国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
SOS300GA（その他の社会科学 / Social science 300）国際社会演習Seminar
「国際関係」を問い直し、つむぎ直す
今泉 裕美子Yumiko IMAIZUMI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | C1126 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期・秋学期/Spring・Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | 3～4 |
| 単位数Credit(s) | 4 |
| 備考（履修条件等）Notes | 単位数は、春学期2単位／秋学期2単位である。 |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| 旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
| 人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 選抜 |
| 毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
【Course outline】 The aim of this course is to provide students with discipline of International Studies to understand international society.
Through the 20th century, the classical view of the international society with nation states as actors did not reflect realities any longer. We will review how the transformation of international relations has affected the study of them. Students will also examine our daily life and domestic issue are part of international society by synthesize national and international situations on equal terms. Finally, we will analyze the events and issues to resolve the problems in contemporary world.
【Learning Objectives】
By the end of this course, students are expected to:
(1)Recognize major concepts and theoretical frameworks of international relations in historical context.
(2)Understand the discipline of International Study with
a) the perspectives of “interrelatedness” in the political, economic, social, and cultural spheres,
b)interdisciplinary approach by knowing how different disciplines interrelate one another,
c)historical approach with “diachronic” and “synchronic” views.
(3)Formulate own and common topics in class. Students should be able to:
a)analyze research data and previous studies,
b)interpret research results,
c)have presentation and discussion to develop own research,
d)improve skills of communication and academic writing.
【Learning activities outside of classroom】
(1)Each class will commence by 15-minute presentation and 15-minute discussion of the news article. Presenters should choose one article and analyze it critically.
(2)Presenters of each class will be expected to write resume based on the readings assigned for the class. The presentations will be prepared for deep understanding of the readings and further discussion using other non-assigned sources for their comments. Other students will also be expected to understand of the readings and prepare for comments and questions.
