国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
SOS300GA(その他の社会科学 / Social science 300)国際社会演習Seminar
国際協力を捉える視点
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C1133 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期・秋学期/Spring・Fall |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | 単位数は、春学期2単位/秋学期2単位である。 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 選抜 |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
[Course Outline] This seminar covers inter-national cooperation, inter-cultural cooperation and various social problems or "global issues" which demand such cooperations, including poverty, environmental destruction, inequality, conflicts, refugees, or lack of education. It focuses actors (governments, international organizations, NGOs, companies), social norms (voluntarism, dependency, good faith, mutual help) or representations through various media. The goals of this seminar are to enable students to understand the relevant issues in diverse perspectives, and to develop their ideas and skills to conduct his/her own research.
[Learning Objectives]
By the end of the course;
A. The second year students are expected to understand the methodology of social science and humanities, and to write a short essay on the topic relevant to SA or SJ based on it.
B. The third year students are expected to design the research project in accordance with the relevant literature review and the academic methodology.
C. The fourth year students are expected to complete the qualified academic research paper of more than 20,000 letters in Japanese or 8,000 words in English.
[Learning activities outside of classroom]
1. Students will be expected to have completed the required reading assignments before each class. Your study time will be more than two hours for a class.
2. Students will be expected to have completed the required writing assignments after each class. Your study time will be more than two hours for a class.
3. In addition, students will be expected to present your research at least once each semester. Your preparation time will be more than ten hours.
[Grading Criteria/Policies]
Your overall grade in the class will be decided based on the following.
Assignments: 60%, in class contribution: 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「国際協力」とは異なる文化的背景を抱えた人々のつながりの一形態であり、演習で扱うイシューは国際協力を必要とする背景や実施した影響も含む。具体的には、貧困、環境、開発、格差、紛争、難民、教育などの「グローバルイシュー」、国際機構、NGO、政府機関、企業などの「組織」、ボランティア、募金、善意、助け合いなど「国際協力を実践する個人や社会のあり方」、そうした実践を表象するメディアも学びの対象とする。その前提に立って、国際文化学部の学生として「国際協力」やその背景要因、意図せざる結果を考察することを通して、物事を洞察する多様な分析視角=視点を修得する。
到達目標Goal
【2年次】人文社会科学の視点や研究方法を使ってSA/SJ等に関係する短いサーベイ論文を書けるようになる、もしくはそれをサポートできるようになる。
【3年春学期】「国際協力」を広く分析する人文社会科学の視点や研究方法を習得し、各自が研究したいテーマと研究方法を見出せるようになる。
