class.
Grading Criteria /Policy:
The final grade will be decided based on the following:
Involvement during discussion and presentation: 60%
Final essay: 40%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
コロナ禍の影響によってケア労働の重要性、そしてそれを疎かにしてきた社会のあり方を明確となった。この授業では、ジョアン・C. トロントと岡野八代『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』（白澤社、2020年）とケア・コレクティヴ『ケア宣言:相互依存の政治へ』（大月書店、2021年）を読んで、家族、コミュニティ、国家など、様々なレベルにおけるケアの実践について考える力を養う。また、具体的な文学作品や文学研究の論文を読んで、ケアの視座から文学・文化研究を分析する方法を身につける。
到達目標Goal
１） ケアについての基礎的な知識を身につける。
２） フェミニズムとケアの視座から文学・文化作品を読むことができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち，「DP1」の達成のために特に重要であり，「DP2」の達成のために重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
ジョアン・C. トロントと岡野八代『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』（白澤社、2020年）とケア・コレクティヴ『ケア宣言:相互依存の政治へ』（大月書店、2021年）を読む。毎回、2名の発表者が、担当する章の内容をまとめ、論点整理やディスカッションのための問題提起を行う（発表時間は20分程度）。
また、ケアと文学研究に関する論文やケアを描く作品を読んで、グループでディスカッションを行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：4/7 オリエンテーション
受講者の自己紹介。授業計画について説明を行う。発表の順番を決める。
第2回[対面/face to face]：4/14 文学におけるケア
小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』の序章を読んで、文学における“ケア”について考える。
第3回[対面/face to face]：4/21 『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』第1章
『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』の第１章についての発表
第4回[対面/face to face]：4/28 『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』第2章
『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』の第2章についての発表
第5回[オンライン/online]：5/12 『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』第3章
『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』の第3章についての発表
第6回[オンライン/online]：5/19 文学とケア（論文 １）
育児の現代小説に関する論文を読む。
第7回[オンライン/online]：5/26 文学とケア（論文 2）
介護の現代小説に関する論文を読む。
第8回[対面/face to face]：6/2 『ケア宣言:相互依存の政治へ』序章、第１章
『ケア宣言:相互依存の政治へ』序章、第１章についての発表
第9回[対面/face to face]：6/9 『ケア宣言:相互依存の政治へ』第2章、第３章
『ケア宣言:相互依存の政治へ』第2章、第３章についての発表
第10回[対面/face to face]：6/16 『ケア宣言:相互依存の政治へ』第4章、第5章
『ケア宣言:相互依存の政治へ』第4章、第5章についての発表
第11回[対面/face to face]：6/23 『ケア宣言:相互依存の政治へ』第6章、訳者解説
『ケア宣言:相互依存の政治へ』第6章、訳者解説についての発表
第12回[対面/face to face]：6/30 文学とケア（作品分析 1）
『緊急事態下の物語』から短編小説を読んで、グループでディスカッションを行う。
第13回[対面/face to face]：7/7 文学とケア（作品分析 2）
小林エリカ「脱皮」を読んで、グループでディスカッションを行う。
第14回[対面/face to face]：7/14 文学とケア（作品分析 3）
松田青子「誰のものでもない帽子」を読んで、グループでディスカッションを行う。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
課題のテキストを必ず事前に読む。
発表者は、テキストの内容をまとめ、議論を喚起する形で発表できるように準備する。
テキスト（教科書）Textbooks
ジョアン・C. トロントと岡野八代『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』（白澤社、2020年）価格 ¥1,870
ケア・コレクティヴ『ケア宣言:相互依存の政治へ』（大月書店、2021年）価格 ¥2,420
参考書References
小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』（講談社、2021年）
佐々木亜紀子、光石亜由美（編）『ケアを描く - 育児と介護の現代小説』（七月社、2019年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
研究発表とグループワーク 60 %、学期末レポート 40%で総合的に評価する。
学期末レポートでは、ケアの視座から授業で取り上げられた文学作品について書評を書く（1500字程度）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
発表やレポートを準備するためのパソコンなど。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞日本近現代文学、ジェンダー理論、表象文化論
＜研究テーマ＞現代日本社会における家族、とりわけ父親や父娘関係の表象について研究している。また、日本現代文学における妊娠・出産・授乳に焦点を当て、「女性の身体」という問題について文化表象の側面から考えている。
＜主要研究業績＞
「娘は父の支配から逃れられるのか？―角田光代の『ゆうべの神様』と『父のボール』に見る父娘関係」『ジェンダー研究』第23号（公益財団法人東海ジェンダー研究所発）、2021-2
“Mothers Who Kill: Motherhood and Loneliness in Mori ni nemuru sakana and Saka no tochū no ie by Kakuta Mitsuyo,” Il Giappone. Studi e Ricerche (Vol. 1）, 2020-12
“An Ustopic Trip to the Country of Amanon: An Analysis of the Father/Daughter Relationship in Kurahashi Yumiko’s Amanonkoku ōkanki,” Orientalia Parthenopea (Vol. 19), 2019-12
「男性支配的社会における女性間の友情物語ー角田光代『対岸の彼女』に見る女同士の絆」『ジェンダー研究』第22号（お茶の水女子大学ジェンダー研究所）、2019-7