(3)Pre-class and post-class assignment task are expected to take approximately 2 hours each to complete.
【Grading Criteria/Policy】
This course will be evaluated through in class contribution based on attendance, preparation of readings, presentation, participation in discussion, group research, etc.(50%), and assignment papers (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
国際関係学を学ぶゼミです。
私たちの生活は”global”という表現であふれています。しかし、国境を越えた諸現象を表現するには、他にもも”international”、”transnational”、”supranational”などの表現もあります。その違いを知っていますか？「国際関係（International Relations）」というと海外のこと、政治、経済に関すること、外交に関すること、とイメージしていませんか？
こうしたイメージは、「国際関係」研究が西欧の近代国家同士の関係を対象として出発したことと関わります。しかしやがて、非西欧、非国家をも対象とし、それらの多様な「関係」を射程にいれる、すなわち既存の「国際関係」認識を問い直しながら、研究の視点や方法、概念を豊かにさせ、国際関係学が生み出されました。
ゼミでは「国際関係」が、私たちが自覚する/しない、にかかわらずとり結んでいる諸関係から成立していること、に着目します。世界（その一部である日本）には、どのような独自性をもつ人々がくらし、地域社会や文化を育み、私たちとどう関係しあっているのか。その独自性や関係はどのように作られたのか。
これまで無関係だと思っていた人々との、見えなかった関係が見えてくると、新たな出会いがあり、聞こえなかった情報もどんどん飛び込んできます。自分の「国際関係」認識を阻んでいたものは何か、認識を変化させた自分が「国際関係」をどうつむぎ直せるのか、を学びます。
到達目標Goal
(1)国際関係に関する基本的な概念、理論、思想を歴史的な背景のなかで理解できる。
(2)国際関係学の方法論（“関係性”に基づくものの見方、学際的アプローチ、対象の共時的・通時的把握）を習得し、本学部での学びの特徴を理解する。
(3)国際関係学を通じて自分が関心がある事象はもちろんのこと、一見、自分と関係ないと思える事象をも自分の関心に引き付け、分析することができる。
(4)共同研究、個人研究で取り組むべきテーマを明確にし、関連する先行研究の整理、史・資料の収集、分析、口頭発表、ディスカッション、論文執筆の方法を習得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
(1)2022年度の共同研究テーマは春学期は「"Pacific Islands" からみる国際関係、国際関係からみる"Pacific Islands"」。秋学期は3年生が決定する。
(2)毎回の授業では、最初の30分は、決められた担当者が関心ある報道を1つとりあげて報告、議論する。その後、授業計画に基づき担当者が報告(15分）し、議論（15分）する。
(3)授業計画に基づく口頭発表では、担当する報告者が定められた文献や動画について、レジュメ（要旨、用語解説、問題提起）を作成し、議論を深めるために関連する文献や資料を読む。報告者以外のゼミ生も文献、動画について予習し、意見や質問を準備する。授業の最後に教員が講評する。
(4)個人研究のテーマは3年時を通じて決定する。
(5)国際文化情報学会で報告する（原則として3年は共同研究、4年は個人研究）。
(6)共同研究テーマに関する学外調査、国内外の他大学との合同ゼミ、などを行う。（COVID-19の感染状況に応じて）
(7)授業計画はゼミ生の関心、進捗状況、社会情勢によって一部変更する場合もある。サブゼミを行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]：イントロダクション－
国際関係学とは？
国際関係学に関する概説、授業の進め方など確認。
2[対面/face to face]：4年生の個人研究の中間発表
4年生は個人研究に関する先行研究の整理、論文構成、序論を発表。3年生は4年生の研究内容、本演習での個人研究テーマの設定や追究の方法を学ぶ。
3[対面/face to face]：「国際関係」の分析になぜ「歴史」が必要か？
「国際関係」の研究になぜ「歴史に向かう」必要があるのか、を「文字」による歴史をE.H.Carrの主張から、「非文字」による歴史を民話や怪談を事例に学ぶ。
テキスト：鹿野政直『歴史を学ぶこと』-「歴史に向かう」
4[対面/face to face]：「マイノリティ」から「国際関係」を問い直す
「民族」、「人種」、「ジェンダー」に関する具体的な事例から「マイノリティ」の概念を学ぶ。
テキスト：鹿野政直『歴史を学ぶこと』-「マイノリティ」
5[対面/face to face]：「地域」から「国際関係」を問い直す
水俣の「民衆」の近代化の経験（生活と共同体の変化、朝鮮半島の植民地化、開発と環境問題）の事例から学ぶ。
テキスト：鹿野政直『歴史を学ぶこと』-「地域」から
6[対面/face to face]：第二次世界大戦の「終結」と「戦争観」から「国際関係」を問い直す
第二次世界大戦の戦時体制と報道統制、戦争「終結」をめぐる日本や世界各地の動向、戦後の「戦争観」の事例から学ぶ。