【3年秋学期】実際に調査・取材や研究に携わってその結果を発表したり、先輩の研究の進捗に積極的に触れたりすることを通して、研究に必要な方法を習得し、各自が研究したいテーマに関わる意義ある問いや仮説を立てられる、もしくはそれをサポートできるようになる。
【4年春学期】「国際協力」に係る事象を分析する人文社会科学の視点を深めるとともに、自らの研究テーマに沿った調査を進めることで、実践知(フロネーシス)として知識を捉えることができるようになる。
【4年秋学期】先行研究や適切な方法に基づいた研究論文の執筆と研究発表を行うことができる、もしくは、それをサポートできるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
【基本方針】新型コロナウィルス感染防止に係る法政大学の「教育活動における行動方針」のレベル1や2の場合は対面で、レベル3以上の場合はリアルタイムのオンラインで実施する。ただしレベル1と2の場合も、十分な感染防止対策を行うと同時に基礎疾患など個別の事情に応じて自宅等からの受講を認めハイブリッドで実施する。
【課題へのフィードバック】毎回の発表に対してはその場でコメントし、研究進捗報告などの課題に対しては学習支援システムを通じてコメントする。
【概要】春学期は「視点」と「方法論」を毎回学ぶ。「視点」では読む力、理解する力、考える力、発表する力を鍛え、「方法論」(サブゼミ)で考えたり調べたりするのに必要な研究方法を実習する。秋学期は、10月の法政大学懸賞論文や12月の国際文化情報学会など発表の場を積極的に活かして、春学期のインプットをアウトプットへと繋げていく。
【方法】
1.読む力、考える力、発表する力、議論する力の鍛錬:ゼミの卒業生が書いた卒業論文を題材にした議論・発表、各自の研究テーマに関する文献や事例をもとにした発表・議論を行う。
2.研究方法の習得:研究方法に関する課題文献を読んだ上で実習する。
3.「叩き愛」:お互いの研究計画、進捗報告、草稿などを事前に読んでゼミの時間にコメントし合う。「愛を持って叩く」という姿勢が重要。
4.外部講師の招へい:演習の学びを高め、実践との繋がりを考えるため外部講師を招くこともある。
5.ゼミ合宿:9月上旬に2泊3日で実施する(新型コロナウイルス感染状況によってはオンライン開催)。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
演習の説明、他己紹介、論文とは何か、をテーマにこのゼミを体感するような議論。
第2回[対面/face to face]:支援/方法論
「視点」では「支援」を、「方法論」では方法と方法論の違いを取り上げる。
第3回[対面/face to face]:弱者/先行研究レビュー
「視点」では弱者(スラム、孤児院)を取り上げ、「方法論」では先行研究レビューの意味について学ぶ。
第4回[対面/face to face]:難民/質的調査と量的調査
「視点」では難民を取り上げ、「方法論」では質的調査と量的調査の違いについて学ぶ。
第5回[対面/face to face]:観光と資源/ドキュメント分析
「視点」では観光と資源を取り上げ、「方法論」ではドキュメント分析について学ぶ。
第6回[対面/face to face]:表象と偏見/ライフストーリーインタビュー
「視点」では表象(写真、バレエ)と偏見を取り上げ、「方法論」ではライフストーリーインタビューの課題に取り組む。
第7回[対面/face to face]:新興ドナー/事例研究
「視点」では新興ドナーを取り上げ、「方法論」では事例研究について学ぶ。
第8回[対面/face to face]:4年生の個人研究進捗共有
4年生の卒業研究の進捗状況を共有して議論する。
第9回[対面/face to face]:個人発表①
2年生、3年生による文献発表と議論(グループ①)
第10回[対面/face to face]:個人発表②
2年生、3年生による文献発表と議論(グループ②)
第11回[対面/face to face]:留学
SAや派遣留学の経験を共有し留学について考える
第12回[対面/face to face]:ライフストーリーインタビュー研究と叩き愛①
2年生、3年生のライフストーリーインタビューをもとにした論文にコメントし合う。グループ①を対象とする。
第13回[対面/face to face]:ライフストーリーインタビュー研究と叩き愛②
2年生、3年生のライフストーリーインタビューをもとにした論文にコメントし合う。グループ②を対象とする。
第14回[対面/face to face]:懸賞論文初稿の叩き愛と春学期の学び
10月締切の法政大学懸賞論文初稿にコメントし合う。春学期の学びをKJ法を使って発見する。
第15回[対面/face to face]:個人研究論文の発表とグループ討議(Aグループ)
法政大学懸賞論文に投稿する学生の個人研究論文の発表とそれに対するグループ討議(Aグループ)
第16回[対面/face to face]:個人研究論文の発表とグループ討議(Bグループ)
法政大学懸賞論文に投稿する学生の個人研究論文の発表とそれに対するグループ討議(Bグループ)
第17回[対面/face to face]:懸賞論文から学ぶ
法政大学懸賞論文に投稿することの意義、学び、難しさを共有する。
第18回[対面/face to face]:ゼミ生によるゼミ(テーマA)
3年生が自らの研究テーマに関する課題を提示し、ゼミでの議論を担当する。テーマは3年生の研究テーマを踏まえて春学期の終わりに決定する。
第19回[対面/face to face]:ゼミ生によるゼミ(テーマB)
3年生が自らの研究テーマに関する課題を提示し、ゼミでの議論を担当する。テーマは3年生の研究テーマを踏まえて春学期の終わりに決定する。
第20回[対面/face to face]:ゼミ生によるゼミ(テーマC)
3年生が自らの研究テーマに関する課題を提示し、ゼミでの議論を担当する。テーマは3年生の研究テーマを踏まえて春学期の終わりに決定する。
第21回[対面/face to face]:国際文化情報学会投稿論文叩き愛(Aグループ)
学会に投稿する論文の草稿を読み、コメントし合う(Aグループ)。なお、学会での発表方法によってゼミの内容が変わる可能性がある。