テキスト：鹿野政直『歴史を学ぶこと』－「戦争の終わらせ方」
7[対面/face to face]：『歴史を学ぶこと』から「国際関係」を問い直す
テキストの報告に加え、第3回～第6回で扱った事項・概念の整理、論点をまとめる。
テキスト：鹿野政直『歴史を学ぶこと』－「むすび」、「質問の時間」
8[対面/face to face]：学術論文を読む、書くに関するワークショップ
テーマ設定、史・資料収集、分析、論理的な表現、論文の読み方を学ぶ。
テキスト：斉藤孝他『学術論文の技法』
9[対面/face to face]："Pacific Islands"とは？
どのような国や地域があり、どのような人が暮しているのか。植民地化の歴史、現在抱える問題、海と島という自然環境が育む文化や社会の特徴を学ぶ。
10[対面/face to face]："Pacific Islands"から「国際関係」をみる①
気候温暖化、放射性廃棄物、軍事植民地化、BLMなど、現在世界と共有する問題の所在とこの地域ならではの現れ方を学ぶ。
11[対面/face to face]："Pacific Islands"から「国際関係」をみる②
"Pacific Islands"が問題に取り組むうえでの独自性、極小な島ゆえの知恵や協力の仕方を学ぶ。
12[対面/face to face]：「国際関係」からら”Pacific Islands"をみる
「国際関係」の様々な行為体、世界の諸地域と”Pacific Islands"との関わり合いを知る。
13[対面/face to face]："Pacific Islands"の人たちとのディスカッション
ゼミ生が関心あるテーマについてウェブで行う。
14[対面/face to face]：春学期のまとめ
春学期の学びをふり返り、秋学期につなげる。
1[対面/face to face]：秋学期のイントロダクション
秋学期の授業計画の確認。学部学会での共同研究テーマの確認。
2[対面/face to face]：個人研究の中間発表①
4年生、3年生の研究発表。
3[対面/face to face]：個人研究の中間発表②
3年生の研究発表。
4[対面/face to face]：国際文化情報学会の準備①
共同研究に関する報告と議論。
5[対面/face to face]：国際文化情報学会の準備②
共同研究に関する報告と議論。
6[対面/face to face]：国際文化情報学会の準備③
共同研究に関する報告と議論。
7[対面/face to face]：国際文化情報学会の準備④
共同研究に関する報告と議論。
8[対面/face to face]：国際文化情報学会の準備⑤
個人研究発表の予行。
9[対面/face to face]：国際文化情報学会発表の準備⑥
共同研究発表の予行。
10[対面/face to face]：国際文化情報学会発表の準備⑦
共同研究発表の予行。
11[対面/face to face]：国際文化情報学会発表のふり返り
各発表に関する評価を持ち寄り、今後の研究につなげる。
12[対面/face to face]：個人研究の発表
3年生による発表。
13[対面/face to face]：秋学期のまとめ
秋学期の学びをふり返り、整理する。
14[対面/face to face]：1年のまとめ
1年の学びをふり返り、整理する。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
(1)報告担当者は、担当者同士で事前に打ち合わせをし、指定されたテキストのほかに関連文献、史・資料を読み、レジュメを作成する。担当者でない場合もテキストを精読し、基礎的な事項は調べ、意見や疑問点を準備する。
(2)共同研究、個人研究は、自主的に教員から指導を受ける。関係機関での調査、聞き取り、フィールドワークなどを実施する。学んでいる外国語を活用する。大学内外のシンポジウムや講演会などを積極的に活用する。
(3)新聞は１紙以上、社説や投書欄を含めて毎日必ず目を通す。まとめサイトの利用は厳禁。
本授業は準備・復習に各2時間が標準となる。
テキスト（教科書）Textbooks
○国際関係学に関する基本文献
百瀬宏『国際関係学原論』岩波書店、2003年。
百瀬宏『国際関係学』東京大学出版会、1993年。
〇鹿野政直『歴史を学ぶこと』岩波書店、1998年。
○学術論文の書き方
斉藤孝他『学術論文の技法』（新訂版）日本エディタースクール出版部、2005年。
その他、随時提示する。
参考書References
随時提示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・口頭発表、議論など毎回の授業への参加度（50％）
・提出物（50％）。
いずれも、準備への取り組み、完成度とあわせて評価する。
やむを得ない事情で欠席する場合、欠席理由（証明書など）を提出すれば成績評価に考慮する。提出物は締め切りに遅れた場合、特別な理由（期末試験のルールに則る）以外は未提出として扱う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本ゼミで学ぶ内容、方法をわかりやすくした。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
Web授業を行う場合はPCを必要とする。学習支援システムを利用することがある。
その他の重要事項Others
(1)４年への継続は、３年次末の個人研究発表会でテーマを決定し、課された準備を行い得た学生にのみ認める。
(2)「国際関係学概論Ⅰ・Ⅱ」は必ず受講していること/すること、研究テーマに応じて国際社会コースを中心に同コース以外の授業も積極的に受講し、学際的に課題を追究する方法を学ぶ。
(3)本ゼミは個人研究と共同研究が密接に関連する。両者を両立させ、主体的かつ責任をもってゼミ運営に関わり、協力しあえる学生を歓迎する。