第22回[対面/face to face]:国際文化情報学会投稿論文叩き愛(Bグループ)
学会に投稿する論文の草稿を読み、コメントし合う(Bグループ)。なお、学会での発表方法によってゼミの内容が変わる可能性がある。
第23回[対面/face to face]:実務者による講演①「政府による国際協力」
政府開発援助に携わる実務者を招いてゼミを行う。
第24回[対面/face to face]:実務者による講演②「NGOによる国際協力」
NGOで国際協力に関わっている実務者を招いてゼミを行う。
第25回[対面/face to face]:ゼミ生によるゼミ(テーマD)
3年生が自らの研究テーマに関する課題を提示し、ゼミでの議論を担当する。テーマは3年生の研究テーマを踏まえて春学期の終わりに決定する。
第26回[対面/face to face]:ゼミ生によるゼミ(テーマE)
3年生が自らの研究テーマに関する課題を提示し、ゼミでの議論を担当する。テーマは3年生の研究テーマを踏まえて春学期の終わりに決定する。
第27回[対面/face to face]:秋学期の振り返り、4年生座談会
4年生の個人研究からの学びを共有する。また、春学期に学んだKJ法を使って秋学期のゼミを振り返る。
第28回[対面/face to face]:3年生の個人研究中間発表
3年生の1年間の成果を発表し、4年生からフィードバックをもらう。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
■ほぼ毎週事前課題の文献があるので必ず精読してくること。
■発表担当になった場合は、事前に準備すること。
■毎回のゼミ後に「学び」を学習支援システムに提出すること。
■法政大学懸賞論文、外国語でのスピーチコンテスト、学生論文コンクールなど大学内外のコンテストへの投稿・出展を奨励・サポートするので、積極的に挑戦して欲しい。
■本授業の毎回の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
■4月の演習が始まるまでに最低1度は以下の文献を読んでおくこと。
鹿島茂(2003)『勝つための論文の書き方』文春新書。
■7月第1週までに最低1度は以下の文献を読んでおくこと。
川喜多二郎(1967)『発想法―創造性開発のために』中公新書。
参考書References
■文章の書き方をトレーニングするために以下の文献を折に触れて読むことを薦める。
吉岡友治(2015)『シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術』草思社。
それ以外については毎回の授業で紹介する。なお、担当教員が書いた本、本の章、論文などを調べて読んでおくと演習での学びが定着しやすい。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・平常点(授業への参加度)60%、授業後の「学び」の提出40%。
・ただし2年生と3年生は各学期に4回以上欠席した場合は単位を取得できない。
・この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
■知識を吸収する授業は演習以外にもあるので、演習では学生たち自らが調べたことなどを議論する時間を設けて欲しいという要望が多く出されたので、2021年度からはそれを踏まえた授業計画にしている。
■この演習で卒業研究に取り組むことを知らなかったという声もあったので、原則として全員が個人研究に取り組むことを明記した。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
■学習支援システムを頻繁に使用する。正式の連絡は演習のMLで伝える。
■対面授業とオンラインの併用(ハイフレックス)になる場合は、対面で出席する学生も各自パソコンを持参すること。
■発表や議論の際は、WORD、EXCEL、Power Point、Jamboardなどを使い、議論や考えを図式化するように心がけること。
その他の重要事項Others
■このゼミでは研究し論文を書くことを学びの「手段」として捉えているので、原則全員が研究や論文(2年生論文や卒業論文)に取り組む。ゼミの内容も研究や論文に取り組むことを前提で組まれている。結果的に書けなかったり、思うような内容でなかったりしても、取り組むプロセスで習得できることに意味と価値がある。もちろん精神的に辛かったり個人的な事情があったりして断念することはやむを得ないので、その場合は遠慮なく申し出て欲しい。
■担当教員は学術博士(国際協力学)の学位を持つ一方で、NHK報道記者、開発途上国での草の根協力、国際援助政策の策定にも長く携わってきた経験から、具体的事例と理論を融合した演習を行う。
■図書館、CiNiiやWeb of Scienceなどの大学のリソースを早めに使えるようになること。春学期の初めにそのための実習を行うが、1度習っただけでは使えるようにならないので、日常的にこうしたリソースを使うようにして欲しい。
■授業内容は変更がありうるので3月の演習説明会や4月の演習開始時に説明する。
■2021年度から2年生を若干名受け入れているので、シラバスもそれに対応したものになっている。具体的には、水曜日5限以降に必修授業がある場合は、そちらを優先して構わない。秋学期にSAに参加しない学生や夏休みのSJに参加する留学生に対しては、演習の到達目標に準じた秋学期のカリキュラムを追加する。
■3年~4年次は継続して履修すること。ただし、途中で関心を失ったり、他にやりたいことを見出した場合は履修登録の継続を見送ることを推奨する。
■4年次から新たに履修する場合は、3年次までに人文社会科学的なものの見方や学術的な研究の方法を一定程度身につけ、かつ本演習に係る具体的なテーマを設定し文献研究を進めていること。
■国際文化協力、平和学、国際関係学概論、国際関係研究Ⅰ・Ⅱ、実践社会調査法、実践国際協力など、関連する授業を受講していることが望ましい。特に実践社会調査法は春学期のゼミ内容の関係しているので是非履修して欲しい。
■コロナ禍で2020年度以降このゼミの特色の1つである海外フィールドワークが実施できていない。もし複数のゼミ生に強い希望があれば、授業時間外に国内フィールドワーク(文献レビューに基づくインタビュー調査)について検討する。